写真詩-宵闇徒歩の命拾い
俺は間の悪いチンパンジー
いつも生きてる鈍感に
だからきっとこてんぱんに
したりされたり、されて満ちてる
生きてる間の通り雨に
亀よりも遅くノービリと歩くよ
ヤーシブ夜中の皇居に厠
あわや御三家暮れる晩年
蝶番のように申し開きで揚げる小話
そして終わりに
あの人この日を最後に詰める
そうだな霰
霞み
彷徨う
問いかけの疑問符、知られざる句読点
点描で描いた点字の活路は
どうしたって見出せないね
だから歩くよ御伽の胞子
-もしもし俺だが飲まないかい-
と
返事のない界隈を俯瞰する四畳半
路上の先にゆらり咲いてる
それ人みんな素知らぬ顔顔
素通り通りの中央通り
音と言には敏感だから
デモクラシーにもならない宴会
イルミネーションよりも綺麗でおっきいのが当たり前に連なってるもんだから
気づきやしない
毎日お日様空の帰り道
どんな音符もぴあにっしししししも
いつも血にも肉にもならぬ
地続き揺れない大地はどこだい
東京雨景に重ねる喧騒
そんなにいつも肥えてはいない
見向きもしない幻想の前奏
奏でたところで響きはしない
アイソトープが本懐なのかな
街路樹に佇む木目の女
幾ら手のひらこまねいたって
抗えないの毛のないダルマ
架空写詩集『宵闇徒歩の命拾い』より
架空写真集『東京雨景』より
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