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温度と湿度、パン作りは大変?

試作の期間をもらってがっつりやらせてもらい、気持ちがリセットできました。こんにちはThreebread店主です。
今回は、パンにとっての湿度と温度について。私の思う所を綴りたいと思います。

よく言われます


「パンは湿度とか温度とか変わると大変でしょー」

これ、よく言われます。
みなさんどんなイメージでそう仰るのかは分かりませんが、本当によく言われます。

私が個人的に大変だと思っているのは、季節の変わり始めの時期です。それまでの季節感でやっていたことが通用しなくなります。
寒いだけ!暑いだけ!というのは逆に管理しやすいのです。
ここを克服するのは、あと何回か季節を経験しないといけないと思っています。

以前の記事にも書きましたが、フランス風のパンは風を感じて作るパン。大気が持っているカロリーを敏感に感じて生地は変化しちゃうんです。


湿度の問題

実は、空気中の湿度はそれほど影響しません。
パン生地が外に出ている時間って、意外と短いです。
捏ねは15分程度、分割+成形はどんなに長くても合わせて25分。合計で40分くらいです。
発酵の15時間程度に比べたらとても短くて、発酵機の湿度の方が重要だったりします。

生地に影響が出始めると私が感じるのは、湿度70%以上と30%以下くらいです。梅雨時期の雨の日は辛いのですけど、その他は重大な影響はないといっていいと思っています。

温度の問題

温度は空調で管理すればいいので、案外楽勝な問題でもあります。

ただ、当工房のエアコンはちょっとパワーが弱くて真夏や真冬は力不足です。そのために去年は夏にお休みをいただきました。

暑いと、捏ねや分割成形時にどんどん発酵していきます。寒いと、ウチの製法では捏ねの時はいいのですが、分割成形時に冷えてしまって、二次発酵が予定の時間でできあがらない、という問題が発生します。
なるべく毎回味や風味を揃えたい私としては、当工房では苦労が多かったりもします。

パンはスピード勝負

それほど影響ないとお話ししてきましたが、温度や湿度は生地に伝わって毎度コンディションが変わります。それは間違いないです。
ではどうするか。

外に出している時間=生地を触る時間を少なくすればいい。
というのが私の答えです。

時間がかかればどんどん冷えるor発酵、乾燥or湿っていきます。その影響を少なくするにはなるべく人の作業を早くする=生地を触らないこと。
それに、生地に触って良いことって全然ないです。だからなるべく早く、触らずに作業する。それが私にできることかなと思っています。

毎回修行だと思って作業しています。結果おいしいパンができるのなら、それは嬉しいことですよね。

長々と綴ってきましたが、冒頭の質問の答えとして思っているのは、
確かに大変なところもあるけど、パン屋は発酵を管理するのが仕事。それを大変とはいってられないよなー、といった所です。
いつもは曖昧に答えてしまうのですけどね。

パン作りは、季節によらずその回ごとの大変さがあります。なかなかそこは伝わっていないのではないかと思う私です。

頭と体をフル回転して作るパン。おいしいパンが作りたい一心でいつも作業しています。皆さんにもこの思いが届きますように!

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