添加物って悪者なの?
ハロウィンのパンの試作を仕込みました。こんにちは、Threebread店主です。今回はちょっとドキドキなテーマ。皆さんはどう考えますか?
添加物
突然ですが、添加物ってどんなイメージがありますか?
私の子供の頃、添加物の有害性みたいなものが社会問題になっていたように思います。昔は舌が真っ赤になるような着色料もありましたよね。
その後、添加物が減ったのかは勉強不足で確かなことは言えませんが、無添加のものは体にいい、といううっすらとした常識もこの頃に生まれたのかなと思います。
現代社会で便利に生活しようとすれば、添加物を摂取しないなんて無理な話だという認識も、私にはあります。
パンの添加物
パンは無添加だとどうなのか。考えたことありますか?
私がパン屋を始めてから聞こえてくる声は、
・無添加のパンは固くなってもしょうがない
・無添加のパンは体にいい
みたいなのが主にあります。
パンを作っている者として、無添加のパンだから固くなるというのは全く間違っていると言えます。
パンが固くなるのは、パンの水分が抜けるからです。4日も経ったパンは当然固くなります。
ただ、翌日のパンが明らかに固くなるのは製造工程に問題があるといえます。そこを無添加のせいにするのは、作り手のズルのように思えてしまうんですよね。
パン生地が心地よく発酵できるように、作り手としては環境を整えてあげたいものです。
体にいい、というのは…
体に悪いほどの添加物が入っている商品ってそもそも日本にあるのでしょうか。
日本の添加物などの基準はかなり厳しいと聞きます。パンの添加物は使ってもほんの少しです。日本にあるパンは、体に悪いほど添加されていないように店主は思います。
添加物との付き合い方
じゃあ当店は添加物は使っているの?という話です。
今まではっきりは言ってこなかったのですが、使っているパンもあります。目的は、パンの生地を強くするためです。もちろん、基準以内で上手くパンになる量を調整して入れています。
近年の筋トレブームで粉末のプロテインが広く飲まれるようになりました。
筋肉を作ってくれる、体を健やかに保ってくれるプロテインにも添加物は含まれています。
体に悪いとかいいとかって、単なるイメージなんだと思います。
私たちは添加物と上手く付き合うことが必要なのだと考えさせられます。
何が言いたいかというと、添加物の入っているパンを悪者にしないでほしいという気持ちと、作り手として、固くなるパンは製造方法を見直して。という話をしたかったのです。
無添加でも柔らかい、美味しさが長持ちするパンはできます。当店はほとんどが無添加のパンです。そして、添加物を使っても美味しいパンも美味しくないパンもできます。
添加物は体を害する悪魔でも、パンを美味しくする魔法でもないのです。
この記事を読んで、添加物が気になる方は店頭でお尋ねください。丁寧にお答えするつもりです。
どのパンを、食べ物を、口にするのかは個人の選択の自由だと思っています。ただ、どうしてもパンが悪者にされるのが悔しかった店主の思いを語らせてもらいました。
お付き合いいただいてありがとうございました。明日からもパンを焼きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?