私
目を開いた瞬間、発光する世界へ投げ出される
人の眼差し、唇の動き、指先の微動
気がついてしまう剥き出しの神経
高感度
仕舞えない神経
気を利かせることだけが容易い
映画
鑑賞30分後、ディナーを楽しむ大人達
色彩と音響、30日間乱心する私
足元を歩く鳩に幸せでいてほしいと願う
寒い夜、目に入った野草に寄り添っていたい
余裕で気まぐれな綺麗事、だったら良かった
私の神経は扱えない精密さを誇り
使えなければきっと高燃費な欠陥品と呼ばれる
見えるものはどうしても見えて
どこにいても避けられない、
打ち寄せる生の波をひたすらに浴び続ける
私は
私が生きる世界を見てほしい
三原色よりも色鮮やかに写る視界を
目の奥が痛むほどに感じてほしい
精一杯生きている私を許してほしい
そして叶うならば認めてほしい
花代