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銀行に店舗は必要か:金融機関の店舗について考えた

都市銀行を中心とした日経の取材シリーズを改めて読んでいます。
その番外編を読んで気になったことをまとめます。


日経の本シリーズに最初に触発された記事はこちら


「Olive」100万人超え、三井住友の覚悟 店舗6割小型化 銀行変身 リテール戦線異状あり㊤

続いて刺激を受けて書いた記事がこちら


メガバンク、店舗削減に転機 金利ある世界に備え 銀行変身 リテール戦線異状あり㊦

銀行ビジネスにおける都内の有人店舗数


都内には「銀行」に関連する店舗で3000店舗を越える店舗があります。
ATM(除くコンビニ)では約5000の顧客との情報接点を持ちます。

これはファーストフードショップよりは少ないですが、規模感としては近いものがあります。

ちなみにですが、マクドナルド


都内には400店舗弱です。全国では3000店舗程度です。

マクドナルドはグローバルで「I'm loving it」を進化させるマクドナルドモーメンツを提示するキャンペーンを行っています。
Core Valueをしっかり提示してターゲット顧客とのインタクション強化を進めています。

こちらがマクドナルドのグローバルキャンペーン


こちらはUKに特化したキャンペーンですが、店舗の重要性を訴求するアプローチもしています。

参考記事です。


Click からBrickへ


顧客とのナラティブによってできる価値創造活動=ブランド体験の重要性がマーケティング上、増していることを先日クリエティブディレクターの福田敏也さんと話したばかりです。
CXの概念が浸透して、リアルの大事さが問われています。

僕はValueがMarketingにとって重要という立場です。
Appleの影響が大きいことは何度もお伝えしている通りです。

ちなみに都内のApple Store(直営店)は5店舗

店舗の出店計画は、店舗の数ではなく、顧客とのインタラクションの密度で考えているように思います。
「ギターを楽しむ人をつくる会社」になったFenderも同じアプローチに映ります


銀行はどうするべきか?


記事の中(手のひらだけには限界(メガバンク・ネット銀担当 北川開さん)にもありますが、その通りだと思います。

銀行機能を他社に提供するBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)が発達した今は、事業会社すらライバルになり得ます。金融業を強化している高島屋は22年、住信SBIの基盤を使ってネット銀行サービスを始めました。百貨店内のカウンターでは金融商品仲介の子会社が資産運用の相談に乗ります。商業施設に出店する三井住友のストア戦略と通ずるものがあります。

銀行に店舗は必要か 金融の未来、記者に見える景色 銀行変身 リテール戦線異状あり 番外編

それをどのように実現していくのか、その時に店舗の果たす役割はどうあるべきか、僕はマーケティング、特に4PにおけるPromotionの観点で考えています。ブランド(Core Valueをめぐる企業と顧客のインタクション)活動におてやりとりされる「体験」がとても大事で、店舗・リアルショップがまさにそれにあたります。

それを前提とした際に「顔認証技術で完全無人店舗も(メガバンク担当 中村雄貴さん)」のコメントが気になります。

三菱UFJ銀行でいえばJR東日本の「駅ナカ」の個室ブースで今月末まで展開するNISA(少額投資非課税制度)の相談サービスがヒントになります。契約はインターネットで終えることが可能です。人が集まる場所で接点をつくり、大部分の手続きはデジタルやネットを活用する――。コストを減らしながら収益を確保できます。

銀行に店舗は必要か 金融の未来、記者に見える景色 銀行変身 リテール戦線異状あり 番外編

つまり、都市銀行各社のビジネスの生業とCore Valueについてどのような議論が行われているかということです。
銀行業は信用創造業とした時に、Nisaなどの手数料ビジネスでそれを実現できるのかどうかという点です。

クリエティブディレクターの小霜和也さんの言葉より

ブランドとは気持ちのいい体験です。
心に焼き印することをブランディングというのです。
マーケティングで顧客創造した後で(あるいは創造しながら)ロイヤルカスタマー化する活動で、商品なら使うまで、飲料なら飲むまでがブランディング活動なのです。

恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。小霜和也著 宣伝会議

僕の尊敬する小霜和也さんが言い当ています。

銀行においてリテールのゴールの一つはロイヤルカスター化であれば、そろそろ自分たちの価値を共有するお客さんを選ぶことをはじめる時期に来ているのではないでしょうか。

小霜和也さんは続けます。

よくブランディングとは「らしさ」をつくることだ、と割れたりもしますが、それはそうでしょう。でもそれだけがブランディング活動ではないということです。
ファーストフードなら店舗を増やして体験客を増やすのが最も大事なブランディング活動、そこでの接客や店舗設計で気持ちいい記憶を作ってもらうのもブランディング活動、Promotionはそこへ誘導するきっかけ作りです。

恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。小霜和也著 宣伝会議

Core Valueをインタクションする顧客を選ぶ


ビジネスは価値創造です。
価値は顧客と共につくられます。
お客様は神様ですが、どの神様とインタクションするか・協業するかを選ぶ時期に来ています。
成長市場で許される横並びではなく、ブランが必要です。

さあ、ターゲットを選んでブランドを創ろう!

時代の転換期です。
Core Valueを共有する顧客をしっかり選んで価値を創って行きましょう。
ぜひみなさんのパートナー広告代理店に相談してみて下さい。

質問などございましたらお気軽にこちらまで!

h-mori@threeplussix.com

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。

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