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生地にこだわるワケ


今回の記事の下書きを手書きでして高校時代を思い出しました。Threebread店主です。
文芸部所属で日々妄想を言語化していました。いやぁ懐かしい。
さて、今回は当店が生地にこだわるワケを綴ろうと思います。少しの間お付き合い下さい。



皆さんはパンを食べる時、生地の味を感じていますか?
惣菜パンや菓子パンなど、フィリング(具材)の味ばかり感じているのではないでしょうか。
もちろんフィリングもパンの魅力の一つです。でも立ち止まって考えた時、そのパンの生地の味をどう感じているのか思い出すことできますか…?

パン生地は小麦でできています。小麦はとても香り豊かな穀物なんですよ。それを感じないのはもったいないと私は思います。



私がパン教室での修行時代にとにかく感じていたこと、それは、小麦の香りと美味しさでした。

クラスト(皮)の焦げた甘い香り、クラム(内層)の甘く燻るようなアルコールの香り。口に入れた瞬間にその様々な複雑な香りが、鼻というか、顔中に広がって幸せな気持ちになります。

作った人だけが味わえる焼き立ての香りは、私にパンの美味しさをことごとく教えてくれました。

教室では、パン生地に寄り添うようなフィリングのパンが多かったように思います。
パン生地が主役のパン。
私はそんなパンを焼きたいと当時から思っていました。



当店のテーマでもある『お酒に合うパン』は、塩気を効かせているような、強いインパクトのあるパンではありません。
生地そのものの味、風味とでお酒に合わせていただくようにレシピを作っています。

居酒屋さんはじめ、飲み屋さんのおつまみが必ずしも濃い味ではないように、パンもそうではなくてもお酒に合うんですよ。

当店のパン、ほとんどがペアリングにおすすめのお酒をご紹介できますので、ぜひ店頭でお尋ねください。店主もお酒大好きなので喜んでお話しさせてもらいます。



私はより生地を感じてもらえるように「ハード系パン」を作っています。惣菜やドライフルーツと合わせる時も、生地+フィリングの味のバランスを見ながらレシピを調整しています。

生地とフィリング、どちらかが強いのはダメなんです。まるっと一つの味として感じるのが私はおいしいパンだと思っています。
そこの調整は私の味覚や腕の試しどころです。

ただ、美味しさといった味覚は人それぞれなので、当然私の作るパンは私の味覚に合ったパンです。
それが少しでも多くの皆さんに共感してもらえるように、努力は怠っていけないと考えています。
たまに私にしか分からない味のパンを生み出す…なんてこともあったりします笑


次にパンを食べる時、どうぞ生地を感じてみて下さい。もう少しパンの世界が広がるはず。
よりおいしい、をたくさんの人に感じていただきたいと思いながら、私もパン作っていきますね。
まずは今週末の通常営業の再開!久しぶりですが丁寧なパン作り心がけます‼︎

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