白玉緑地

のんびりすること、銭湯、純喫茶、歴史地図、あざらしが好きです。

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最近の記事

浅草ノスタルジア 両親との幸福な記憶

山田太一の「異人たちとの夏」を読んだ。 初版発行は1987年とかなり昔に出た話である。 妻子と離婚したばかりの40過ぎのシナリオライターの男と異人たちとの交流を描いた物語である。 ここでいう異人とは、死者のことだ。 独り身になり孤独な日々を送る男は、ある日浅草で両親と再会する。両親は男が12歳の時に交通事故で若くして亡くなっていた。だが、両親は若い時の姿のまま現れる。男は死別した筈の両親の住む浅草の路地裏にあるアパートに通い、心温まる団欒の一時を過ごすようになる。少年の頃

    • 父が倒れた日のこと

      父親と腹を割って話せないまま15年が経った。 決定的な決裂があった訳ではない。 15年前に父親が脳出血で倒れてしまったのだ。 当時、俺は中学3年生で、父親は42歳だった。 その日は冬のよく晴れた日だった。 授業を受けていた時、古文の先生が突然教室に入ってきて、俺の名前を読んだ。教室を出てから、わーっと矢継ぎ早に話をされた。咄嗟のことでよく事態が呑み込めなかった。普段は喋り方がゆっくりで、何を考えているのかよくわからない先生だったので、血相を変えて早口で喋る様子に、只事で

      • 中央線と人生のゆらぎ

        月曜朝の中央線は最低だ。 すし詰めの電車に人がどんどん詰め込まれる。 1週間の仕事のスタートを前に、乗客の顔はみな一様に暗い。車内にはどんよりと憂鬱な空気が立ち込める 武蔵境を出て、車内の息苦しさがピークに達するころ、三鷹駅手前の跨線橋の柵に書かれた落書きが一瞬目に入る。 "YOU ARE SO BLUE" 仕事に向かう通勤客を嘲り笑うようなその文字列を見ると、俺は思わず頬がふっとゆるんでしまう。 自分の心の内側を見事に言い当てられた感じがしたからだ。 休み終わりの

        • 可能性と限界の狭間で

          渡る世間は「夢」ばかり「人生には無限の可能性が広がっている」 「自分の目指す夢に向かって成長しよう」 これまでの人生で、自己実現を軸に「可能性」と「成長」の話を何回聞かされたことだろう。 学生の時には「将来の夢」を事あるごとに聞かれた。折に触れて「君たちの目の前には無限の可能性が広がっている」との話を語られた。 就職活動では、「ウチの会社でやりたいことは何か?」「10年後はどうなっていたいか?」と 色んな会社の面接で質問を受けた。 新卒で働き始めてからも状況は変わらず

        浅草ノスタルジア 両親との幸福な記憶

          メモで自分を見える化しよう📝

          メモの習慣を始めよう日常の出来事をメモする習慣を2年間続けています。方法は簡単で、その日の出来事を1つか2つ、 クラウドメモアプリに書き留めるだけです。 これは日記のようなものですが、気軽に続けていきたいので、「メモを書く」くらいの感覚でやっています。 メモを続けると、習慣化されていきます。 次第に「これもメモしよう」という場面が増え、1日に自分が書くメモの量も自然と増えていきます。 メリット:自分を見える化するメモを続けるうちに、思わぬメリットが見えてきました。それは

          メモで自分を見える化しよう📝