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君が恋をしたなら vol.27「水族館」

正月も過ぎ、一月半ば、私たちは初の遠出デートをした。

場所は福岡のマリンワールド。

道を一生懸命二人で調べて、二人でデートプランをたてた。

初めての遠出とあり、運転はどっちがするだの、お昼ごはんはどこで食べるだの、決めることはたくさんあった。

デート当日、私はミニスカートにレギンスをはき、ローヒールの靴を合わせて出発した。

ユウタの家にまず行き、そこからユウタの運転で高速に乗った。

ユウタはいつものニット帽。それしか持ってないの?と聞くと、他にもあるけど、超これがお気に入りなんだと力説された。

高速に乗るときに、スピードが乗らなくて、

『お前、もっと痩せろ』

なんて悪態をつきながら楽しい出発だった。

途中、ソフトクリームが有名なサービスエリアに停まって二人で寒空の下、ソフトクリームを食べた。

『まじで寒い、やばい』

と二人で笑いあった。

道中はずっとしゃべりっぱなしで、あごの骨がおかしくなりそうなほど笑った。

高速を降りてから、私の頼りないナビを元に走り出した。

ぐぐって、それをプリントアウトして持ってきたのだが、どうやら道を間違えたらしく、都会のほうへ向かっていた。

途中で気づいて、携帯のGPSに変えたところ、だいぶ道を外れていた。

後々、私のナビはあてにならないという伝説になった。

GPSで道を調べ始めると、あとは早かった。

今までの苦労はなんだったの?というほどあっという間に景色は海沿いの景色になり、標識に案内が出始めた。

あとはゆっくり走らせて、無事ゴールイン。

『やったー!』

『ついたー!』

二人ほぼ同時に声をあげる。冬だからか、若干人が少なめでよかった。

階段を登るとそこはマリンワールド!

入り口にいたメガトットちゃんというマスコットと写真を撮る。

幸い、親切な人が通りかかって、ツーショットの写真も撮れた。

中は、冬にも関わらず、結構人がいた。

まず、いるかショーの時間を確認し、それから見て歩いた。

薄暗い館内はライトアップされ、かわいい魚や、くらげたちでいっぱいだった。

私たちはいろんなところで写真を撮った。

実はこのデジカメ、この小旅行のために買っちゃったんです。

普段からざる勘定の二人。欲しいんだったら買っとけ買っとけ、で購入してしまったのだ。

おかげで早速使う機会に巡り会いました。

中でもすごかったのは、大水槽。

ジンベイザメがゆったり泳いでいる。

他にもたくさんの魚たちがいて、さながら海の中を散歩しているような感じだった。

大水槽のアクリルは分厚く、何センチあるんだろうね、と二人で不思議がった。

スナメリの水槽を前に、ユウタの知ったかぶりが始まった。

『スナメリは、そのおひれを見て人魚を思い付いた人がいる動物なんだよ。』

『えー、ほんとかなあ』

『た、多分…。』

正解だと言い切れないのがユウタの弱いところ。

それでも私の胸はきゅん…。と鳴った。

実験コーナーで遊びつつ進むとラッコの水槽があり、その横がいるかショーの会場だ。

しばしラッコに見とれる。

『こんなに可愛いのに、食べる量は半端ないんだぜ?』

『へえ、どのくらい?』

『ええと…。忘れた(笑) 』

そんなもんだと思いましたよ(笑)

そうこうしているうちにいるかショーの時間が迫ってきた。

私たちはいい席を取るべく早めに席を押さえた。

ジュースを買ってくると言って席を離れたユウタ。

もう始まるのに戻ってこない。

ショーが始まった。

あしかの可愛い芸を見る。

そこにようやくユウタが戻ってきた。

どこに座ったかど忘れしたらしい。

まあ、でもいるかショーの目玉はこれからだ。

いるかたちのジャンプ、輪くぐり。

途中勢い余って、前の席のほうの人にみずがかかったり。

ともかく素敵な時間をすごした。

帰り道は私が運転する予定だったが、あまりのナビ下手ぶりが不安だと、ユウタが運転した。

ユウタの運転は気持ちよく、気がついたら寝てしまっていた。

膝にはコンビニの袋が置いてある。

『寝てたからおにぎりにしといた』

ほんとは地元に帰ったら前から行きたかったカフェに寄る予定だったので、私が残念そうにしていると、

『お前が食べてるの横からちょいもらうよ。カフェの醍醐味はコーヒーだからな!』

と言ってくれた。

カフェに寄ると、おいしいコーヒーで話に花を咲かせた。

幸せな一日だった。

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