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気候変動による台風災害リスクの増大

温暖化に関係した台風強大化の記事、結構、反響がありました。問い合わせもあったので、2019年の気象データも加えた最新の分析結果を紹介します。

日本の平均気温の推移をみると、1990年代以前と以後で気温が全く異なるので、1990年で区切って台風の接近回数と接近時気圧の変化を検証してみました。

台風の年平均接近回数の変化 1989年以前と1990年以後

1989年以前(左図)と1990年以後(右図)の台風の年平均接近回数を示しています。日本の太平洋岸は緑色から黄色に変化しており、特に関東地方は、台風の年平均接近回数が1回以下から1.7回程度まで増加していることがわかります。

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そして、1990年代以前と以後以上の台風データから、台風の年平均接近回数の変化(%)を計算してみました。下の地図を見てください。東日本太平洋側は、1989年以前と比較して、最近は年平均で70%も接近する台風数が増えています。
近年、東日本が、大規模な台風被害を受けつつあることがわかります。

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台風勢力の変化 1989年以前と1990年以後

次に、台風の勢力(気圧)を検証しました。気圧は、半径150㎞圏内に台風中心が入った時の気圧とし、年ごとの接近時最低気圧を記録した台風のデータを抽出しました。1989年以前(左図)と1990年以後(右図)の台風の勢力を見ると、特に沖縄本島に接近する台風の勢力が、八重山地方とほぼ同じになっています。近年、台風が強大化していることがわかります。

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以上の1989年以前(左図)と1990年以後(右図)の結果をもとにして、台風接近時中心気圧の変化(hPa)を計算したのが下の地図です。1989年以前と比較して、沖縄の台風が強大化していることが明らかです。近年15hPaも、台風の勢力が強大化しています。

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台風襲来の緯度勾配 1950年から2010年代までのトレンド

最後に、以上の地図化した台風のトレンドを、緯度バンドごとに見てみましょう。

台風の年平均接近回数の緯度勾配を10年区切りで検証したのが、以下のグラフです。1980年代は、全国的に接近した台風が非常に少なく、2010年代は、北緯36度以北で接近数がかなり増えていることがわかります。

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さらに、台風接近時の中心気圧(hPa)の緯度勾配も、10年区切りで見てみました。南西諸島では、1990年代以後に接近時の中心気圧が非常に低下していること、つまり近年の台風が強大化していることがわかります。

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これらの分析結果から、近年、台風が強大化して日本の高緯度地域にまで台風が襲来することが、普通になりつつあります。気候変動による台風災害のリスクを、真剣に考えるべきでしょう


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