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おばさん一人旅 #00 中国人だけの九塞溝ツアーに1人で参加した話 - その1

こんにちは。ユウコです。

かれこれ20年以上前、北京を案内してくれたガイドさんに聞きました。

「ガイドさんが中国国内で旅行するならどこに行く?

ガイドさんの答えは、九塞溝。

九寨溝(きゅうさいこう)は、中国四川省にあり、青く澄んだ湖、滝、山々が広がる美しい景勝地です。ユネスコ世界遺産にも登録されています。

今では日本でも多くの旅行会社がツアーを催行しており、中国に興味がある日本人であれば知っているであろう観光地でしょう。しかし、当時は日本からの旅行者はほぼ個人手配で行くしかなかったマニアックな場所。

沢木幸太郎さんの深夜特急に憧れた、20代のむこうみずな若者だった私。
なんとかしてそこへ行ってみたくて四川省成都行きの飛行機を個人手配したのでした。


そうだ、九塞溝へ行こう。ゲストハウスで九塞溝行きのツアーを予約した

シンガポール人のシムさんと日本人のマキさんご夫婦が経営していた成都老沈青年旅舎。
ここで事前にメールでやり取りしてツアーを手配して。

『成都老沈青年旅舎 Sim's Cozy Garden Hostel はゆっくりできる』by アリヤンさん|ハロー チェンドゥ インーターナショナル ユース ホステルのクチコミ【フォートラベル】|Hello Chengdu International Youth Hostel|成都 (4travel.jp)

ネットで検索しても過去の口コミしか出てきませんでした・・・
残念ながら、今はもう閉業してしまっています。

*ちなみにシムさん・マキさんご夫婦、現在は京都でゲストハウスをされています

九塞溝空港でツアー参加者集合。あれ?

大きな荷物はシムさんのドミトリーで預かってもらい、飛行機で九塞溝へ移動します。
ここから2泊3日のツアーの始まりです。アテンドをするガイドさんと九塞溝空港で合流。

そこで初めて、このツアーが中国人向けのツアーだったことを知る。
当然ですがガイドも中国語。

聞いてないよー。

いや、聞かなかった私が悪いのです。
上海で中国語習ってて良かった。かろうじてガイドの言っていることは、わかる(重要なところだけ)。

まあ、いいや。
ここまで来て帰るわけにもいかない。

九塞溝観光は中国人ファミリーとともに

初日は九塞溝を観光します。
チケットを買って、入口まで行ったら自由行動。
観光の後の集合時間と集合場所がガイドさんから伝えられて解散。

私は居残るようにガイドさんに言われて、後から何時にどこにいればよいか何度も念を押された。紙に時間を書いて渡されもした(しつこい)。

いざ、九塞溝内に入り、まずはバスでめぼしい景勝地まで移動します。
バスに乗るのに並ぶという文化などまったく無かった当時の中国。バスに乗りこむのもひと苦労です。
気の弱い人は一生乗れないんじゃなかろうか?

バスを降りたところで、私と同じ年恰好の娘さんとそのご両親のヤンさんファミリー(仮名)に一緒に回ろう、と声をかけられました。

一人だし、ちゃんと集合できるか内心不安だったし、断る理由なんてないので、快諾。

「照不照」の嵐

九塞溝はそれはそれは美しい場所でした。
あえて例えるなら、何百倍もスケールを大きくした五色沼のような。

最低でも1400メートルを超える標高だというのに豊富な酸素のおかげで九塞溝の中は高山病になる心配もなし(ガイド談)。
写真に納めたくなる景色ばかり。

ヤンさんファミリーも、さっそく撮影会を始めました。
しばらく家族で順番にカメラを構えて写真を取り合う。

すると、

ヤ:「照不照?」(多分、写真撮るか?と聞いている)
ユ:「对」(うん、撮る)

せっかくなのでありがたく写真を撮ってもらいます。

と、今度は「私たちの写真、撮ってくれる?」と。もちろんですとも。

しかし、行くとこ行くとこでこの会話が繰り返されます。
さりげなーく”写真撮る?”と私に聞きつつ、自分たちの集合写真を取らせているんじゃないでしょうか?この人たち。

だってアングルやポージング決めるの、時間かかりすぎ!
自分の写真はそれほどいらないので後半は私の写真を撮ってもらうのは遠慮したのですが、彼ら、どんだけ撮るのよ?ってくらい撮りまくり。
ヤンさんファミリーにはまったく悪意はなかったのだと思いますが、最後の方はほぼ私が専属カメラマン化していたような・・・

おかげさまで、今でも「照不照?」のフレーズだけは忘れません。

外国人は私だけ。ドキドキの夕食は質問大会!

観光が終わり、ホテルに戻って夕食の時間になりました。
ツアーメンバーが各自の部屋から出てきてレストランで円卓を囲みます。

私が日本人だとわかると、露骨に背を向けて食事をとる人もいたけど、直接私に向かって反日感情をぶつけてくる人はいませんでした。

日中一緒に観光して回ったヤンさんファミリーが隣に座りな、と呼んでくれたのでここでもお世話になることに。

ガイドさんが順番に食事の希望を聞いて回ります。

たどたどしい中国語のやり取りに必死ですぎて、四川省なのに料理が全然辛くなかったこと以外、何を頼んだか、何を食べたのか全く記憶にございません。

食事中、仕事は何してるのか?とか中国は他にどんなところに旅行した?とか、唯一の日本人である私に質問攻め。

なんだかんだ言って世話を焼いてくれるヤンさんファミリーに感謝です。
良い経験になりましたw

ピンチ!自分の部屋なのに締め出しをくらう!

夕飯が終わったら自由時間。
騒々しい中国の喧騒から逃れてやっと一人になれるー💕と思ったら。
今度はカードキーが反応せず、部屋に入れない。

食事に出ただけだからパスポートもお金も部屋の中。どうしよ。
助けを求めてガイドさんの部屋へ行くも、テンパっていたのと、共通言語が中国語しかなかったので、しどろもどろでなかなか要領を得ないのです。

片言の中国とと身振り手振りで部屋に入れないことをやっとの思いで伝えたのに、「よくあることさ」というような鷹揚とした態度ではあったのですがフロントに一緒に来てくれました。

ガイドさんがフロントで事情を説明すると、こちらもまた、「よくあることさ」という態度でカードキーを新しいものに変える。

え、変な汗かいてパニックになっているの、私だけ?

今となっては笑える旅ネタのひとつですが、一人旅も海外旅行もビギナーだった当時の私。たった1日でさまざまなことを振り回され 経験して、へとへとになりました。

標高2000メートル級のこのエリア、九塞溝の景勝地を離れるととたんに体も反応します。なんだかずっと頭痛い・・・

明日はバスで黄龍へ行きます。

つづく






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