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「伝統工芸」って本当は「未来工芸」だ。

伝統工芸と聞くと古くから伝わる物、古いものとイメージするだろう。もしかしたら、古臭いと感じる人もいるかもしれない。

しかし、私は本来の伝統工芸をしているものほど「未来工芸」と呼び方を変えるべきだと思う。なぜなら、昔の人は自分たちの材料の確保をと同時に未来の子孫のために材料を残し、あるいは育ててきた。昔の人は常に「未来」を見据えて作ってきたからだ。

それが現代になり昔から伝わっているという理由で「伝統工芸」と呼ばれるようになった。だがどうだろう、現代の「伝統工芸」は本当に未来へバトンをつなげることは出来るのだろうか。

漆器のお椀のベースとなる木の器(以下「木地」と表記する)の世界では材料不足が深刻だ。木はそこら中に生えているではないかと思うだろう。しかし、現在生産ルートに乗せられている漆器は指定の樹種で、さらにサイズも指定されている。つまり、作る物のぴったりの木を探さないとならない。

売れればそれで良いと、未来の事は考えずどんどん木を伐りだし手仕事から機械で生産してきた結果が現代だ。これでいいのだろうか?これで「伝統」といっていいのか?「伝統」とは過去の産物なのか?

また、木は高値で売られることはない。値段が付かないため山を整備する人がいない。そして災害が起こるという悪循環。

だからこそ、木に合わせたモノづくりの仕組みが必要になる。木の成長を追い越す機械で大量に生産するのではなく、木の成長に合わせた手仕事を。

「過去」ではなく「未来」へつながる「未来工芸」を目指そう。

未来へのバトンを綱くことが出来るのは、作り手も使い手も一緒に築いていく必要がある。

子供たちに明るい未来を残していこう。

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