イスラエル入国・国境通過

イミグレセキュリティ・イスラエルに来るのは初めて?

大学生・初めてでわくわくしているよ。

セキュリティ・ホテルはどこに予約しているんだ?

大学生・ホテルは予約してなくて、Facebookで知り合った人と連絡を取っててそこに行こうと思っている。

セキュリティ・(表情がピリッとする)パレスチナに知り合いはいるのか?パレスチナに行く予定はあるのか?

大学生・Facebookでイスラエル、パレスチナに行きたいってポストしたらパレスチナ人と友達になってその人のところに行こうと思ってるよ、泊めてくれるって言ってくれてるし、Coolでしょ?パレスチナ自治区も色々回って現実を知るっていうのが旅の醍醐味だし、世界を知ってから社会人になったほうがいいでしょ?

セキュリティ・(さらにピリッとした表情)少し待ってろ。

と席を立ち、隣の担当者と話をする。

セキュリティ・(数分後戻ってくる)何日間イスラエルにはいる予定なんだ?

大学生・まだ決めてないんだ、Facebookでまた友達増えるかもしれないし、でも9月半ばまでには帰りたいかな、学校のこともあるからね。

セキュリティ・(ため息)OK 後ろのベンチで座って待ってて。後からまた質問をするから。NEXT

大学生・・・・・

一体なんだって言うんだ、という顔をして後ろのベンチに腰掛ける。その後、彼が何時間待たされたのか、入国できたのか、それはわからない。

セキュリティ・イスラエルは初めて?

わたし・(得意の笑顔)初めてです。

セキュリティ・どこに泊まるの?

わたし、(きたきた)エルサレムのチェインゲートホテルを予約してるよ。(してないけど)

セキュリティ・パレスチナ人の友達はいるか?

わたし・ここは初めてだからいないし、聖地エルサレムを観光したいと思ってるの。

セキュリティ・イスラエル人の友達は?

わたし・いないわ、いるとするならあなたが初めての喋ったイスラエル人よ。と笑顔で話す。

セキュリティ・(パスポートを見て)あ、君同じ年だよ!(ここで態度が柔和に変わる)

わたし・そうなの?嬉しい!今日から友達ね。

セキュリティ・OK 良い旅を、イスラエル楽しんでね。

わたし・ありがとう。と笑顔でさよならする。

笑顔こそ、正義だわ。そう心から感じた。わたしの後ろに並んでいたアメリカ人女子大学生にウインクしてゲートを通過した。

例の男子大学生のイミグレーション問題により通過に時間がかかってしまったせいか、事前に通過した荷物がごろんと放置されていた。放置されていた荷物が置き引きに遭わずそのまま置いてあるというのはある意味治安がいいということだろう。ちんけな盗みはないと見た。だってモサドは怖いし、何が起こるかわからないイスラエルだからとみんな思っているに違いない。荷物を受け取り建物の外に出る。この色と光、世界で一番厳しいイミグレーションを通過したんだと思いもひとしおだったが気温はすでに40度を優に超えている。まずは換金をしてエルサレムの中心に向かうバスを探そう。これが知能大国イスラエルの間近所なの?と目を疑うような掘建小屋が換金所だった。そこでユーロをイスラエルシェケルに変える。余談だが、旅慣れと年齢による世擦れと英語の多少の自信から事前にアクセスを調べるということをしなくなった。いつからだろうか。今回もまあなんとかなるだろう、誰かに聞けばいいや、と思い特に下調べをせずに来てしまった。そして今の時代はiPhoneとグーグルマップスがあればほとんどの場所を迷わずに歩ける。頭が悪くなる一方だと言いながら文明の利器に頼る日々、旅の毎日が続いている。

換金したお金でバスのチケットを買う、待機している乗り合いワゴンタクシーのようなバスに乗り込む。実はヨルダンでシーシャを3台も買っていたわたしは大荷物を抱えてバスの最後尾の席に座る。まあ、よくこんな大荷物を抱えてイスラエルボーダーを通過できたなと我ながら感心するし、よくこんな大荷物を抱えてイスラエルボーダーに挑戦しようと思ったなあと無鉄砲さが際立つ。バスはすでに満席近く、右側の一番後ろが2、3席空いており窓際に座りもたれかかって景色を見ながら聖地へと行こうと決める。

そして次に乗り込んで来たのはアメリカ人女子大生だった。目と目で挨拶をし、少しだけ口角を上げる。彼女も同じく一番後ろに座ることになる。最後に乗車したのは初老の上品な感じのする女性だった。彼女はわたしとその女子大生の間に腰を下ろした。

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