AI時代のITエンジニアのキャリア
今、すでにAIでプログラムのソースコードを開発することは可能になっている。ChatGPTやGeminiに依頼すれば、簡単なソースコードは作ってくれる。もちろん、複雑なソースコードは無理だが、そのうち、できるようになるだろう。また、自分のソースコードをレビューしてもらうことも可能だ。ただし、機密性が確保されたAIでないと機密保持契約違反になるため、注意は必要だ。
このような時代においては、プログラムを作れるだけのエンジニアは不要だ。昨今は、BizDevOpsといって、ビジネスと開発、運用の全てを一体化する方針をとる企業も多い。ソースコードの開発だけではなく、ビジネスを理解し、そこからどのようなシステムの部品が必要か、また、運用設計を考えるか、など、多様な能力が必要になりつつある。ソースコードを一から考えるのは時代遅れだと思う。Githubを見に行けば、大量のソースコードを参考にすることも可能だ。自分のソースコードを転職のアピール材料にするエンジニアもいる。
また、コンテナ環境の利用や、CI/CDなども求められる。AWSを利用して、ソースコードのテストなども可能であり、AWSの知識もあったほうが良い。このような、ほとんど全ての技術に精通した人材をフルスタックエンジニアなどと呼ぶこともある。だが、そんなフルスタックエンジニアになれるのは、とてつもなくストイックな努力家か、天才だけだろう。普通の人はそこまでやる必要はないと思う。私にも絶対に不可能だ。能力の無い人材がフルスタックエンジニアを目指すなどと安易に言うと、失笑されることもある。
どこで差別化するか、だと思う。その差別化ポイントさえスキルを伸ばせば問題ない。例えば、リクルートなどは、昔は雑誌の出版がメインだったが、今は様々なWEBサイトを活かしたビジネスをしている。情報技術よりも、新規ビジネスのアイデアをシステムに落とし込むのが得意な人も多いだろう。
積極性・自発性も重要だ。人から指示されるのを待つ人材では、高く評価されることはない。JTCも、上意下達をやめて、年齢や性自認、人種民族に関係なく、優秀な人材の提案を高く評価し、受け入れるべきだ。
もしくは、セキュリティも差別化要素だ。セキュリティエンジニアはAIと並んで人手不足である。昨今は、東欧や新興国にも悪質なハッカー集団が増えており、身代金の要求などもある。高額な身代金(1億円以上)を払うよりは、年収1000万円のセキュリティエンジニアを採用するほうが安いだろう。万が一ハッキングされたら、会社の信用も失墜するだろう。