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広告代理店に疑問をお持ちのみなさんへ*広告の仕事ってなんだろう?(前編) 広告がまず考えるべきはマーケティングへの貢献であるべき。

Marketing is about values


“Marketing is about values. It’s a complicated and noisy world, and we’re not going to get a chance to get people to remember much about us. No company is. So we have to be really clear about what we want them to know about us.” Steve Jobs



広告系としてvaluesについて考えます

きっかけは上記Jobsさんのスピーチです。
「Marketing is about values」ではじまるビデオです。
このスピーチは"Think Different Campaign"の背景を語るものです。
Think Different CampaignがAppleのcore valueを取り戻すものであったことが分かります。

この10分弱のビデオはGot Milkに言及していたりNikeへの尊敬やChiat Dayへのコメントが見ることができます。ビデオの最後に「Think Different」の映像が流れます。お時間のある時に見てください。

AppleのCore Value


“Apple at the core – its core value is that we believe that people with passion can change the world for the better. That’s what we believe. And we had the opportunity to work with people like that. We have the opportunity to work with people like you, with software developers, with customers who have done it in some big and some small ways. And we believe that in this world people can change it for the better. And that those people who are crazy enough to think they can change the world are the ones that actually do.”

"アップルの核心 - その核となる価値は、情熱を持つ人々が世界をより良い方向に変えることができると信じているということです。それが私たちの信念です。そして、そのような人々と一緒に働く機会がありました。私たちはあなたのような人々、ソフトウェア開発者、大きな方法や小さな方法でそれを実現した顧客と一緒に働く機会を持っています。そして、私たちはこの世界で人々がそれをより良い方向に変えることができると信じています。そして、世界を変えることができると思うほどクレイジーな人々こそが、実際にそれを成し遂げる人々なのです。"
*Chat GPTによる翻訳

Core Valueを顧客と創る、そのための仕掛けや場所を提供する


広告代理店はクライアントのマーケティング上の課題を解決する上で、このvaluesに向き合います。それはブランドを構築していくプロセスでもあります。

Steve Jobsさんのビデオを見ている中でこのvaluesという英語は日本市場では独特な解釈と運用がなされていているのではないか?という疑問を持ちました。

そこでみなさんと議論をしてみたいと思います

まず以下に個人的なvalue(s)についての考察をランダムに書き出します

1:過去30年近く低迷する日本市場においてValue(s)は”Value for Money”、日本的な言い方では「コストパフォーマンス」を伝えるために使われていないか? 「Price Value」だけが伝えるべきテーマになっていないでしょうか?

2:その背景には流通対策=「配荷の促進/店頭の棚を獲得すること」が解決すべき課題として設定されていないか? つまりターゲットが消費者・顧客ではなく、流通をマネージする人たちになっていないか? 「Place」に携わる人たちが最も重要なターゲットになっているのではないかという疑問です。

3:Value(s)が競争戦略上の論点として使われるときに、「付加価値」として理解されているのではないか?それにより(ターゲット顧客が求めない)機能的な価値をイタズラに商品・サービスに加えていないか?
つまり極論をすればターゲットオーディエンス・顧客のことを考えないでひたすら「隣の企業をベンチーマーク」とした商品・サービス開発発想になっていないか?
これはプロダクトアウトを否定するものではありません。僕個人的にはvalue(s)は固有の価値(その商品やサービスが持つ固有資産)であり差別化のための価値であるとは考えていません。

4:結果的に「こんなにたくさんの機能やサービスがついていてこの値段、さぁ店頭へ急ごう!」ということを持ってマスマーケティング的に行っていないか?
上述の要素を背景にした「お店に行こう!」というメッセージを一言で面白く表現することを持って広告Creativeと位置付けていないか?
流通を棚取りを含めた知名度を重視する傾向が強く、マーケティングファネル上のトップファネル(到達率)ついての関心の中心で、Creative(解決策)としてフルファネルで一連の流れで考えていない、ファネル内でのメッセージの分断が起きているのではないでしょうか? ファネルマネージメント(についての責任者)の不在とも言えます。

補足1:知名度重視のマーケット
歴史的に知名度があること、有名であることを持って「ブランド」と位置付ける市場であることも影響していると思います。
日本ではカバレッジの大きいテレビCMの重要性が引き続き語られています。そのテレビメディアの大事である理由として「流通対策上必要」をあげるクライアントさんもいます。

補足2:トラディショナルメディアとデジタルメディアの担当者の「壁」
デジタルへの移行は進んでいますが、マスメディアのリーズナブルなリプレイスメントという発想があります。
リーチ思考の宣伝部と、デジタルマーケティング部門との間での齟齬が顕在化しています。
トラディショナルメディアとデジタルメディアの広告費における比率は現時点では50:50です。

穿った見方だという意見があることは承知していますが、みなさん、どうでしょうか?

広告系は何をすべきかについて考察を進めます

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