専門家が求められない時代へ

私は複業にてマーケティングつまり商品やサービスを売るための工夫に関しての仕事を行っています。マーケティングにもいろいろ分類がありますが、その中でも市場調査に関してクライアントに会っていくと、ニーズはかなり似てると思うようになったので、私が感じた市場のトレンドについて記載したいと思います。

そもそもクライアントが市場調査を行う最大の理由は、企画におけるインプットの強化です。よりよい企画を考える方法を挙げようとすると、アイデアを発散させたり、収束させる方法を思いつく方も多いのですが、それらの方法もまずは十分なインプットがあって成り立ちます。いくら優れたアイデア創出方法を持っていても、研究室にこもってテレビもネットも見ないような人が行えば大して意味はありません。そのためインプットを強化するというのはシンプルであり協力な方法です。

私もクライアントの方に、より良いアイデアを与える刺激となるような人物の紹介を求められるのですが、その依頼に共通点があるように感じます。
それは、顧客自身・当事者であることです。

人に会うことで知識を高めようとする場合、手っ取り早い方法の一つは専門家、有識者、先人に会うことです。業界について知ろうとするのであれば、その領域について熟知した専門家に聞くのが有効な手段ですが、これについてはあまりクライアントの評判がよくありません。常に番組を作ることを考えている映像作家が炎上するような低視聴率の番組を作ってしまうように、プロであったり、専門であることに大して魅力を感じていないのです。
(ふと過去に教育学部の友人が、常に大学にいるベテランの教育学部の教授より、若手でも常にふれあっている現場の教師の方が参考になると思うと言っていたことを思い出しました)

商品の評価をしてもらうのであればやはり当事者で、女物の服を見ながら、きっとうちの妻はこういうの気に入りますという旦那の言葉を信じられないというのは、まぁ至極まっとうな話です。

ただ一方、当事者であれば誰でもいいという訳でもありません。言い方が悪いですが、平凡な人を集めても、斬新なアイデアであったり、潜在的に抱える欲求や行動に至るロジックを取得できるわけではありません。ネットを見ても商品や作品のレビュー欄に「まだ見てないけれど期待を込めて☆4つです」なんてコメントを見かけたりしますが、そのような当事者は当然クライアントにとって不要です。

そのため優れた洞察、そして客観的に理路整然と説明できるような当事者がインプットとして求められていると感じており、私もそのような当事者の探索を日々行っております。

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