「はじまりはじまり夏木マリを本人まで届けたい」最先端ダジャレ漫才師・じぐざぐ
「お疲れチャン・グンソク」「お疲れちゃんこダイニング若」「楽しい漫才のはじまりはじまり夏木マリ」といったダジャレを次々と繰り出し、ボケ・ジャンプの異様な雰囲気が見るものに強いインパクトを与える『じぐざぐ』。
先日は『ヒルナンデス!』に生出演し、ネクストブレイクが期待されています。まだまだ謎めいた部分が多いじぐざぐに『東京で考え中』が聞いてきました。
アンタッチャブル柴田、カズレーザーが推すダジャレ漫才
立川:この取材するにあたってじぐざぐさんが出演していた2014年発売の『アンタッチャブル柴田の「ワロタwwww」』というライブDVDを見返しました。その収録の観覧にたまたま行っていたのもあってじぐざぐさんを覚えていたんです。
阿部:ありがたいですね。
ジャンプ:めちゃくちゃ前ですね。まだ衣装でグラサンしていない頃かな。ジャケットも違ったかな。
立川:今の青のロングコートではなかったですね。そのライブDVDのMCがアンタッチャブルの柴田さんで、柴田さんがネタ終わりに「こいつら売れる!」と言っていたのが印象的でした。
ジャンプ:その時は「爆進ダジャレ王」ってキャッチフレーズですね。柴田さん、会う時は良くしてくれたりします。
立川:この時からダジャレ芸をやってたんですね。
ジャンプ:著名な芸人さんが以前から僕らのことをおもしろいって言ってくれてたんですよ。Aマッソさんが金属バットさんやゆにばーすが出るトークライブに呼んでくれたりして、そこでゆにばーすが同期って分かってから川瀬君とは仲良くなりました。
立川:メイプル超合金のカズレーザーさんもじぐざぐさんを推してますよね。
ジャンプ:昔からちょいちょいライブかぶっていてその頃から「おもしろい」って言ってくれてたんです。そういった同業者の先輩は前からおもしろいって言ってくれてたんですけど、去年のM-1前後くらいからやっとお笑いファンからもおもしろいって言われるようになりました。
阿部:何か大きく変わった訳じゃないんですけどね。
ジャンプ:今芸歴9年目ですけど、ダジャレ漫才自体は3年目くらいからやり出して、それまでは『科学漫才』っていうのをやってました。
立川:阿部さんのプロフィールの欄に『ブラックホールについて話せる』と書いてありますけど、それを活かしてたんですね。
阿部:どちらかというと僕がボケでした。なんか説明も多いし、想像もしづらいし、尺だけ食って全然ウケないみたいなネタでした。
ジャンプ:『金星で女子寮を作りたい』というネタを作ったんですけど、僕が図書館に行って科学の本とかめちゃくちゃ読み込んでそれをネタに反映させてたんですよ。阿部が全然勉強好きじゃないんです(笑)作っていて本当に楽しくなかったです(笑)
その合間でお遊びで作ったダジャレ多めのネタをしてたら周りの芸人たちがこっちの方がいいよって言ってくれて徐々にダジャレ漫才に変えていきました。
立川:なるほど。当時は『ジャンプ』という芸名ではなかったですか?
ジャンプ:高校の時のあだ名が『ジャンプ』だったのでそれをそのまま芸名にしました。あだ名をつけたがる友達がいたんですけど、『牛乳』か『ジャンプ』ってあだ名だったらどっちがいい?選ばせてやるって言われて消去法で『ジャンプ』にしました。
立川:ダジャレはジャンプさんが考えているんですか?
ジャンプ:はい、ノートに日々書きとめてますね。親父ギャグみたいなものではなく、いいものを作りたいんですよね。『売り子・F・売り雄』や『源のズッ友』みたいなのに中々たどり着かないんですよ。僕の勝手な理論なんですけど『ちょいブスダジャレ』が一番いいかなって思うんですよ。
立川:ちょいブスダジャレというのは?
ジャンプ:聞いていてちょっと不格好だけど、耳に残るダジャレが一番おもしろいのかなって思います。上手すぎるとお客さんがなるほど〜!って感心の方にいってしまうので。
立川:ちなみにトンツカタンの森本さんから情報頂いてるんですけど、ジャンプさんはダジャレを言うことを『ダジャレを打つ』と言っているって聞きました(笑)
ジャンプ:ドラゴンボールのエネルギー弾みたいなニュアンスです(笑)ダジャ連打です。
立川:ダジャ連打(笑)『ダジャレを打つ』というワードはいいので今後も言っていった方がいいなと思いました。
「はじまりはじまり夏木マリ」のフレーズが夏木マリに届いて欲しい
立川:昨年のM-1グランプリでは初めて準々決勝まで進出しましたがこれまでとネタの作り方を変えたりはしましたか?
ジャンプ:ネタの構成に関しては阿部君の方が理解してるんで信用してます。いつもは阿部君がツッコミなので話題が逸れたら彼が軌道修正をしてくれてたんですけど、去年のM-1の3回戦の直前に「ジャンプさんが戻した方がいい」と言ってくれて、それで挑んだらちゃんと笑いが取れて3回戦を突破できました。
よく、阿部の方がスゴいと褒める人が多いです。テレビの収録でも阿部の方だけをスタッフさんが褒めたりもあります。
立川:確かに制作側の人や玄人の人は阿部さんの方を深掘りしたくなる気はしますね。
ジャンプ:3年くらい前は僕一人が売れたらいいって思ってた時期があったんですよ。僕一人がAマッソさんにライブ呼ばれたり、『ノーセンスユニークボケ王決定戦』というライブに呼ばれたりして一人でも笑いを取れるなって思ってて。
去年くらいから阿部がダジャレを言う場面があって、そうする事によってネタの幅が広がったのでやっと去年からコンビで売れたいなって思うようになりました(笑)
阿部:仲が悪かったって訳じゃないんですけど、ジャンプさんはズボラなので絶対に家には入れたくないですね(笑)そこが本当に好きじゃなくて。楽屋のメイクができる台みたいな所に平気で座ったり、靴をそのまま置いたりするんです。
ジャンプ:飲みかけの缶コーヒーをそのままかばんの中に入れて中がコーヒーまみれになるのがたまにあります(笑)
立川:阿部さんから見て特にズボラで嫌だなって思ったことはありますか?
阿部:これどうなん?と思ったのはマセキのライブに勝手に自分でオファーしにいくってのがありましたね。
ジャンプさんが、一回マセキのライブを見に行ってから現場にいたマネージャーさんに僕らの出演を交渉するというのがあってその時は出させてもらったんですけど、
その後に味を占めたのか、見学もせず別のマセキが主催のライブの場当たり終わりにふらっと行って「出させてください」と交渉しに行った時には「あっコイツ本当にヤベエ奴だ!」って思いました。
ジャンプ:それはちょっとM-1前の時期だったので調整したかったんです笑 味を占めたのは事実です。
立川:変な噂流れかねないですからね。じぐざくというコンビ名の由来は?
ジャンプ:養成所でコンビ組んだ時にとりあえずお試しのコンビ名付けようってなって、『じぐざぐ』と『じぐざぐエンピツ』かで悩んでいてひとまず『じぐざぐ』にしました。
一年後にジグザグジギーさんの存在を知って驚きました。
親が厳しくてあまりテレビを見させてもらえない家庭で、唯一見せてくれたのが『世界まる見え!テレビ特捜部』だったんですけど、その番組にジグザグジギーさん出てなかったので笑
立川:お笑いに疎かったんですね。では、ジャンプさんが言うダジャレの中でそれぞれが好きなダジャレはありますか?
ジャンプ:全然言う機会がないですけど『出し切りもえ』(押切もえのモジり)が好きです。例えばM-1の決勝でネタ終わりのコメントを求められた時に「出し切りましたねー。出し切りもえです。」とか言いたいです笑
ツイッター上ではゆにばーすの川瀬君やオズワルドの伊藤君にリプライとしては使ってます。
阿部:僕は『斜潤』(要潤のモジり)が好きです。
立川:固有名詞の人名を言っていくのいいと思います。馬鹿よ貴方はさんが要潤を連呼するネタがあってそれに対してご本人が反応してましたし。
ジャンプ:それこそネタの初めに『楽しい漫才のはじまり、はじまり夏木マリ』と言っているので夏木マリさんに届けと思っています。『ヒルナンデス』に出演した時にジャニーズのグループ名のダジャレを沢山言ったんですよ。『おしまいフットツー』とか。
それでジャニーズのファンの方がツイッター上で反応してくれる事が多くてリプライも頂きました。「今度Snow ManがデビューするんでSnow Manでもダジャレ作って下さい」というのにはいい返しが思い浮かばず、『ありがタッキー&翼』って返信しました(笑)
ダジャレの総数は数百個!ただ、勝負所で使えるのは●●個
立川:ジャンプさんから見て阿部さんのヤバい部分ってありますか?
ジャンプ:阿部君は食生活が偏っていてハマったものを永遠に食い続けるんですよ。みかんに一時期ハマったらしく、ずっとみかんだけ食べていたそうです。
立川:三食ともみかん?
ジャンプ:三食です。「みかんだけでいける」って言い出して体大丈夫なのかなって思いました。一時期たこ焼きにもハマったらしく、近所のスーパーに大量に粉を買いに行ったらスーパーの店員から『粉屋のお兄さん』ってあだ名を付けられてました。あと、父親にまだお笑いやっているって言ってないらしいです。
立川:でも、もうバレそうじゃないですか。
阿部:ヒルナンデスは見てないかなって不安はありましたね。でも、言うタイミングがもうないかなって思っていて。何回かチャレンジはしてるんですけど。
ジャンプ:うちは最初は反対されましたが、今は応援してくれてます。僕の母親が親族の皆にヒルナンデス出演の事を言ってくれました。ただ母親は一緒に出ていたドドんさんが面白かったようですが笑
立川:阿部さんの母親はお笑いやってる事を知ってるんですか?
阿部:スクールJCAに入る時の願書を書く為に母親には言いました。どうやら母親も父親には言ってないみたいです。
ジャンプ:それはスゴいなぁ。隠し事ができないからな、こっちは。今、母と2人暮らしで父親が既に亡くなってるんですけど、死に方がすべらない話みたいでして。
阿部:そんな話し始めある?(笑)
ジャンプ:僕的にはこの話全然大丈夫なんですけど(笑)ある時、父親が行方不明になって、結果的に江戸川に落ちてしまって亡くなったんです。それで1ヶ月後に警察から連絡があって、水死体を既に燃やしてしまってしまっているので写真の確認でいいですかと言われたんですけど、水死体って体自体が膨れてしまっているんですよ。
それでお父さんかどうか分からないなって思ったんですけど、ジーパンを履いていたのもあって下半身は大体無事だったんです。それでチンチンはそのままだったんです。
このチンチンを見て僕は親父かどうか断定できなかったんですけど、横にいた母親を見たらしくしく泣きながら「間違いない」って言ってましたね。(笑)
阿部:書けそうですかね、これ(笑)
立川:か、活字でしたら(笑)舞台上でこの話はしたことありますか?
ジャンプ:いや、見え方的にどうかなって思ってしたことないです。ただ、周りの芸人さんがこの話を面白がってくれてはいます。この間岡野陽一さんから電話で飲みの誘いがあって、一緒に飲んでたトム・ブラウン布川さんにこの話を電話越しでしたらめちゃくちゃウケてはくれました。(笑)
立川:今後、どこかの舞台かテレビで披露される事を待ち望んでます(笑)
まだやったことがない仕事でこんな仕事をしてみたいということはありますか?
ジャンプ:『モヤさま』みたいな街ブラ番組が二人とも好きなのでやってみたいですね。昔、日暮里で街ブラのシュミレーションしたことあります。
阿部:ネタ作るのから逃げたくてやった覚えあります。
ジャンプ:ご婦人向けの社交ダンスの服が売っている店に入って、色々話していたんですけどなぜか『青い数珠』を買わされましたね。(笑)いらねーって思ったんですけど買った方がいいと思って買いました。
立川:今後、仕事していくにあたって会ってみたい方はいらっしゃいますか?
ジャンプ:女優の伊藤沙莉さんですね。オズワルドの伊藤君がお兄ちゃんなので、会うたびに「伊藤沙莉さんによろしく伝えといてね」とは言うんですよ。『映像研には手を出すな』というNHKでやっているアニメもおもしろいですし、今一番会いたい人ですね。
あと全然会った事はあるんですけどオジンオズボーンの篠宮さんはダジャレ漫才をやっている僕としては崇めてますね。『THE MANZAI』で漫才見た時に「こういうスタイルでも認められるんだな」と思いましたし、僕らのM-1の3回戦の動画を篠宮さんが見てくれて『ダジャレ漫才の最先端だ』とツイッター上で褒めてくれて、それをバイトの休憩中に見てめちゃくちゃ泣きました。
阿部:僕が会ってみたいというよりかは、さんまさんとジャンプさんを会わせたらどうなるんだろうなとは思います。
ジャンプ:この間、年末の番組でビートたけしさんには会ったんですよ。でも、思った以上に緊張はしなかったんです。『世界まる見え』ずっと見てたのに。もしかしたら、たけしさんの横に所ジョージさんと楠田枝里子さんがいたらより緊張したかもしれません(笑)
阿部:僕は『きらきらひかる』ってドラマが好きだったので鈴木京香さんに会ってみたいですね。
立川:今後の活動で特に力を入れたいことは何ですか?
ジャンプ:人とは違った事と言いますか、面白そうな活動をしているってのが広まっていって欲しいですね。大阪でのライブにこの間初めて呼ばれたの嬉しかったです。経験値が上がるような仕事はどんどんやっていきたいですね。経験値を上げてく作業を頑張っていきたいです。そして伊藤沙莉さんに会いたいです(笑)
阿部:変なことやってんなって感じてくれる人が増えて欲しいですね。
最後に、ジャンプさんが日々思いついたダジャレを書きとめてる
ネタ帳を見せてもらいました!!
ジャンプ:ノートに書いてあるのを入れると200〜300はあるんですけど、勝負所で使えるのは10個くらいですかね。ノートを見返すと『コーディネートはこーでねーと』って書いてあったりもします(笑)
立川:普通に聞いた事があるやつですよね(笑)
阿部:字汚いな!!しかも、全部赤いペンで文字書いてあるから怖いんですよ(笑)
立川:確かにネタ帳からもズボラなのが伺えます(笑)と言う訳でインタビューこの辺りで締めさせていただきます。
ジャンプ:ありがとうございます。お疲れチャン・グンソクでございました。全然ダジャレ入れる暇なかった。真面目だなぁ(笑)
【じぐざぐプロフィール】
プロダクション人力舎所属のツッコミ・阿部、ボケ・ジャンプのコンビ。2010年にスクールJCAの同期として出会い結成。ジャンプの独特なキャラクターとダジャレを活かした漫才を主に行う。M-1グランプリ2019では初めて準々決勝まで進出。『ヒルナンデス!』や『有田ジェネレーション』といった番組に出演し、ブレイクが期待されている。2月のライブスケジュールはジャンプのツイッターをチェック!
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