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君が恋をしたなら vol.10「脱ユウタ」

次の日1日ボーッと過ごした私は、翌日からは仕事の鬼に…なりたかったけど、この時期はどこの部署も暇。

いやでもユウタのことを考えてしまう。

ユウタの歌う姿、優しく笑うところ、そして一度きりのキス…。

可哀想な私。

ずっと騙されてたんだ、名前のときみたく…。

一週間、悔しいのでエクササイズとウォーキング、サプリだけは続けたけど、なんだかもう、どうにでもなれって感じ。

土曜日になる。

そろそろかな、というタイミングで着メロが鳴る。

♪明日今日より素直にな〜れる〜♪

メールを見る気力も湧かない。

それでも一応メールをみる。

『今日は何時ごろこれる?』

シカトした。

一時間あとくらいにまたメール。

『遅くなるかな?』

これもシカトした。

結局、今日1日シカトし続けて、最後のメールは

『シカトすんなよ。もう二度とメールしねえ』

だった。

ふみに話すと、弥生にもふみづたいで連絡がいっているらしく、合コンでもして、パーッと忘れようとのことだった。

次の週、あまり行く気にはならなかったけど、二人の配慮は嬉しくて、行くことにした。

久しぶりのシャバ!

今までユウタと会ってから、外の世界がなくなっている私には新鮮なものだった。

今日は服もメイクもバッチリ!三人とも気合いが入っていた。

男1『今日は楽しんじゃおうね!』

男2『よろしくお願いします』

や『こちらこそ、よろしく』

今回も弥生の会社関係者だった。

男3『まゆりさん、今日はおごりだから、どんどん飲んで食べてね!』

はい…。と答えたものの、ノリに出遅れる私。

そんな私を男3がフォローしてくれる。

男3の名前は大輔といった。

大輔は細やかな気配りで周りをフォローしつつ、楽しんでいる様子。

♪明日今日より素直にな〜れる〜♪

こんなときになんなの?

もうメールしないっていったのに…。

『今なにしてるの?』

このメールにカチンときた私は思わず返事をしてしまう。『今合コン中だから、黙ってて』

そうなると、メールラッシュになることはわかっていたのに…。

『どこにいるの』

『誰といるの』

『浮気するなよ』

あんたに言われたくないんじゃい!とメール拒否にした。

すると今度は電話。

こんなときでも非通知…。

無視無視!

二次会はカラオケだった。いつもよりぶりっ子して可愛い系の曲をチョイス。

三人ともやたらぶりっ子して、普段の私らがみたら、キモッくらいは言うかもしれない。

大輔はここでもドリンクオーダーとったり、お菓子をこちらにまわしてくれたりと細やかな気配りをみせてくれた。

付き合うならこんな人、の代名詞のような人だった。

その日は三次会でバーに行き、大輔とメール交換して1日を終えた。

帰り道、コンビニで何か買って帰ろうかと思ったとき、異変に気づいた。

コンビニの中に見たことがある姿が…。

『!!ユウタ!』

見なかったことにして通りすぎようとしたとき、みたことのある車から降りてきた人物とぶつかった。

マルオだ。

マルオは

『まゆりちゃん!会えてよかったよ!三時間待ってたんだよ!』

結局ユウタと会うはめに。

車で移動中、ユウタは一言もしゃべらなかった。

マルオは、

『急にまゆりちゃんちに行くって聞かなかったんだよ』

と言って笑った。

どうやらマルオには話が伝わってなかったらしい。

とうとうユウタが話はじめた。

ユ『まゆ、どうして連絡にでない?』

私『私にだって都合ってもんがあります。』

ユ『男と会うのが都合か?』

私『ユウタに責める権利はないと思いますが。』

ユ『俺がどんな気持ちでいたか、わかるか?』

私『わっかりませーん』

ぐるっと一回りして元のコンビニへ戻ってきた車。

私は颯爽と降りると

『同棲相手とでも仲良くやれば?』

と捨て台詞を投げつけて帰った。

帰ったら一通のメールが入っていた。

大輔からだった。

『今日はありがとう。また近々会えたら嬉しいな』

という内容だった。

私も

『私も楽しかったです。また誘ってください。』

とメールした。

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