メーカー志望の就活生がCAの選考に潜入した結果、最終面接までいけた話②

メーカーを第一志望とする就活生の私は、興味と憧れからCAの選考に潜り込んだ。選考方法について、詳しいことは何も知らずに飛び込んだために一次選考ではかなり異質で浮いていたが、そんな状況にも打ち勝ち、無事二次選考に進むこととなった。

二次選考は数名での集団面接だった。私は前回の反省を踏まえて髪型やバッグ、服装をできるだけ周りと同じように揃えた。面接の他に、腹筋や手を伸ばしてどこまでの高さが届くかと言った、面白い審査もあった。面接は普通の日本語での質問の後に英語での質問もあったが、留学経験のある私にとっては大したことはなく、難なく二次選考も通過することができたのだ。

最終面接で驚いたこと

関西での選考だったが、最終は東京の空港の整備場にある専用の施設で行われた。最終面接の日程を選ぶと、その航空会社の航空券が支給された。機内での移動の時から選考は始まっている気がした。移動中ではサービスの勉強も兼ねて現役CAさんを観察してメモを取った。同じ機内には自分と同じような髪型、服装の学生もちらほらいて、外見からおそらくCAの選考を受けに行く人だとわかる。お互いに、あの人もそうなのかなと会釈したりした。

現地に着くと多数の飛行機が停められていた。普段は入れない場所に入れるということにわくわくした気持ちだった。審査は半日という長時間にわたって行われる。面接だけでなく、体力テストとフルの健康診断があるため、タンクトップに短パンが持ち物リストにあった。

リクルーターのCAさん達が最終面接も応援に来てくださっていた。エアステージという航空会社の雑誌に載ってる方々だ。その他にも現役のCAさん達がたくさんサポートで来ていて、私たち一人一人に、応援メッセージ入りの折り鶴をプレゼントしてくださった。その心遣いにみんなで感動した。
また、面接の待ち時間にCAさんお手製のフォトブックを見せてもらった。入社式の写真、訓練時、国際便、ステイ先の観光を楽しんでいる写真、などキラキラしてすごく素敵で憧れの世界だった。私はその時に本当にCAになりたいと思った。

最終面接の審査内容

審査項目はものすごく多かった。面接自体は意外と短かくて、特に変わった質問をされることもなく、すんなり終わったが、そこから体力テストや健康診断があり、その他にもさまざまな審査があった。中には何を測っているのか全く分からないものもあった。

体力テスト

あまりに項目が多くてちゃんとは覚えていないが、平均台の上を歩いたり、反復横跳びをしたり、バランス感覚を測るテストをしたりと、結構ハードだった。それまでの面接ではあまり見かけなかったが、選考を通過してきた最終参考の候補者の中には、スポーツをバリバリやってきたような体育会系女子の割合が増えていたことに気が付き、少し意外だった。CAには体力や筋力も必要なようだ。

健康診断

1番大変なのは健康診断だった。いくら優秀でも健康診断で引っ掛かれば合格はできないのだ。
社員専用の検査をする施設であらゆる検査が行われた。こちらもかなり項目が多く専門的で、頭から爪先までくまなく調べられた。タンクトップにショートパンツ姿で、手足にあざや傷跡などがないかもチェックされ、採血まであった。

上空という特殊な環境に耐えられるか

CAの選考に合格するのが大変だという理由は、面接に突破しなくてはいけないのはもちろんのこと、その次に行われる健康診断にて、上空の環境で働ける体であると証明しなければいけないことだと思う。私はそれまで順調に進んできたが、この基準に達することができなかったのだ。体の特性は自分の力ではどうすることもできないこともあり、とても厳しい審査である。私は最終面接まで進むことができたものの、内定までには至らなかった。

機内で何かあった際に遠くまで見渡さなければいけないので、視力はコンタクトレンズをつけた状態でも良いので一定以上見えていなければいけない。また上空の気圧に耳が耐えられるか、気圧の変化に対して調整できるのかも重要だ。それに加えて健康上で心配なことがあれば、普段は問題なくても、上空の環境で悪化する可能性もあり、ちょっとしたことも大きく影響する。

こういった体質的な素養が私にはなかったようだ。普段、健康診断で心配することなどないのだが、この時は進むにつれて自信がなくなっていった。本気で通過したいのであれば、あらかじめ準備できていたことがあったかもしれないが。

おわりに

私はCAの選考にて、内定をもらうという目標は達成できなかったが、最終面接まで来れたことで自信が持てた。選考を通して、CAの生活を身近に垣間見ることができ、いっときの夢が見れた感じがした。普段できないような、就活生だからこそできる貴重な経験だった。
CAはやっぱり今も憧れの存在である。私は今後、お客さんとしてたくさん飛行機に乗りたいと思った。

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