ハードボイルド系漫画・アニメの比較分析(ゴルゴ13、コブラ、ルパン三世、シティーハンター、マスターキートン)
純粋なハードボイルド系漫画は、ゴルゴ13だけかもしれない。他は、コミカルな要素や、主人公も正義を追求している。マスターキートンに至っては、学歴の高い学者でもある。ここでは、ハードボイルドをかなり広義にとらえて、ハードボイルド系の漫画・アニメの分析をしてみたい。
そもそもハードボイルドとは?
wikipediaの定義を借用する。
もともとは、小説などの文芸作品からハードボイルドは始まった。しかし、その後、漫画やアニメにも広がった。暴力や悪を、隠さず描写し、スリルなどが味わえる作品だと思う。私はハードボイルド系の小説はあまり読んでいないが、「テロリストのパラソル」などはそうかもしれない。東大を左翼活動のせいで中退した人物が、悪に走る物語だった気がする。
ハードボイルド系漫画・アニメの魅力
今はジェンダーフリーの時代であり、転生とか、ラブコメが人気なので、男くさいハードボイルドは時代遅れかもしれない。だが、私は好きだ。暴力などもいとわないプロフェッショナルが、どのようにミッションを遂行するのかが楽しいし、スリルがある。また、リアルと虚構の狭間が楽しい。実在する武器や兵器も出てくるが、虚構として現実離れしたアクションに驚かされる。
ゴルゴ13の魅力
ゴルゴ13は、暗殺のプロフェッショナルだ。依頼されたターゲットを暗殺しそこねたことは、確か1度しかない。ほぼ100パーセント相手を仕留める。どんなに不利な状況からでも相手を仕留める執念や、頭の良さが、うならされる面白さだ。大人のシーンも多いが、ゴルゴはほとんど心を持たない殺戮マシーンなので、恋愛感情は無さそうだ。また、ゴルゴの魅力は、「謎」である。ゴルゴの出自を解き明かす試みは何度もあったが、確信に迫ろうとした者はほとんど抹殺されている。
コブラの魅力
宇宙海賊であり、正義感が強い。未来的な宇宙の世界で、SF要素もあるので、ハードボイルドとSFの両方が楽しめる作品だろう。コブラはあまり詳しくないので、あまり書けない(許してw)
ルパン三世の魅力
ハードボイルドでありながら、恋愛・ラブコメ、コミカルな演出もあり、主人公たちには人間的な魅力がある。ルパン三世は大泥棒の悪党だが、無闇に人を殺さないとか、女性には甘いとか、エッチだとか、純粋なハードボイルドにはない、多様な魅力がある。銭形警部は「とっつぁん」と、愛嬌をもってコミカルに描かれるが、意外と男気があってカッコイイ。アメリカ大統領を脅すなど、かなり壮大なスケールの作品も多く、コブラほどではないがSF要素もある。峰不二子が裏切ったり、お色気シーンがあるのは毎度のことだったが、最近はコンプライアンスのせいで峰不二子のお色気は少ない(残念だ)。
シティーハンターの魅力
冴羽獠は、街に巣食う悪党を拳銃で始末する掃除屋だ。みていたのはかなり昔になるので、やはり忘れている部分が多いが、冴羽獠も正義感を持った人物だ。また、エッチなのはルパン三世と似ている。「もっこり」は御愛嬌だったが、やはり最近のコンプライアンスで厳しい。冴羽獠も拳銃のプロフェッショナルであり、悪との戦いはスリリングである。
マスターキートンの魅力
ハードボイルドと、考古学や歴史などの知的教養が融合した、希有な作品だ。私は大好きだった。主人公のキートンは、考古学者、保険の調査員、そして元イギリス特殊部隊の教官と、様々な顔を持つ。頭の良さと肉体的な強さはとてつもないレベルで両立している。そして、やはり正義感が強い。困った人は見捨てることができない優しい人物だ。彼には娘がおり、家族というテーマが含まれているのが、他のハードボイルド系とは一線を画している。ポロリと涙が出そうになる感動する話も多い。浦沢直樹氏の作品としては知名度は低いほうだが、ヤワラのようなスポーツ漫画だけでなく、このような作品も描ける浦沢直樹氏は、天才ではないかと思う。
ハードボイルドの多様化
ゴルゴ13は、純粋なハードボイルドだが、年代が経過すると、どんどん、多様な要素がつまった新しいハードボイルド系の漫画・アニメが増えてきた。最近はハードボイルド系は低調だが、新しい要素も含めて、若者にも魅力が伝わってほしいと思う。
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