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2019をふりかえる

もうあと少しで2019年も終わるので、今年を振り返ってみたいなと思う。ここ数年は仕事でもプライベートでも毎年結構大きな出来事があったけど、今年も例に漏れず大きな変化をしていた。

地域おこし協力隊退任

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2017年8月に喜茂別町に“地域おこし協力隊”という制度を使って移住した。知らない町での生活は良くも悪くも戸惑いは多い。ひとりならまだしも、妻と息子を連れての移住。たくさん不安を抱えてたけれど、それは本当に杞憂だった。町内外へのPRおよび中心市街地活性化というミッションのもと、いろいろな活動をさせてもらい、良い人たちに恵まれ楽しい任期を過ごすことができたし、運良くとても素敵な物件にも恵まれた。人脈を広げるために活用した“地域おこし協力隊”は、僕にとっては理想的な制度だった。そんな活動を1年8ヶ月し、3月に退任。人生で初めて本当の意味での“フリーランス”になった。

COFFEE&SHARESPACE tigris オープン

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5月から「人・もの・情報が集まり、新しい何かが始まる場所」というコンセプトでCOFFEE&SHARESPACE tigrisをスタートさせた。僕にとって今までの人生で一番大きな買い物&変化だったと思う。デザイナーとして社会人キャリアをスタートさせ、いろんな経験をしたが、どこにいっても“デザイナー”という肩書きはあった(もちろんいまもある)。しかし、お店をはじめ、来てくださる方の認識は“喫茶店のマスター”。これは僕にとって大きな変化だった。飲食店経験もなく、「人が気軽に集まれる場所を作りたい。そのキッカケとしてコーヒーを提供しよう」というあくまでコミュニティスペースとしての機能を考えていたし、お任せできるのであれば興味・経験のある方にお店に立ってもらって…と考えていたのが、なかなか条件が合わずに「自分でやるしかない」と覚悟を決めたのが今年の1月。それからの勉強だった。

ここでの決断はいまとなってはよかったと思っている。飲食店運営の経験をすることができたのもそうだし、僕に会いに来る人もいるし、何気ない来店から面白い話に繋がったこともいくつもあった。それらも自分でお店に立っていなかったら生まれなかったことだと思う。これからずっと立ち続けられるかは分からないが、“できるだけお店にいる人”でありたい。

オープンして半年ちょっと。近隣地域では「カフェ」としての認知は少しずつされてきた印象もあるので、来年は「シェアスペース」としての認知を広げていきたいと思っている。

KIMOBETSU Foodiesの立ち上げ

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チグリスをスタートさせたことがキッカケで始まったプロジェクトはいくつかあるが、そのひとつとして地元農家さんと一緒にフードロス問題に取り組む任意団体を立ち上げた。詳しくは「フードロス問題を解決するためになにかアクションしたいと思うんです。」に書いたが、“適量を育て、適期に収穫し、適切に加工・流通させる仕組み”を作るために活動している。先日、東京で開催された催事に乾燥野菜を出品し、多くの方に試食・購入していただいた。

このプロジェクトは、実は移住前から構想はあった。生産者が本来やるべきことに集中できる環境を整備すれば、もっと品質が良いものが提供でき、生産量もあがるのではないかという仮説を持っており、そのひとつの解決策が「規格外商品の販売・加工」だった。ずっとウジウジと自分のなかで温めていたものが、農家さんのひと言がキッカケで一気に進んでいった。

いまはまだテストマーケティングの段階だが、来年はちゃんと製品化させたいし、販路を確保し、収益化できるようにしていければと思っている。

移住促進に関するあれこれ

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昨年末から少しずつ役場職員の方や商工会の方と進めているのだが、人口2000人程度の喜茂別町は、他の町村同様、移住促進のための取り組みをいくつかしている。そのなかでも地域おこし協力隊の受け入れと情報の整理・発信の仕組み作りということに関してお手伝いさせていただいている。

現在、僕の後任として2名の地域おこし協力隊員が町内で活動しているが、そのサポートをしている。サポートいっても困りごとを聞いてみたり、興味の近そうな方を紹介したり、一緒にプロジェクトを立ち上げてみたりしているだけなのだが、これまで自分が地域おこし協力隊として経験したことや事業を作っていく過程での思考が他の人でも適応するものなのかという検証に場にもなるし、僕自身も学びが多くてなかなか面白い。

情報整理に関しては今年は手が回らなかったことが多く、課題が多く残ったが、来年は体制づくりからいろいろと進められそうなので、また新しいチャレンジができそうな気がしている。

つながりに関するあれこれ

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下半期は特にたくさんの出会いがあって、道内各地につながりができた。お店ができたことで視察に来てくださる方もいたし、「コミュニテイづくり」というテーマでイベントに登壇させていただく機会もあった。道内各地で「地域を面白くしたい」と頑張っている人たちとユルく繋がる機会も持てた。これらは継続して関係性を保っていきたい。

デザイナー・リモートワーカーとしてのあれこれ

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今年のはじめにそれまで続けていたリモートでの業務委託の仕事をすべて打ち切らせてもらった。新しいことを始めるにあたってどこまで時間と体力を割けるのかが分からなかったからだ。それも少しずつペースを掴めるようになってきた下半期から仕事量も少しずつ戻りつつある。まだ昨年に比べたら収入面でも元に戻っているわけではないので踏ん張りどころではあるけれど、来年に向けてもいろいろと面白い動きもできつつあるのでしっかりカタチにしていきたい。

なにより僕自身のなかで仕事の基準ができたことが一番大きい。

・完全リモートで仕事ができること

・田舎での暮らしがよくなりそうなサービスを提供していること

・僕の課題感に共感してもらえること

というのを基準にお仕事をさせてもらっている。特に2番目は大きくて、田舎にいるとさまざまな場面で都市部と比べて不便だなぁと感じることがある。都会では当たり前に受けられていたサービスが田舎にはないことも多い。そういう機会格差をなくすことができれば、もっと田舎を選択しやすくなるのではないかと思っている。そういうことをこれまでの僕の経験やデザインという武器を活かして解決していきたい。

プライベートのあれこれ

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移住して2年。喜茂別に住み続けることを決めて家も買った。自分でリノベーションした家は納得にいくカタチで住めている。築50年の建物だしいろいろ不具合は出てくるが、それも含めて良い家に住めてるなと思う。そして息子も3歳になって、コミュニケーションもたくさん取れるようになった。新幹線に夢中で、最近は宇宙に興味を持っている。とにかくマイペースなので、そのまま興味のあることに純粋であった欲しいなと思う。

2020年のこと

振り返ってみたら今年はいろんなことにチャレンジしてたなと思う。ただどれもまだヨチヨチ歩き…もっと言うとハイハイくらいの状態。2020年のテーマは「定着」と「手放す」。いまチャレンジしていることを軌道に乗せること、そしてそのなかで自分にしかできないことにフォーカスすることを意識しながら活動できたらなと思っている。


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