専門学校での最初の仕事は授業をするのではなく授業を受けることだった話
専門学校の話が書きやすいのでしばらく続けます。
入ってすぐ授業なんてできない
私はもともと医療分野で心理職に就いていたので、それまで学生に授業を行うということはありませんでした。
つまり、入職した当初は単なる素人教員。
授業がどんなものがあるか分からないし、授業の進め方も分からない。
とりあえず心理学の授業を行うことだけは決まっていたので、前任者の授業を見学し、あとはひたすら授業資料を作成したり、指定の教科書を読んで勉強したりしていました。
まあそれでもかなり時間が余るので、この余った時間で何かしたいな、と思うようになりました。
まず私がやったこと
私が最初にやったこと、それはその学校にいる先生方に「授業を見学させてほしい」と頼み込むことでした。
自分の所属学科・コースの授業はもちろん、それ以外の授業に関しても片っ端からお願いしました。
先生方って大体授業の見学はOKしてくれることが多い(少なくとも私のいた学校では優しい先生が多かったです)ので、割とほとんどのコースの授業を見学させてもらうことができました。
もちろん、心理学なんて全く関係ない授業がほとんどです。
その中で私が授業見学をお願いした理由…本音をいうと、見たかったのは正確には授業ではなく、「学生」でした。
話を聞く仕事をしてきて感じた疑問
私は心理職、すなわち相手の話を聞く仕事をしてきたわけですが、話を聞くというのはかなりエネルギーを使います。
話半分に聞いたり聞き流したりすれば違いますが、集中して相手の話を聞くと聞き終えた後にはかなり疲れます。
こういったことを毎日仕事として行なっていたので、話を聞き続けることがそんなに簡単なことではないと実感していました。
そして専門学校に話を戻しますが。
専門学校の授業は90分です(大学もそうですよね)。
90分というのは大体カウンセリング1回分よりも長い時間(だと思う)になるわけですが、果たして学生はその間ずっと集中して聞くことができるんだろうか?
もちろん学生はカウンセリングをするわけではありませんが、「(教員の)話を集中して聞く」という部分では共通しているかと思いました。
その辺を実際に見てみたい、学生の様子を肌で感じてみたい、できれば自分が授業を作る前に。
そういった理由(+他の先生の進め方も参考にさせてほしい)から、授業見学をお願いしました。
(超局地的)リサーチの結果
そして色々と学生の様子を観察させてもらった結果。
少なくとも私のいた学校の学生は、大体「30分」くらいで集中力が切れるようでした。そのあたりから別なことをしたり、寝てしまったりする学生が増えてくる(ちなみに調べたのは座学の授業のみです)。
授業の内容や進め方、先生の話し方によって違いはありますが、大体その時間帯になると一定数集中力の切れる学生が増えてくる。
もちろんこれは学生が悪いわけではなく、90分ずっと集中できることなんてまずないだろうし、学校やバイトなどの疲れの影響もあると思います。
なので、私は「多くの学生に集中してもらえるのは30〜40分くらい」と結論づけることにしました。
そしてこの結果から、「私が授業で(一度に)話す時間は40分くらいで収めるのが学生にとってベストではないか」という仮説を作りました。
それ以上集中して聞いてもらえるような魅力的な話し方をするなんて少なくとも私には無理です。無理。
その辺の時間配分のイメージができると、授業資料の分量や扱う範囲もなんとなくですが定まってくる。
あとは残りの時間をどういった形で使うか。
こんな感じで授業を作ってました。
その後授業をやってみて、結果的には時間配分としては学生にとっても私にとっても良かった気がします。
以上、頑張って授業を作っていたというお話でした。
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