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手しごとは「生きる」こと。

今日は手仕事に対して考えが変わったのでここに記したいと思います。
8年この仕事をして最近やっと見つけた答えです。

 物があふれ、テクノロジーが進んだこの世の中でなぜ「手しごと」にこだわるのか?ろくろの世界にも旋盤という機械があります。この機械があれば大量に、安定的に作ることが可能です。ただ、とても技術が必要なので簡単ではありません。
私が旋盤を使わず「手しごと」にこだわる理由、それは私が「生きてる」ことを実感したいからです。
 キャンプに例えると想像しやすいでしょうか?わざわざ手間のかかることをする、けれどその中には5感を思う存分使います。木のにおい、削れる音、形を見て、触って形の調整をします。
 私が卒業した山中漆器産業技術センターには会社を退職し物作りを仕事にしようと幾人もの人が入学してきます。ついこの間も会社員の人が「ろくろやりたいんです。」と工房にやってきました。パソコンに向き合い効率に追われひたすら時がたつ毎日に、自分の何か大切なものを見失ってしまったようです。
 手仕事を守る理由は「人が人らしくあれる一つの手段」ではないでしょうか?
手仕事が現代社会の中で生きづらさを感じる人にとっての駆け込み寺のような存在になるといいと思っています。その手段はろくろ以外のものも当てはまるはずです。ろくろはその中の一つです。これから先テクノロジーも効率も求められる時代です。だから今「生きる」ために手挽きを守り抜きます。

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