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君が恋をしたなら vol.8「ブラ」

いつもいるのに、なんでこんなに盛り上がるのかなと思うくらい盛り上がるカラオケ。


最近好きなのは、ユウタが歌うL'Arc〜en〜Ciel。

高音ののびがよく、気持ちいい。

ユウタがL'Arc〜en〜Cielを好きだと知ってから、アルバムを全部買い揃えた。

ユウタがいなかったら私も歌いたいけど、最近は専らユウタと一緒にいるのでお披露目の場所がない。


元々はこんな風に彼氏の趣味とかに染まるタイプじゃないから、ユウタはやっぱりすごいのかもしれない。


マルオも最近心なしか歌が上手くなっている気がする。



私『ねぇねぇ、前からこんなにしょっちゅうカラオケ行ってたの?』

ユ『なんで?』

私『いや、毎週だなと思って』

これを言ってからしまった!と思った。

ユウタの態度があからさまに悪くなる。

私『いやだって意味じゃなくてさ』

まだ機嫌が悪い。

こうなるとユウタはいつも一時とりつくしまがなくなるので、私は謝り続けるしかなかった。


ユ『そんなにいやなら、なんで来るわけ?』

私『だから、いやって意味じゃなくて』

ユ『つまんねー、お前のせいだからな』

私は半泣きで謝る。

私『私、ユウタのL'Arc〜en〜Ciel聞きたいな』

懸命に盛り上げる。

ユ『しかたねぇなぁ…。』

やっと機嫌が戻る。


最近はいつもこの調子だ。


カラオケが終わると駅前に車をとめて、だべり開始。

いつも同じコーヒーを買ってこいという。


さすがの私もこのままじゃヤバいかなと思っていた。

なにも進展しない。

私はユウタの彼女になりたいのだ。

こうしてグダグダしてるのも楽しいけど、彼女になったら最高に楽しいはず!



駅前で一通り話が終わると、何もすることがなくなり、二人二人に別れてドライブへ行こうという話になった。


いつもの山道を登っていく。


すると、今日は珍しくユウタが手を握ってきた。

嬉しいのだが、山道を登っているときに握られると非常に運転しづらいのだ。


私『ごめん、運転中。』

そう言って手をどけると、あからさまに不満顔になるユウタ。



そんなにあからさまにしなくても…。

いや、悪いのは私でございますね、ははーっ!とか脳内で言ってみる。


広場に着くと、やはり今日は態度が違う。


無理やりキスしようとしてくるユウタをしっかと手で受け止める私。


ユ『なんで、しないの?』

すねた顔で聞いてくる。

きゅん…。

思わずきゅんとしてしまった。


ユ『まゆはさぁ』

私『?』

ユ『まゆは俺のこと、好きなんじゃないの?』

私『ななな、なんで急にそんなこと??』

ユ『だってさぁ、まゆ、ヤらせてくれないじゃん?』

それは、今までそんなムードのあることがなかったからでしょ!?

ユ『こうしてキスしようとしても避けるし』

そ…。それは…。

私『彼女じゃないのに、したくない』

ユ『彼女…?』

私『彼女にならないと、できないっっ…。』


ユウタは座席をちょっとさげて座り直した。


ユ『彼女じゃないとできないなら、一生できないかもね』


私『!?!?』


ユ『なーんちゃって。ブラのサイズが1あがったら、彼女にしてやってもいいかな』



この日から私は、自分の体型と闘うことになった。

ブラのサイズが1あがったら、なんて簡単に言うけど、そんなことあったら奇跡だ。

だがしかーし!やってやろうじゃないの!

私は毎日エクササイズとサプリを飲み、痩せて胸だけ残ればサイズアップ!と、毎日ウォーキングを自らに課した。

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