おばさん一人旅 #00 中国人だけの九塞溝ツアーに1人で参加した話 - その2
こんにちは。ユウコです。
かれこれ20年以上前、北京旅行で知り合ったガイドさんに聞きました。
ガイドさんの答えは、九塞溝。
九寨溝(きゅうさいこう)は、中国四川省にあり、青く澄んだ湖、滝、山々が広がる美しい景勝地です。ユネスコ世界遺産にも登録されています。
20代のアホな世間知らずな若者だった私は、なんとかしてそこへ行ってみたくて四川省成都行きの飛行機を個人手配したのでした。
成都から参加した2泊3日のツアーは初日が九塞溝、2日目が黄龍というスケジュール。
本作はその二日目の様子です。
前回のおはなしはこちら。
人生観を変える黄龍へのバス旅のはじまり~不安だった高山病
朝、バスに乗って黄龍へ出発します。
さて、本日の目的地、黄龍とは。
標高3,500メートルって、ほぼ富士山の高さですよ。
そりゃぁ頭が痛いわけです。
高地順応もろくにしないで、飛行機でショートカットしてきたわけですから。
3,000メートルを超えると山には植物が生えないんですかね?
一面、灰色の岩がゴロゴロした山肌の間の道を進みます。
中国人のツアー客のみなさんは朝から元気でバスの中は非常ににぎやか。
頭は痛いし、一人なので静かに聞き耳を立てます。
何を話しているのか、さっぱりわからないけど。
いや、ムリだろ…~ニイハオトイレとのご対面
しばらく進むと、トイレ休憩になりました。
休憩と言っても、日本の高速道路のサービスエリアのような楽しい場所なんかではありません。
道端にひっそりとたたずむ掘っ立て小屋公衆トイレ。
ここで人生で初めての出会いがありました。
うわさに聞いていた「ニイハオトイレ」です。
衝撃でした。本当にあったんだ・・・
胸の高さほどの柵(それもちょっと開いている)と中に流れる小川。
一応水洗トイレって言うんでしょうか?
当然トイレットペーパーなんてものはありません。
それは、まあ、よくあることなのでよしとしよう。
で・・・?
扉がないんですけど。
画像はネットから拾ってきたフリー画像なんですが、まさにこんな感じ。
男女兼用じゃないんですよ、女性用トイレなんです。
女性用トイレなのに、個室じゃない。
し ん じ ら れ な い ・ ・ ・
無理です。
ちょっとここで用は足せない💦
次はちゃんとしたトイレに連れて行ってくれるだろう。
そう願って、スルーです。
しかし!
ここは4,000年の歴史がある中国、そんなに甘くはありませんでした。
やっぱり、ムリだろ…~ニイハオトイレとの戦い
そこからまた、しばらくして2度目のトイレ休憩。
女性用トイレに行ったらまた、ニイハオトイレがお出迎え。
他のツアーメンバーは1ミリも疑問に思っていないようで、次々と用を済ませていきます。
ツアー中、なにかと私を気づかってくれるヤンさん母娘も不思議そうに言いました。(ヤンさんファミリーについて)
「あなたはトイレに入らなくていいの?」
「はい。無理大丈夫です。」
3回目もまたニイハオトイレがこんにちは。
またか。
いやー、やっぱり無理。(でも、そうそろヤバいかも・・・)
ツアールートなんだから、何とかできないわけ?
当時は外国人がほぼツアーでは行かない場所でしたし、中国の田舎ではきっと(ニイハオトイレが)普通なのでしょうから、変わるはずもなかったのだろう、なんて今は思います。
3回もトイレを我慢しているのでそろそろ限界が来そうです。
このあたりまで来ると、外の景色もなにも全然目に入って来ない。
頭痛もあるし、体調がどんどん悪くなる。
黄龍にはまだ着かないの?あとどれくらいなのよー。頼むよー。
必死です。
ええい!なるようになれ!~ニイハオトイレに敗北
4回目。残念ながら、ここでもまたニイハオトイレ。
でも、もう諦めました。
扉のない、丸見えの半個室にしゃがんで用を足すなんて、人生初体験。
誰かに見られないか心配だし、見られたらどうしよう・・・
結果
どうにもなりませんでした。
みんな同じだから、そもそも誰もそんなふうにまわりを見ていない。
「紙、あるかい?ホレ」
みたいなやり取りを仕切り越しにやっちゃうようなおおらかな人たちです。
今まで私は何におびえていたのだろう?
さっさと順応していれば、トイレを我慢することだけに何十分も費やすことなんてなかったのに。全然大丈夫じゃん。
20年以上前の話なので何時間ぐらいの行程だったか記憶が定かではないのですが、トイレ休憩はこの後も数回あったと思ます。
結局、私がイメージしていたトイレは黄龍に到着するまで一つもありませんでした。
その先に見えたもの~郷に入れば郷に従え、それだけ。
初日の九塞溝もよかったけど、黄龍も本当に風光明媚な場所でした。
酸素が非常に薄いなか、斜面に作られた階段を上り下りして回ります。息切れがするので、要所、要所に酸素スポットがあり、無料で酸素補給ができて助けられたのも覚えています。
ヤンさん一家の「照不照?」*も相変わらずでしたけども、本当に良くしてくれました。
*詳しくは:おばさん一人旅 #00 中国人だけの九塞溝ツアーに1人で参加した話 - その1|ユウコ (note.com)をお読みいただくとわかります。
黄龍の観光よりもトイレのインパクトが強すぎて、旅行から戻って職場の同僚や友人に聞かせるお土産話はニイハオトイレの話ばがり。
悲しいのか、面白いのか、黄龍での記憶はほぼニイハオトイレになってしまいました。
話を戻しまして、何が言いたかったかと言いますと。
郷に入れば郷に従え、です。
20代の私、この一人旅で学びました。
旅先では自分の価値観に変に固執してもいいことなんて何もない。
旅行そのものが苦しくなるだけ。
行く先々のその土地の「当たり前」に飛び込んで行く方が、旅はずっと楽しい。
一人旅、家族旅に限らず、このマインドは私の旅行の原点になっています。
で、結局何の話ですか?
おわり
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