ヱヴァは鬼滅の興行収益を超えるのか?

以前、市場調査を実施している私の体験談として、クライアントからの要望としてあるのは当事者の声であり、専門家の意見については関心が低い、というような記事を書きました。『専門家が求められない時代へ』

内容を要約すると、市場調査のクライアントは、業界人や専門家の意見は的外れなことが多いと思い始めていて、当事者の意見の方が魅力的だと感じている、という体験談です。今回のそのエピソードを補足するようなものを見つけてしまったので、ちょっと記事を書いてみます。

気になった記事は以下です。
【衝撃アニメ】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||は鬼滅の刃より凄い! もっと多くの興行収入を得る予定! 業界人「簡単に鬼滅を超えられる」
要約すると、『業界人いわく、来年公開されるエヴァの映画は鬼滅の刃の興行収入を塗り替える』という記事です。


今回はこの記事に関してコメントしたいと思います。
まず、初めに書きますが、私がコメントしたいのは、上記の記事の本文およびそこでまとめられた業界人のコメントであり、引用されているツイッターの各コメントに対してのコメントではありません。個人の意見に対しての反対意見をするつもりはなく、このプロが書いたこの記事のまとめ、考察に関する批評です。

さて、まず私がエヴァンゲリオンと鬼滅の刃について、ファンとしてどれだけの当事者であるか記載した上で、記事について記載したいと思います。

【エヴァンゲリオン】
旧作からのファン。旧作劇場2作品は公開中に劇場に足を運んでいますし、旧作ブームの際にはサントラや歌集などのCDを買い、プラモデルも購入して組み立てたたり、ゲームとしては、セガサターン3作を始め鋼鉄やPS2のエヴァ2もプレイ経験あり。
新劇場版シリーズは3作とも映画館で鑑賞し、ブルーレイも3枚購入。コンビニのエヴァくじも引いたし、新劇場版の初号機のフィギュアも購入経験あり。今年のコラボお菓子もとりあえず3種類くらい購入。第三新東京市のミニチュアがあるスモールトーキョーも訪問し、グッズ購入した経験もあり。
新劇場シリーズを好きな順に並べると破>Q>序。一番面白いのは破だとは思いますがQも肯定している派。(早口で言ってそうだと思ったそこのあなた、間違ってないです)
【鬼滅の刃】
ジャンプ連載時のファンで、1巻発売時からコミックスを購入。(1巻の初版持ちです)映画も子供を連れて視聴済み。好きなキャラはべただけど善逸。

まぁ、エヴァも鬼滅の刃もがっつり当事者として、この業界人のコメントを確認していきましょう。

■【興行収入】エヴァ>鬼滅???

・鬼滅の刃が興行収入で喜べるのは今だけか
業界人の間では、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||は鬼滅の刃以上の興行収入をハイスピードで記録するというのである。それが事実となれば、鬼滅の刃が興行収入の高さで喜んでいられるのは今だけ、三日天下ということになる。

まず私の意見として、結論から言ってしまえば、超えないでしょう、ということですね。この記事中の「業界人」が、超えると記載した点についてコメントします。

たとえば、鬼滅ファンが映画を平均3回リピートしたとします。でもエヴァファンは10回も20回もリピートしますからね。

もう、どっから突っ込んでいいかわからないんですが、そんなにリピートしますか?という話です。先ほど冒頭に私のファン歴を記載しましたが、ファンとしては標準的な熱の持ち主だと思います。ただリピートしたのは新劇場版「破」を2回見に行っただけです。ファンが平均的に10回も20回も見に行くとは思えません。そもそもエヴァに限らず10回、20回も同じ映画を映画館に見に行くことあるの?ってことです。(私が2回映画館に行ったのはむしろエヴァ「破」だけです)

<エヴァのプラス要素>
老若男女ディープなマニアがいそう

”老若”って、いやいや、エヴァってファン層、鬼滅の刃と比べたらがっつり狭いですよ。若くて(10代以下を想定)でディープなファンなんて、鬼滅と比べたら全くませんよ。スーパーやフードコートで「水の呼吸」と叫んで遊んでる小学生を何人か見たことありますが、「目標をセンターに入れてスイッチ」とか「ATフィールド全開!」言ってる小学生をこれまでに見たことないです。10代以下では圧倒的に鬼滅有利でしょう。
鬼滅の刃の映画を見に行った時、たくさんの親子連れを見ました。エヴァの映画館でも親子連れがいなかったわけではないですが、数はかなり違います。そして子を持つ親として、鬼滅は子供(小学生)と行ったけど、エヴァは絶対連れて行かない、と思ってます(そもそもうちの子供は興味ないですが)

グッズにもガンガンお金を落としてくれます。それに鬼滅ファンよりエヴァファンのほうがお金持ってると推測されています。グッズに1万も2万も簡単に出しますよ。

確かにファンとしてグッズは買いますよ。先日もプラレールのエヴァ仕様名鉄買ったり、来年発売されるエヴァの食玩も箱買い予約するか悩んでますから。(追記:予約しました。あと弐号機のプラモも)でも、そもそもグッズは興行収入に含まれないんですよね。

■過去の興行収入
続いて過去の興行収入について振り返ってみましょう。
wikipediaによれば、ヱヴァンゲリヲン過去の興行は
旧1作目・・・18億7000万円
旧2作目・・・24億7000万円
新1作目・・・20億円
新2作目・・・40億円
新3作目・・・56.2億円
となっております。どれもすごい数字ではあるんですが、最後の1作で250億円までエヴァが伸びるとは思えますか?作を数えるごとに増えていきますが、3作目から倍となったとしても100億円を超える程度です。そして4作目になったからと言って、リピート回数が増えたり、新規層が大幅に増える理由は、コロナだからとか映画館の体制だけでは弱いでしょう。

■ファンとしての一意見
そして、エヴァファンの一人として私がこの件にコメントするのであれば、興行収入なんてどうでもいい、ということなんですよね。誰が何人見たかよりも、内容が面白いのか、ちゃんと完結するのか、ということしか気にならないので、ランキングは興味ないです。(まぁこれは個人的で感情的な意見なんで、興行収入云々の判断材料にはしませんが)

ツイッターで興行収入超えるぞ!とかそういうコメントはファンとしてはいいと思いますし、そういう意見が集まっていると紹介する記事であれば、私もこんなに書きません。ただ、いかにも興行収入記録を塗り替えられそうだというプロとして意見や、それをそのまま紹介してしまう記事についてはなんだか、魅力を感じないなと思い書いてみました。
これ以上はただの水掛け論になりそうなので、コメントはここまでにして、来年公開されて、その結果でどちらが冷静な分析だったのか、確認したいと思います。

追記1 3/10 シンエヴァ観てきました。ネタバレありの感想はこちら
追記2 3/19 どちらが勝ったかの結果が出たようなのでこちら「続・エヴァは鬼滅の興行収入を超えるのか?」 

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