見出し画像

Things will not remain the same

『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』がSNS(英語では普通social mediaという)系列で情報を得たのか急に売れているようです.いまはなんかAmazonの「英作文」部門で10位以内にいますが,それもすぐ終わってしまうのか,しばらく続いていくのかもわかりません.

いずれにせよ,ぼくは最近何もしていないので,ぼくが引き起こしたブームではないです.ひょっとしたら出版社のほうで販促をなさってくださったのかもしれませんし,ぼくが業界をよく知らないだけで「英作文」関連の参考書というのはこの時期に毎年売れるということなのかもしれません.

書き手としては,潜在読者であれ読者であれ,なにか伝えたいことがあるとしたら本に入れたつもりだし,いちおうフォロー記事も昔書いています(↓)し,関連するおまけの自作教材はこのnoteにすでに入っています.

だから,この記事では全然関係ないことを書きます.最近,この映画をはじめて観ました.

そう,「はじめて」.でも,ストーリーはある程度知っています.宗田理(そうだ・おさむ)の原作を読んでいたから.だから,原作とちょっと違うぞと思いました.主人公の英治(菊池健一郎が演じる)は確か純子という女の子とこのときは付き合っていて,ひとみ(宮沢りえが演じる)が彼の彼女になったのは続編以降だったような….あと,微妙なところの描写が浅い気がしました.でもねえ,映画化ってそんなものかもしれません.

でも,なんとなく当時の時代の雰囲気が伝わってきて,懐かしい感じはしました.いや,このころは日本は経済的には豊かだったんだな,なんて.でも,この当時に戻りたいか,っていったら違うと思う.だって誇張しているにせよ,ここで描かれている教員が中学生にやっている人権侵害やハラスメント,ちょっとあり得ないな,と感じます.

ただ,逆に日本のポップカルチャーが学校社会を権威・管理の象徴として自由を求める若者像を物語のテーマとして描く土壌がその時代にはあったけど,いまは(ほぼ)なくなったのが,良くなったかどうかはちょっと引っかかります.

学校だって会社だって権威があるとされている側が,権威がない側に良かれと思って何かを強制することは昔はあったし,いまもあると思います.そして,そのことを強制される側がプラスにとるかマイナスにとるか(ちなみに英語ではそれぞれpositive, negativeを使う)反応がブレるものも昔もいまも同じ.だけど,よほど酷い場合を除いては「親や先生に感謝しなさい」がどっちかというと外向けの発信としてはスタンダードで,若者による「革命」までいかなくても「権威への反発」(かならずしも政治的な左派の主張とは限らない)を前面にしたものはポップカルチャーにはなくなってきたな(でも,実は別にそれを残念がっているわけではないです)とこの古い映画を観て考えさせられました.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?