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チーズポモドーロ誕生物語

やっと工房の水道を止めなくても帰宅できる季節になりました。嬉しいです。こんにちは、Threebread店主です。
今回は新作パン誕生のお話。ストーリーを知ればもっとおいしくなるかも?ぜひお読みください。


ポモドーロ

そもそもポモドーロは、当店の無店舗時代からのメニューでした。トマト生地のパンはおいしいから食べてほしい、という店主の希望から作られたパン。しつこく作り続けています。

以前の記事でも触れましたが、トマト感をもっと出したい、ということで10月のイベントでの販売を最後にお休みしていました。

レシピから見直し

旧ポモドーロで使っていたライ麦。これが味をぼやかしている原因だと思って、レシピを根本から見直しました。
いや、そもそもライ麦を入れていた理由が分かりません。当時の自分に聞いてみたいです。

セモリナ粉の割合を増やして、準強力粉と強力粉、そして粉チーズを入れたレシピから始めてみました。
トマトジュースは、濃いものを使ってトマト感アップを狙いました。

結果…4回ほど作ったところで行き詰まりました。

・トマト感が出ない
・濃いトマトジュースの扱いが難しい

というのが問題。
細かい話はあるのですが、膨らみが悪く、そのために食感や風味が悪かったんです。
入れたかった粉チーズ、濃いトマトジュースを諦めざるを得ませんでした。

トマト缶

粉チーズを諦め、トマトジュースを諦め、結果辿り着いたのはトマト缶でした。
トマト缶は、銘柄によって味や水分が違うので、なるべく使いたくなかったのです。が、そんなことは言っていられない状況。

手に入りやすい缶を使って何度か試作したら、美味しいじゃないですか。
思っていたトマト感もちゃんと出てる。
粉チーズがないことでちゃんと膨らんでるし。

でも、なんか、こう、パンをむしゃむしゃ食べている感じなんですよね。
言っていることがよくわからないと思いますが、新たな問題が発生したってことです。

美味しいんですよ。十分。でも、これをおつまみにお酒が飲めるかといったら難しい感じでした。

値段を上げる

生地に何か練り込むなら、従来の230円では出せません。なるべく同じ値段にしたかったのですが、美味しさ追求のためにオリーブを入れることにしました。
そして、そのために250円頂戴することにしました。
こういうのは難しいですね。

仕上げとして、トマト缶にしたことで酸味もあったので、少し味の調整。それからチーズを諦めきれなくて上にトッピング。焼きも、ぷっくり膨らんでくれる温度に調整。
そして完成したのが新作チーズポモドーロです!

初回の先週3日間の販売では、計88個製造、完売でした。食べた皆さん、どうでしたでしょうか…?
今週も作ってみます。先週食べられなかった方、リピートの方、これを読んで俄然食べたくなった方、お待ちしていますね。

どんなパンでも出来上がるまでにストーリーがあって、売っているだけでは伝わらない情報を、ここで読んでいただけるのは作り手として大変嬉しいです。
おうちでもトマトパンは作れるので、パン作りされる方はぜひトマト生地挑戦してほしいです。
私も、今週もまたたくさん作ります!!

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