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中盤戦は感傷

シモキタ名人戦を観に下北沢へ行こう。

昨晩の雨の具合をみてると。また土砂ぶるんじゃないかと心配になる。
出かける前は曇。
ほぼ思いつき。
バタバタ準備して出かけた。
昨晩のアベトナ、木村先生の百折不撓将棋みて熱くなっちゃったか。
将棋見たいが勝ってしまった。

湘南台までブルーラインででて、
箱根そばで冷やしきつねをすすって、
小田急線新宿方面に乗ろうエレベーターであがっているだけで、なんやかや思い返すあれこれ。
バスに乗り遅れてのルート変更。
車窓から見えた大和駅プラットホールのたたずまい。
駅向こうにある焼き鳥屋、インドカレー屋、居酒屋、そしてよく入った銭湯。
何かがこの場所に残ってる。

ノイズというか、ファンシーな何かとかが頭部周辺ぐるぐるするので、バッグを探って「羽生善治の終盤術(1)」を読み始める。

どんどん乗客が増える社内。
となりにすわったチャラい兄ちゃんがうたた寝するたびに、こちらにもたれかかってくる。がっちりしてるからか脇腹に肘が当たって不快なんだが、やめてくれよ、やめてくれよと思っているうちに下北沢に到着したので、うたた寝を振り切るようにしてドアへむかった。

綺麗になった下北沢駅前にやってくるのは初。
昔は改札に出てくるまでにぐるぐるめぐってた気がするがが、今はすんなり正面に出てこられるんだね。

改札前からフルモードのイベント会場。
正面ステージ横に森内先生が。
お顔を拝見するのは前回東京将棋会館でお見かけしたとき以来。
囲碁、チェス(青嶋先生がいたみたいだけど、後であのパーカーの人がそうだったと知った)、麻雀、バックギャモン。
そして将棋。
指導対局はすでに満席。
しかししかし屋敷、八代、室谷、上村、瀬川、窪田、田中、片山(それぞれ敬称略)。
すごい歴々の先生方のお顔を見られて満足。

商店街ひとつむこうでは道にそって机が並べられ将棋対局場と化していた。通り抜けながら対局に目を配るとひとり、中飛車党の子がいて足をとめたりした。
中飛車、最高!

いったりきたり。
歩き疲れたので、
いつも寄る「こはぜ珈琲」でアイスコーヒーを注文して座る。
普段から人の多いこの場所に、将棋好きたちも押しかけているわけで人込みが多すぎるのも当たり前か。
アイスコーヒーを飲みながら手帳に書き物をする。
空いてる席がどんどん埋まっていく。
飲み干すとサッと立ち上がった。
やっぱりここが一番下北で落ち着く。
コーヒーもおいしいし。
この店にいると、「ねえ、君は覚えてますかね?」とか思う。
しらんけど。

歩いてるとどうしても目に入ってしまう本多劇場。
本多劇場、いったい何回ここへ入っただろう。
駅前劇場、スズナリも。
いろいろあって演劇はもう観てない。
でも、この街はそういうものが集まる場所。
駅の向こう側、奥のほうまでいって銭湯にも入ったし、
好きだった人とお茶した店もあったりで、
いやあ、
なんというか愛憎ないまぜの下北沢。
また来られてよかった。

しばらくいたけど、もうそろそろころあいだなと思い、左馬の根付だけ買って小田急に乗り込んだ。

家の前まできたらポツポツと。
何とかぬれずに家にたどり着けた。
根付は、財布につけてみた。
根付についていた鈴が、鳴った。



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