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2023年~ 現代短歌数首たりたり

自分が詠んだもののなかから数首、修正をいれたりしてえらんでみた。
こんなのでいいのだろうか?
さみしさを含んでいるところが、ワタシの固執するなにか、なのかもしれない。いや、それすらわからない。


二羽の鳩 息もあわさずとまり来て 三列風切 雲なき明日

寒空に餌のひとかけら求めつつ  坂道をゆくひとりシジュウカラ

銀柳街まろびいでたる風船ひとつ たれも気にせず見捨てられし子なり

アパートの消滅をみて立ち尽くす 脇の路地モノひと品もなし

脱皮するナナシの声の償いに 瓦礫と死人の声かさならぬ

鉤括弧安易に使うべからずと いわれる安易の意味がわからず

身をあぶる残照に飽き放りだし ひねる蛇口の水に秋あり

陽ざかいに手をのばしつつわらしべの  鏡面にたつ2棟の陵墓

ざりざりと半裸スケーターの槍衾四本  道路わきによけ深夜1時11分

製薬会社要塞数棟建てた脇を  雨傘でなぞゆく黄色い帽子ひとり

みちばたに忘れられたりセロリ一枝 ゲリラ雨遭わず干からびるまま

キーのはずれた「思い出のレコードと」を後背に ワタシ見返るおさげの貴女



珈琲と岩茶と将棋と読書と、すこしだけ書くことを愛する者です。