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子供との関係を構築する方法

親子関係は一生涯続く強固な関係です。誰もが良好な関係を保ちたいと思うものではないでしょうか。

少し古いデータで恐縮ですが、2005年に第一生命が行った「親子関係に関するアンケート調査」の中で、「子供から信頼されていると思うか?」という設問で、「信頼されている」と回答したのは約4割。子供の年齢が上がるにつれてその比率は下がり、子供が高校生では約3割弱という結果が出ています。

「ある程度信頼されている」を含めるとおよそ9割の親が、信頼関係が構築できていると思っていますが、私は「親の自信なき信頼関係」のように見えます。

子供が小さいときに叱りすぎ?!

2018年に独立法人・国立青少年教育振興機構が実施した「インターネット社会の親子関係に関する意識調査」で面白い結果を見つけました。

「親(保護者)は、私を時々叱る」という設問に対し、小中学生で約6割、高校生で約4割が「そうだ」と回答しています。この傾向はアメリカ、中国、韓国の子供より多い傾向です。

私が面白いと思ったのは、小中学生のほうが高校生よりも「叱られている」と感じているところです。

子供が小さいときは自我が出来上がっておらず、親に自分の意志を表示するのが難しいため、反発することが少ない。それを見て親は「子供が信頼してくれている」と思い込んでいる。そして、親が行いが悪いと思ったところはしつけという名のもとに「叱りつけている」。

一方、中高生になってくると自我が出来てきて、親に対する反発も多くなり、自分の意思をはっきり伝えるようになる。そのため、親は「子供からの信頼が減ってきている」と感じている。

こういう傾向が、ひょっとしたらあるのではないかと推測します。

「子育て = 叱る」ではない

子供に対して何かを教える、いわゆる「しつけ」のようなことをするとき、子供が自分のやって欲しいことと違う場合に、「そうじゃない!」と叱っていませんか? しかも、その際、自分のイライラした感情も乗せてしまっていませんか? お気持ちは十分わかります。言うこと聞いてもらえないときは、誰でもそういう感情になりがちです。

しかし、子供の立場に立って考えてみましょう。「やり方がわからない」「やりたくても出来ない」等、子供にも理由があって出来ない可能性があります。それを頭ごなしに怒られるのです。気分が良いわけないですよね? しかも、大好きな親がものすごい顔して怒っているわけです。場合によってはトラウマになりかねないって思いませんか?

ただ褒めればいいってものでもない

だからといって、やたらと褒めるのもどうなのかなと私は思います。なんでもかんでも「できたね、すごい!」って言うのも問題あるような気がしています。

あまりに単純なことも「すごい!」って褒めていると、何でもかんでも「褒めて欲しい!」という依存的な感情を持つようになるか、「こんなことまで褒めるの?!」と半ば呆れた感情を持つようになるか、どちらかのような気がします。

最初の一歩は「受け入れる」「共感する」

私は親が最初にすべきことは「子供の今の姿をありのまま受け入れること」だと考えます。その上で「今は出来なくてもいいの、あなたには伸びしろがいっぱいあるんだから!」なんて言葉を子供にかけてあげれば、子供はシュンとした気持ちから、「そっか、僕は出来るようになるんだ!」と前向きな気持ちになるのではないでしょうか。そうすれば、子供の自己肯定感を高めることにも繋がっていきます。

また、子供が何に躓いているのか、何に悩んでいるのか、話を聞いて「そうだね」と共感することも重要です。人間は共感してもらえると「この人は話を聴いてくれる」と思い、心を少しずつ開いていきます。

「ありのままを受け入れ、子供と共感する」、これを繰り返すことで、子供からの信頼が高まっていくと思います。

言葉で想いを伝える

もう一つ、重要な要素は「親の想いを言葉で伝える」です。特に日本人は「阿吽の呼吸」文化ですから、「言わなくても分かるだろ!」という想いがが外国と比較して強いです。そんな事ないです。言わないと、伝えないと分わからないんです!

ですから、親の想いは親の言葉で、親切丁寧に子供に伝えないといけません。しかも、何回も何回も手を変え品を変え、しつこいくらい伝えるべきだと思います。

私事で恐縮ですが、私の両親は私が小さい頃からずーっと「嘘をつくな」「警察の世話になるな」「マナーよく食事を食べろ」の3つだけを、しつこいくらい私に言い続けてました。

子供の頃は「うるさいなぁー!」と思ったこともあります。しかし、大人になってから、これらは基本中の基本で、すごい大事なことなんだなと分かりました。

逆に言うと、他には何も言われませんでした。「勉強しろ」なんて言われたことありません。小学生の夏休みの宿題、8/31までに終わらず、完成したのが10月中旬なんてこともありました・・・(苦笑)

しかし、学びたいことがあれば誰もが「勉強しろ」なんて言われなくても進んでやります。これはまた別の機会で。

お子さんとの関係構築に悩んでいる方に、少しでも参考になれば幸いです。

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