実は絶滅危惧種だったイチョウが人を媒介に生き残りの旅をした記事を眺めていたら珠洲の奥能登国際芸術祭の思い出とマッシュアップしたくなって、MITの石井裕さんとMAL Lee Clowさんへの想いが蘇って、オワコンと言われる広告の未来について啓示を得たというお話です。
先日「奥能登国際芸術祭」についてのnoteをポストしました。
投稿し終わった後、しばらくして、ある日経新聞の記事が記憶の片隅から甦ってきました。
記事の記憶
ナショナルジオグラフィックからの転載記事です。
イチョウは絶滅種だったが人間との不思議な共生により生き延びているという内容です。
記事からの引用です
イチョウの部分を「珠洲」に置き換えてみた
太字の「イチョウ」にあたる部分「この種」を「珠洲」に置き換えてみましょう。
この秋、黄色くなった落ち葉の歩道を歩いた人は、希少な体験をしたといえるかもしれない。自然から姿を消しかけていた珠洲を救い、世界に広めたのは人間だ。
あれ、これは、僕が珠洲で感じたことの総括に近いなと…。
むしろ、そのものであると思いました。
奥能登国際芸術祭の経験がナショナルジオグラフィックの一節を呼び覚ましてくれました。
ナショナルジオグラフィックの記事を読み進めます
さいはての土地に残されてしまった珠洲にしかないもの、イチョウが歩んできた軌跡に似ています。
イチョウがユニークな存在であることがこの記事から伝わってきます。
イチョウと人の関係
イチョウに人はどうやって関わってきたのでしょうか?
美味しくいただいているのですが、「外層を取り除く」というところに注目しました。
そして、アート
アート・芸術(工芸)は人の手によるものです。
自然の芸術という言葉がありますが、定義上は人の活動によるものです。
質問:アート・芸術についての定義を150字でお願いします。
珠洲の人や土地の記憶がアーチスト・アートによって外層を剥がされて、剥き出しのものになっていく、それが芸術祭です。
そしてアート作品を通じて解放された土地の記憶は訪れた人によって消化・昇華され、心に刻まれていきます。
また僕のようにnoteに書き留めるなど別の方でその記憶を発信する行動の連鎖が発生します。
質問:アート・芸術と人間に関わりについて300字でまとめてください。
質問:人間のアート・芸術という行為によって導き出されるもの・結果として生成されるものは何ですか?300字でまとめてください。
イチョウは旅をした、そして生き残った
美味しく食べられるようになったイチョウは人と一緒に旅をします。
珠洲の思い出のように。
日本経由でヨーロッパに戻ったとしたら、とてもロマンチックですね。
何やら北前船の話にも聞こえてきます。
そうか、イチョウは人を媒介(メディア)にして生き残ったのだ
そろそろ、文章をまとめようと思った矢先、「人をメディア」というフレーズが僕の頭でリフレインします。
広告代理店でキャリアを積んだ僕はこの「メディア」という言葉にはとても敏感です。
広告ビジネスにおけるメディア
広告においては「媒体」という言葉をビジネス上一般的に使います。
一番具体的な言い方が「TVCMの放送枠」を持って媒体としています。
枠を売ること(Media Agency/日本ではメディア担当)と、枠の中身を創ること(Creative Agecny/日本では制作担当)は分業化されています。
英語の「Media」が日本に持ち込まれて広告の世界では「媒体」が好んで使われています。おそらく「Viechle/ビークル=具体的な放送局名」とセットで使われることが多いので媒体が一般的ではないか?というのが僕の個人的な見解です。
そして、上述のように「メディア部門」という職種的な役割に集約されており、その立場から通常ビジネスための議論をするので、コンテンツ側との乖離が生まれてしまうことがしばしばです。
コンテンツの意図を踏まえて「媒介」のニュアンスで議論されていることがありますのが議論がうまく噛み合わないのはこの辺りが原因ではと考えています。
質問:メディアは「媒体」ですか?「媒介」ですか?
メディアといえば、MIT(石井裕さん)とMAL(Lee Clowさん)
ビットとアトムの間を行き来する、その象徴としてのそろばんについてのお話が非常にメディアについての見識を深めてくれるMITMITメディアラボ副所長の石井 裕さんです。
彼のいうメディアはまさに媒体であり媒介です。
メディアを考えるときには示唆に富んでいます。
あえて現代の錬金術師を名乗る石井さんの言葉には力あるだけではなく、ロマンがあり、僕は大好きです。
Creativityが重要な広告に携わる人間として彼が言及する「錬金術」ということに惹かれて広告の一つのゴールについてnoteを書きました。
Appleのマーケティングプロモーションに長らくCreative Directorとして関わり、Appleへの広告代理店の新しいサービス提供のためにMedia Art Labの創始者でもあるLee さんもメディアという言葉を丁寧に使います。
Lee Clowさんが中心となって造られたAppleの「Think Different」は不朽の名作です。
Think Differentの背景にある「Marketing is about values」(Steve Jobsさん)は広告の新しい可能性の扉を開くためにもう一度読み解く必要があります。
二人の話を「イチョウがした旅」の観点で眺めるとメディアとクリエティブは一対であるべきことが理解できます。
「メディア」についての認識がシャープになってきました。
仕事上の役割分担があるので、コンテンツとしては一体ですが、役割という点では一対です。
このメディアについての理解が次の広告を生み出す出発点になります。
「メディア」についてまとめておきます
質問:メディアとは何ですか?1:現在一般的に考えられている意味と、2:芸術、3:哲学、4:化学、5:物理学の観点を対比させてそれぞれ100字でまとめてください。
広告はオワコン
広告はオワコンであると言われて久しいです。
その価値を下げています。
広告の本来の価値は何かという議論すら起きる気配もありません。
デジタルが生み出した新しいライバルたちにどんどん端っこに追いやられています。
それは、さいはてのマスコミ業です。
広告を先端に:Break out of our shell
まずはメディア部門(その中にあるトラディショナルVs.デジタルも含む)とクリエティブ部門(こちらにもBig IDEA系とデジタルの対立がありますね)の「外層」を割る必要があります。
メディアとクリエティブが表裏一体となったコンテンツ(種)もきっと外層を持っています。コアアイディアのコアを解放しましょう。
では、誰に割ってもらいましょうか?
テクノロジーは道具です。道具を使うのは得意先です。
得意先ビジネス=マーケティングへの積極的な関与です。
広告の役割・位置付けをマーケティングの中でしっかり規定して、そこにチャレンジしていくこと:マーケティングにおけるプロモーションで果たすべき役割にフォーカスすることです。
日本では特に広告の役割が不鮮明になっていますので、サービス業として得意先ビジネスへの貢献であるを再度認識してその役割を全うするところから始めましょう。
珠洲での奥能登国際芸術祭のテーマは「さいはてを先端へ」です。
広告は最先端になる必要はなくマーケティングにおける役割の中で先端であることを目指しましょう。
得意先ビジネスを成長させる→広告代理店としてのビジネスの可能性が広がる→得意先へのロイヤリティが高まるという大きなビジネスの生態系で捉えていきます。
エージェンシービジネスの出発点は得意先です。
得意先は待っています!
さぁ、得意先へ!
そして、一緒に旅をしましょう!
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
新しいエージェンシーサービスのために「Open Platform型」の仕組みを提供しています。
興味がある方、ぜひこちらまで。
それでは、また。
追伸:奥能登国際芸術祭は2023年11月12日まで開催中です!
ぜひ参加してみてください!
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