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ブランドロゴについて考えましょう。コカ・コーラ社のグローバルキャンペーン”Every Coca-Cola is welcome./どんなコカ・コーラも大歓迎さ”から学ぶブランド価値の所在地とは?

コカ・コーラ社の新しいグローバルキャンペーン”Every Coca-Cola is welcome./どんなコカ・コーラも大歓迎さ”が面白いです。

僕はロゴはターゲット顧客と共創されたブランドが生み出す文化(共通の行動様式)の象徴(アイコン)という位置付けで捉えています。
また、心地よいブランド体験を想起(再生)するためのスイッチの役割もあると考えています。

企業側からすればロゴは製品やサービスのクオリティを担保するものであり、ブランド管理を行うための大事なアセットです。視覚的資産として厳密に管理する必要があります。

ブランド=焼き印であり、本物と偽物とを認識するための機能があります。
当然、勝手に解釈されたものは許されないということが従来の一般的な考え方です。

今回コカ・コーラはその象徴的なロゴの非公式のストリートアートバージョンを取り入れたグローバルキャンペーンを開始しました。
このキャンペーンは、ブラジル、メキシコ、インドネシア、オーストラリア、アメリカで実施されています

今まで非公式である私的なロゴの解釈とそのデザイン・アートを コカ・コーラは、通常ブランドが保護すべき視覚的資産としてロゴを捉え直しました。
コカ・コーラのロゴは長年にわたり、世界中のレストランやお店の店主の方々によって"非公式"にアレンジされていたものがあります。


”Every Coca-Cola is welcome./どんなコカ・コーラも大歓迎さ”

このキャンペーンではそうした街中にあるロゴ、いわばストリートのアーティストたちによって、リデザインされたものが持つリアルな表現を積極的に取り入れました。この姿勢から、ブランド価値の本質が企業や製品のアセットではなく、一人ひとりの顧客体験にあることがわかります。

コカ・コーラは一人ひとりの顧客の中に存在している事実を認めそれを祝福する活動をスタートさせたことになります。

顧客との最大の接点でもあり、そのアートの発祥の場であるストリート=OOHを中心に、メディアを横断的に活用するキャンペーンです。


”Every Coca-Cola is welcome./どんなコカ・コーラも大歓迎さ”


この一連の活動を通じて、むしろストリートに存在していたロゴが体系化され共鳴してコカ・コーラがいかに愛されているかのリアリティを生み出していることになっています。
このダイナミズムは従来の公式のブランドロゴを保護する作業では達成できない独特の魅力と創造性に繋がっています。

ブランドは顧客のココロの中にあります。
そしてブランド価値は共創されることによってさらに豊かなものになります。

日本市場においても消費者からみた時のロゴの役割が変わってきました。
ロゴレス化という現象が家電製品を中心に起きています。

しかし、コカ・コーラのこのキャンペーンから改めてブランドは誰のものか?という視点でロゴを見渡した時には、ロゴを消すということが答えではないことに気づきます。

コカ・コーラ社は、新キャンペーンを通じてブランド価値創造の本質的な在り方を問い直しています。

”Every Coca-Cola is welcome./どんなコカ・コーラも大歓迎さ”


単に製品の認知を高めるだけでなく、幅広い消費者との継続的な対話と共創が、真のブランディングにつながるという本質的な視点を新しい方法で提示したと言えるでしょう。

一方で、この戦略は既存のブランド管理の概念に反するため、一定のリスクも伴うことは確かです。
過剰なコントロールを避けつつ、いかに企業と消費者の共創を円滑に行っていくかが、今後の課題となります。
マネージするにあたりデザインの一貫性を超えた意味の一貫性が重要になりそうです。

今回のキャンペーンがどのような成果をあげるのか、注目しましょう。
ブランド価値創造に対する発想を大きく転換する、インパクトのある施策であることは間違いありません。


”Every Coca-Cola is welcome./どんなコカ・コーラも大歓迎さ”

さすが、コカ・コーラ、世界をリードするザ・マーケティングカンパニーですね。ブランドのことを考えると避けて通れない存在です。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。


記事の内容や映像資料は以下のサイトを参考にさせていただきました。

https://adage.com/


参考資料としてどうぞ。


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