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是枝裕和監督【アジア映画学生交流プログラム】レポート

皆さんこんにちは!学生応援団13期のりんです。
今回は第36回東京国際映画祭で行われたアジア映画学生交流プログラムに、学生応援団が参加させていただいたので、その様子をお届けしたいと思います!この「アジア学生交流プログラム」はアジアの映画の未来を担う人材の育成を目的として行われ、会場には北京電影映画学院、香港の映画学校、タイの映画学校、ASEANの映画学校、そして日本の映画学校の学生が招待されました。


是枝裕和監督マスタークラス

第一部では是枝裕和監督をお迎えし、マスタークラスが行われました。モデレーターは山形国際ドキュメンタリー映画祭プログラムコーディネーターで早稲田大学講師の土田環さんが務められました。

マスタークラスの冒頭では是枝監督がテレビディレクター時代に制作されたドキュメンタリー番組「映画が時代を写す時 侯孝賢(ホウ・シャオシェン)とエドワード・ヤン」が上映されました。この番組は是枝監督がテレビか映画かで迷われていた時に制作されたドキュメンタリーだそうです。是枝監督は映画制作を目指して制作会社に就職されましたが、20代後半までテレビ番組の制作を務め、「テレビも面白い」と思い始めていたそうです。そんな時にこのホウ・シャオシェンとエドワード・ヤンのドキュメンタリーを制作することになり、ホウ監督と出会い、映画をもう一度志すようになった、つまり、「ホウ・シャオシェンが映画に引き戻してくれた」と語っていました。

是枝監督の長編デビュー作『幻の光』はホウ監督の作品を意識して作られたそう。助監督の経験がほとんどなかった是枝監督は師匠と言える人がおらず、「ホウ・シャオシェンを勝手に精神的な先生と思い込んで、1本目の映画の準備を始めました」と打ち明けました。

また、ホウ監督は以前「アジアの若手の監督たちを束ねて映画を作る」と話していたとのこと。ホウ監督はこのイベントの前日に引退を発表したばかりですが、この交流ラウンジでアジアの映画学生が是枝監督やホウ監督の精神を受け継ぎ、交流することが、まさにその一歩となったのではないでしょうか。

Q&Aでは学生からたくさんの質問が集まり、是枝監督が1つ1つ丁寧に回答してくださりました。特に多かったのはやはり役者に関する質問。「役者に大切なのは何か」という質問に対しては「五感を使って周りにどれだけ反応できるか」と回答。また、子役の演出について聞かれると、「その子どものボキャブラリーにないセリフは言わせない」ことや「子どものやり方に合わせる」という独自の演出法を明かしました。

アジア映画学生交流会

第二部の交流会は立食パーティーのような形で行われました。「サインはしますが、サインに並ぶより交流することのほうが価値があるのでたくさん交流してください」という是枝監督の言葉に背中を押され、交流会が開始しました。

学生応援団からは12期ますみ、13期わくと、りお、りんが参加しました!

学生応援団からは4人のメンバーが参加し、それぞれアジアの様々な国から集まった学生と交流することができました。海外の映画学生はもちろん、日本の他の大学の映画を学んだり、制作している学生と交流する機会もなかなかないので、とても貴重な体験となりました。いつかここで出会った学生たちが共に映画制作をする日が来るかもしれません!

13期わくととりんが出会ったこの2人はフィリピンの映画学校の学生さん。演出や脚本の勉強をしているそうです。
12期ますみと13期莉麻が交流したこのお2人は京都の芸術大学の学生さん。将来映画のどのようなお仕事に関わりたいかやお気に入りの作品などをお話しました。
13期りんが交流したこの2人は北京電影映画学院の学生さん。それぞれの国の学生が映画制作の資金をどのように調達しているのかや、1日の撮影にどれほど時間をかけるのかなどを話しました!

是枝監督から学生へメッセージ

最後に是枝監督から映画業界を目指す学生に向けてメッセージをいただきました!

「映画を撮り始めてもうすぐ30年になりますけれども…楽しいよ。(笑)とても大変なこともたくさんありますし、少しずつ改善していこうとは思ってますけれども、そういう役割も担っていこうと思ってますから、寝られないとか、帰れないとか、風呂に入らないとか、生活ができないとか、そんなことが少しでも減るように先輩として頑張っていこうと思っていますし、仕事としては、僕はもう毎日楽しくて楽しくて。同い年の友人たちがみんなもうそろそろ退職をしてリタイアしていく、それもそれで人生の選択だと思いますけれども、こんな風に定年がなくて、やろうと思えば、健康でさえあれば死ぬまで続けられる仕事というのに出会えたことを感謝したいと思っているくらいなので、これから目指す方と僕はもう40歳近く年齢差があると思いますけれども、そういう年齢差を超えてでも同じ現場に立てるというのが多分映画作りの面白さだと思いますから、いつか一緒に映画を作りましょう!

こちらのインタビュー動画は後日、学生応援団の公式インスタグラム(@tiffgakusei)で公開いたしますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!

最後に

今回のアジア学生交流プログラムは参加したすべての学生にとって、忘れられない貴重な経験になったのではないでしょうか。私自身も映画制作を志す学生の1人なので、映画学生の皆さんや是枝監督とお会いできたことでこれからも頑張ろうと背中を押された1日となりました。今回のような映画人を志す学生たちが交流できる機会が、今後も続いていってほしいと思います。

第36回東京国際映画祭は11月1日まで開催中です。残るところあと3日ですが、まだまだ上映作品は沢山ありますので是非お越しください!

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