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日本全土の樹木種の個体数:約1200種で約210億本!

生物の個体数を把握することは、生物多様性の起源と維持の仕組みを理解する上で基本的なことです。また、生物多様性の保全計画でも、種個体数は必須の情報です。

しかし、野生生物の個体数を数え上げることは、実際には(一般の人々が想像する以上に)とても難しいのです。

私たち生態学研究者にできることは、ある調査区を設置して、調査区内の個体数を数え上げることくらいでした。まして、日本全土にわたって生物種の個体数の全貌を把握するなんて、不可能でした。

今回、私たちの研究グループでは、植物の分布に関わるあらゆる情報(植物の標本記録、植物観察の記録、植生調査データなど)を生物多様性ビッグデータとしてまとめ上げて、様々な種類の樹木の絶対個体数を推定することに成功しました。

その結果、日本全土の自然林には、約1200種の樹木種が約210億本あることを明らかにしました。以下の地図が、樹木の個体数(abundance)の地図です。赤色ほど樹木数の多い地域です。

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樹木の種数(species richness)の地図は、以下のようになりました。赤色ほど樹木の種類数の多い地域です。

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樹木の種類ごとの個体数も地図化できました。

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樹木種の個体数は、生物多様性地図化プロジェクトのサイトの種の個体数チャンネルでも閲覧できます

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ちなみに、日本で個体数の多い樹木種トップ10は、以下のようになりました。

1位)ヒサカキ
2位)イタヤカエデ
3位)ヤマウルシ
4位)クロモジ
5位)ミズナラ
6位)イヌツゲ
7位)リョウブ
8位)テイカカズラ
9位)アオキ
10位)コシアブラ

このように、国全体にわたって生物種の個体数を把握できると、基礎科学的にブレークスルーとなり、また、生物多様性の保全政策など社会的な貢献も期待されます。

生物多様性科学でのブレークスルーの可能性については、以下の研究ブログや動画にまとめてます。

生物多様性の保全政策への貢献は、以下記事をご覧ください。

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