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ミルクボーイがDX(デジタルトランスフォーメーション)を説明したら

駒場「いきなりですけどね、うちのおかんがね、最近気になってるビジネス用語があるらしいんやけど」
内海「あ、そーなんや」
駒場「その名前をちょっと忘れたらしくてね。色々聞くんやけど、全然わからへんねんな」
内海「わからへんの?ちょっと一緒に考えてあげるから、どんな特徴言うてたか教えてみてよ」

デジタルトランスフォーメーション

駒場「デジタル化によって会社の業績を上げるアルファベット2文字のやつやって言うねんな」
内海「おー、デジタルトランスフォーメーションやないかい。その特徴はもう完全にDigital Transformationやがな。英語圏の慣習に沿ってTransをXと略すから、アルファベット2文字でDXと呼ばれるやつやがな。」
駒場「DXなぁ」
内海「すぐ分かったやん、こんなもの」
駒場「でもこれちょっと分からへんのやな」
内海「何が分からへんのよー」
駒場「いや俺もDXと思うてんけどな」
内海「いやそうやろ?」
駒場「おかんが言うには、企業文化やプロセス、組織の変化は伴わないって言うねんな」
内海「あー、ほなDXとは違うかぁ。DXは業績改善を目的とし、デジタルを導入し、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することやからなぁ。組織の変化が伴わないものがDXでええ訳ないもんね」
駒場「そやねん」
内海「DXはね、総合的なアプローチによって成功率を高めようとしているのよ、あれ」
駒場「そやねん、そやねん」

変革目標

内海「DXってそういうもんやから、ほなDXちゃうがなこれ。もう一度詳しく教えてくれる?」
駒場「最初に着手するのは『変革目標』の設定らしいねん」
内海「そりゃあ、DXやないかい。変革プログラムを実行する際の土台になる変革目標を最初に決めることで、適切な戦略を明確にすることができるんやから」
駒場「分からへんねん、でも」
内海「何がわからへんのこれで」
駒場「おかんが言うには、変革目標は会社の全事業で同じ目標を設定するらしいねん」
内海「あー、ほなDXとは違うかぁ。変革目標は事業分野ごとに設定するからなぁ。事業分野ごとに異なった脅威や市場状況、競合に囲まれているから、同じ目標では成功率は低くなってしまうのよ」
駒場「そやねん、そやねん」

変革理念

内海「もうちょっとなんか言うてなかった?」
駒場「おかんが言うには、『変革理念』の設定もするって言うねんな」
内海「それはDXやないかい。『変革理念』は『変革目標』と似て非なるもので、事業別に設定する変革目標とは異なり、会社全体におよぶ変革の意図を示すアウトラインで、実行に欠かせないものなのよ。」
駒場「でも、分からへんねん」
内海「何がわからへんのこれで、DXやがな」
駒場「おかんが言うには、変革理念の代表例としては『顧客に新しい価値を提供し続ける』みたいなものが設定されるらしいねん」
内海「あー、ほなDXとちゃうなぁ。DXで必要とされる変革理念は、社内で働く人たちに何をすべきか明確に示し、実行に向けた具体的なものやからなぁ。正確かつ現実的で包括的、簡潔であり測定可能でないといけないから、そんなあいまいなキャッチコピーみたいなもんでええ訳ないもんね。基準や期限とか明確に示されてなかったら、俺は動かんよ、ほんま」

カスタマーバリューの創出

内海「もうちょっとなんか言うてなかった?」
駒場「カスタマーバリューの創出が欠かせない要素らしいって言うねんな」
内海「それDXやないかい。DXはコストを下げるコストバリュー、便利でカスタマイズされた体験を提供するエクスペリエンスバリュー、新たなつながりを創出するプラットフォームバリューなどを組み合わせてカスタマーバリューを提供し、顧客との関係性を高め、実現性を高めようとするんやから。DXに決まりやん」

ビジネスモデル

駒場「でも、分からへんねん」
内海「何がわからへんのこれで」
駒場「おかんが言うには、ビジネスモデルは利用しないらしいねん」
内海「あー、ほなDXとは違うかぁ。企業がどのように顧客価値を創出し、供給、実現するかを説明するビジネスモデルは明確にしないと『変革目標』やカスタマーバリューは定められないからなぁ。」

対応戦略

内海「もうちょっとなんか言うてなかった?」
駒場「『対応戦略』も考えるって言うねんな」
内海「DXやないかい。競争優位性を確立するための戦略として対応戦略を検討するならDXやがな。対応戦略としては、新しい価値を追求し自らがディスラプター、つまり創造的破壊の担い手となる『攻撃型戦略』と、事業の寿命を最大化させる『防衛的戦略』があるんやからDXに決まりやん」
駒場「でも、分からへんねん」
内海「何がわからへんのこれで」
駒場「おかんが言うには、大企業では攻撃型戦略に絞って採用するらしいねん」
内海「あー、ほなDXとは違うかぁ。対応戦略では、防衛的戦略と攻撃的戦略をバランスよく混ぜた『ポートフォリオ型アプローチ』が主流だし、既存事業を守らなくてはいけない大企業では防衛的戦略、特に既存事業からの収益を最大化させるような収穫戦略が採用されることが多いからなぁ」

締め

内海「ホンマに分からへんがなこれ どうなってんねんもう」
駒場「んでおとんが言うにはな」
内海「おとん?」
駒場「IT革命ちゃうか?って言うねん」
内海「いや絶対ちゃうやろ、もうええわ」

参考文献


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