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続・エヴァは鬼滅の興行収入を超えるのか?

過去に私は、市場調査に携わる者として、当事者意識のない専門家の意見にクライアントは興味をなくしているという体験談を書き(こちら),続いてその実例として、エヴァが鬼滅の刃の興行収入を超えるだろうという予想をする記事に対して、それはないだろうという投稿を書きました。(ヱヴァは鬼滅の興行収入を超えるのか?
ファンやユーザーが期待して、きっと超えるよというのは全然オッケーなのですが、映画業界に携わる者として、興行収入でエヴァ>鬼滅の刃と言ってしまうのはおかしいんじゃないのという突っ込みを書きました。自称専門家に対する批判ですね。否定した理由は主に客層の絶対量で、家族、恋人、友人と様々な客層を集められる鬼滅の刃が負けるわけはないだろうという話でした。
ただ公開前にあーだこーだ言ってもしょうがないので、公開後に確認します、という一言で締めていたのと、公開1週間を過ぎたところで、ほぼ結果が見えたと思ったので今回書くことにしました。やはり鬼滅の刃の方が売り上げが多いようです。
理由を以下記載します。

■第1週目の比較

エヴァンゲリオン 公開1週間の興行収入 33億3842万2400円
Yahooニュースより

鬼滅の刃 公開3日間の興行収入 46億2311万7450円
Yahooニュースより

エヴァは月曜日から公開でしたが、金曜日から始まった鬼滅の刃の3日よりも興行収入は低い、という結果になりました。予想通りカバーしている年齢層の違いは大きかったようです。

■エヴァ=スタートダッシュ型のコンテンツ

最初は興行収入が少なくても、きっとよい作品だからじわじわと売れるはず、という人もいるかもしれませんが、挽回は難しいでしょう。
なにせ、エヴァは最初に観客が集まるタイプの映画だからです。映画のネタバレ自粛といった動きがエヴァでは起こりましたが、エヴァは本当にコアなファンは最初に映画に行くものです。第1週がピークといっても過言ではないコンテンツです。一方。鬼滅の刃は、ジャンプ本誌を読んでいないコミックス派でも話の結果を知っている作品であり、特に急いで観に行く必要はないコンテンツでした。そのため、少し落ち着いたくらいで観に行こうかな、というユーザーも非常に多く、安定して顧客を動員できた作品でした。
いうならば、鬼滅の刃は短距離も長距離も可能な万能なランナー、エヴァはスタートダッシュ命の短距離ランナーであるにも関わらず、スタートダッシュの時点で鬼滅の刃が先に行ってしまったわけです。もう追いつくことはないでしょう。

■リピーターは期待できない

エヴァは鬼滅の刃と違ってリピーターが多いはず、という意見もあると思いますがリピーターはあまり期待できないと思います。なぜなら、コアなリピーターは既に第1週のうちに何度も観ているからです。エヴァについては賛否両論あり、評価が低い人は2回目を観に行かないでしょう。そして、評価が高いからと言っても、もう一度行くかは別の話です。私の友人は満足したので観るのはこの1回でやめたい、というコメントもしていました。ということで、リピーターは過去のエヴァ作品よりは増えることはあっても鬼滅の刃よりも圧倒的にリピーターが多いということにはならないのでしょうか?

■ではどこまでエヴァは伸びるのか?

鬼滅の刃の方が興行収入で上回るということは明白ですし、当てて当然だとは思います。非常に簡単なことを書いてしまいました。
どうせ興行収入について書くのであれば、どこまで伸びるのか?ということについて議論すべきだと思います。
先ほど記載したソースでは、前作Qが最終興行収入が53億円、初日興行収入対比145.1%とあります。単純に考えれば53億×1.45倍の77億円くらいでしょうが、①今回は初日が月曜、前回は土曜だったこと、②リピーターは前回よりは増える内容であること、③リピーターが4DXやIMAXなど単価の高い劇場にシフトして繰り返すことを想定して2~2.5倍くらいと見積もって、100~130億円くらいではないかと予想してみます。
私も一度は見ましたが、通販で頼んだパンフレットが届いたら読み込んで2回目にIMAX、余裕があれば通常の劇場で3回目に行く予定です。



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