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詩-ピース-

シンメトリーの新芽を屠る
姑息役立つ脇役の厄年
お年に召してもなお続けられる





老いに戀する四面楚歌に
ギュンとストレートの生き様を飲み干す
こんにちはっと生まれ落ちたら
あとは老いまで一直線
そして最後は死に上がる

たかたん
たんたか
たんたかたん

紫蘇の香りにピースがくゆる
ジョッキ飲み干し次は明日へ
せん妄混じりの酔いどれ奴隷が
歌って鳴いて詩を描いたんだ
阿闍梨になれたら迷いの森も彷徨わずに歩けるのかな

自分の髑髏を想って、人と人との間を行くよ

くすぐりくすぶり過ごした10代
くすぶりなにかできると20代
やっと人に慣れそうな気がする30代
老いは遠い合意の行為で
若さを焦がして命を囃し
ふと掻い摘みたい

すくすくゆっくり育つ塊根
葉を散らすのは活き様ありきで
俺は命の代わりに詩を瞬いた

音が聞こえるどこかの居場所
誰かが唱える人の場所
そうだねこうだねああやって
縁と縁とでサヨナラだけが人生なんだと
僕たちはたまたま出会っただけだと
だから笑うよ地平線の先まで
会えない人が咲いた過ち
さようなるための片思い

上昇志向は無駄だって
誰かに聞いた赤穂浪士
一線纏わず夜に狂わずも

俺は

命を煩わしいと


架空写詩集『かたよりがちの青空』より

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