認知症介護日記50 「諦め、嬉しい気持ち」

7月27日、この日の僕は悲しい気持ちと嬉しい気持ちの両方を同時に感じる出来事が2つあった。

1つ目は、2019年の8月から2020年の2月までインターンとしてセブ島の語学学校で働いていた時のインターン仲間、Yさんから「9月の中旬に仲良かったメンバーで会いたいと考えているんだけど、どうかな?」というメッセージがきたことについてである。結論から言うと、僕はこの誘いを「介護」を理由に断ってしまった。

当時仲良かったメンバーは東から順に東京、愛知、奈良、山口、沖縄に住んでいるので、それぞれと会おうとすれば時間やお金がとんでもなくかかってしまう。そんなメンバーたちとわずか1度の機会で会えるとなると、なんて最高なんだと思った。もし集合するなら、ちょうど真ん中に位置する大阪あたりだろうか?と想像を膨らませればするほど、悲しい気持ちになってしまう。

「また諦めてしまった」と、心の中で言った後すぐ、Yさんから返信がきた。
介護を理由に参加できないことを悲しむ内容の後に一言「頑張れ!!」と書いてある。さらには参加できないのなら、自分だけでもオンラインで参加することを提案してくれたのだ。

6ヶ月のインターン期間でYさんと働いたのは3ヶ月だったが、僕のことをここまで気にかけてくれていると思うと、それまでブルーだった気持ちが一転嬉しい気持ちになった。

2つ目は、父と祖母が留守だった時に母親と電話をしたことについて。
昨夜、僕は母に7月29日に泊まっていいか、母に電話で確認することにした。
7月が終わりかけているのに、今月は1度も母親の家に泊まっていないことに気づいたのだ。

勝手に泊まる気になり、泊まるのならショートの予約をしないといけないとウキウキしていたが、母親から一言「その日は予定があるの、ごめんね。」と言われた。

次の土曜日に泊まってもいいか、というあまりにも急すぎるお願いをダメ元で聞いたので、僕の精神的ダメージはほぼなかった。

「急すぎだよね、わかった。声が聞けて良かった。」と母の性格が長電話を好まないタイプだとわかっていたので、電話を切ろうとしていたが、急に母自身の身の上話が始まったのだ。そして今度は僕に介護は大丈夫か、介護に理解がある仕事は見つかったか、など1人息子である僕を心配してくれていることがわかった。
母との電話は約30分も続いた。





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