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君が恋をしたなら vol.19「サイズアップ」

長らく書いていませんでしたが、きちんとエクササイズとウォーキングとサプリメントは続けていた私。

なんと十キロ痩せることに成功!

アンダーがあわなくなったので、ブラを新調しに行く。

店員『お客様、Dの70でございますね』

言われた瞬間脳内花畑。

ワンサイズアップに成功!

これでやっとめくるめく、ユウタと官能の日々へ…!

とりあえず一番可愛いブラセットを購入した。

今週末に想いを馳せる。

スキップでもしたくなる気分。

いや、スキップしていた。

これでやっとユウタの彼女になれる!ユウタと電話もできる!ユウタと…。

今まで何百回と思ってきたことがいよいよ叶う。

私は徐々にプレッシャーを感じていた。

彼女になったら、みんなに自慢できるような素敵な女性にならなくちゃ…。

ユウタから嫌われないように努力せねば…。

今週末はあっという間もなくやって来た。

新しいブラとパンティに身を包む。

別に今日全部見せるわけじゃないが、シャワーさえ気合いが入った。

先週かりた服は洗濯してきちんとたたんである。

よし、大丈夫だ…。

♪明日今日より素直にな〜れる〜♪

『何時ごろ来る?』

『今から行くけど、今日は一人なんだ。だめかな』

『友達連れてこれねーの?』

『今日はふみはマルオとドライブだから…。』

『あ、そう。じゃあ10分できてね』

もしかして、今日は一対一?

ほのかな期待をして車を出した。

いつもより爽快に道を飛ばしていく。

すると、いきなりサイレンがなった。

『前の車、とまりなさい』

私のことだ。

道の端に避けて止まる。20キロの速度違反。青切符をもらう。

思ったより時間がかかる。

意味もなく焦り始める。

『それじゃあ、これ以降はちゃんと速度をまもって走ってね』

やっと解放。思ったより時間がかかった。

でも、今日の私はそのくらいへっちゃらだった。

そしてまた、飛ばし始めた。

一時間半を大きく上回って到着した。

当然ユウタは不機嫌。

ケンジは何事もなかったかのようにスロットを回していた。

『ごめん、途中で警察につかまっちゃって』

その話をすると、ユウタの機嫌がなんとか戻った。

受付をすませ、部屋へ入る。

いつものようにカラオケをセッティングすると、私は二人から等間隔の真ん中へ座った。

ユウタがこっちにこいと合図する。

ケンジの手前遠慮していたが、ユウタの機嫌を損ねたくないので素直に移動した。

あとは三人で五時間、喉が枯れるまで歌った。

ご飯を食べにいこうといったら、ケンジはなにやら用事があるらしく、家まで送っていった。

久しぶりの二人きり…。

とりあえずご飯を食べに近くのファミレスへ行った。

話の間がもたない…。とりあえず今日捕まった時の話をする。

ふーん、と相づちをうつユウタ。

ユ『俺も前に捕まったよ。』

私『へぇ、そうなんだ』

ユ『一発免停だった。』

私『ええっ、飛ばしすぎじゃない?』

ユ『それから車売ったから、今車持ってない』

それで地元から出たがらないのか…と合点がいく。

私『車買う予定とか、ないの?』

ユ『彼女ができたら買う。』

その言葉にドキッとする私。

私『そういえば、サイズあがったよ』

さらりと言ってみる。

ユ『なにが?』

私『なにが?って、その…。』

ユ『なんのサイズがあがったの?』

私『…ブラ。』

ああ、とユウタが言う。

私『約束…覚えてるよね?』

ユ『なんだっけ?』

私『サイズアップしたら付き合ってくれるって』

ああ、とまたユウタが言う。

私『付き合って…くれるんだよね?』

うん、とユウタが頷く。

『じゃあ携帯番号も教えなきゃな』

と、携帯を取り出すユウタ。

ゆっくりと番号検索をすると、私の電話を鳴らした。

『ありがとう!超嬉しい!大事にするね!!』

『大事にって、携帯番号を…?』

ユウタがニヤニヤ笑う。

『言っておくけど、しょっちゅう電話してくるなよ。仕事中のことも多いし、家にいても弟がいるんだからな』

最高に嬉しかった!

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