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推し活コミュニティがつくった最初のマスヒット広告、推し活エコノミーのチカラをあらためて実感するデジタルハリウッド大学のTVCMの新時代の幕開けを告げます。テレビはモーメンツを楽しむパーティーメディアへ。

週末徳力さんの素晴らしい投稿を目にしました。
徳力さんのトレンドを読むチカラはすごくていつも追いかけています。

デジタルハリウッド大学が「みんなを生きるな。自分を生きよう。」というキャッチコピーで毎年展開しているプロモーションです。

本年度は2月10日の段階で平野紫耀さんの起用発表とともに、30秒バージョンのウェブCMがYouTubeに公開されファンの間で注目されている中で、ミュージックステーションを放送枠に60秒/ロングフォーマットが展開される情報が事前に発表になりました。

日本の推し活エコノミーによるTVCMの位置付けを変える事例ではないかということでとても注目しています。

最近推し活コミュニティがヒット曲をつくる構造にとても興味が惹かれていたのですが、この広告を通じてその推しの活動がマスマーケティングの世界にもいよいよやってきたということを実感しています。

デジタルハリウッド大学がずっと大事にしていたコピー「みんなを生きるな。自分を生きよう。」が平野さんが今目指している活動と共鳴して増幅している点においてすでに成果が出ています。

モノを売ることは企業価値を最大化することです。
僕はここを考察の出発点にしました。


次にこのCMが映像コンテンツとその情報接点設計で果たしている役割は何か?を考えてみました。
少なくともデジハリのポジションの明確化です。

毎年発信しているデジハリがメッセージと平野さんが現在置かれている立場は共鳴します。

デジハリが伝えたいメッセージは彼の推し活コミュニティに共感され、ファンを通じて拡散されます。

価値を最大化するためには享受する顧客の存在が必要です。
最初にこの情報が触れる潜在的顧客コミュニティとして、彼の推し活コミュニティは購買力や情報発進力に魅力があります。

これが旧ジャニーズ系のタレントさんの魅力のひとつです。

そのコミュニティの発信力により私たちもこうしてデジハリを知り、踏み込んだ議論をしています。

推し活コミュニティから広がる波紋は本来の購買ターゲットに届くでしょう。

この映像コンテンツの先にあるタッチポイントではクロージングのための施策が待っています。クロージングはモノを売るだけではありません。何かKPIが設定されているはずです。

このTVCMだけではいわゆる「売り上げ」の向上は短期的には起きないかもしれまえん。

しかし、統合マーケティングの仕組みの中で売り上げ=企業価値最大化が図られていると想像しています。

現在TVCMは売り上げアップのソリューションではなく、マーケティングのプロモーションにおける話題の最大化の役割を担うことが一般的です。
茶の間に「一石を投じる」ことです。

それを踏まえて、この広告が統合マーケティングにおけるどのような役割が期待されているのかの観点でこの「映像コンテンツを見る」そして、議論することが重要です。
波紋の広がりを考えた時に推し活コミュニティは魅力的です。

この映像コンテンツがデジタル上に存在していることも大きいです。
事前の情報展開が十分に機能しています。
これもこのTVCMがユーザーコミュニティによりヒット作品になる背景です。

今後TVCMコンテンツをユーザーコミュニティに委ねる/預ける、ネタ的な展開をする試みは増えると思います。
ヒットCMはユーザーコミュニティによってつくられる時代です。

TVCMを作らない広告代理店を経営していますが、TVCMの限界を知ることが次のステージに向かう上で大事だと思って、あえてTVCMを作らないことを方針にしています。

今回の考察を通じて、改めてターゲット顧客との情報接点設計において出てきた課題をコミュニティのチカラで解決するにあたってコンテンツがどうあるべきか、そして、もしTVCMが解決策になるとしたら、どう活用すべきか、考えさせられました。

思考の入り口ある徳力さんの分析、ぜひ読んでください。
デジタルハリウッドのケース以外にもTVCMの今後についてのヒントがあります。

新しい時代の本格的な幕開けです。
テレビのデジタル化で起きることは、ターゲットメディア化ではなく、モーメンツメディア化です。テレビがパーティーメディアになります。
期待しかありません。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。

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