見出し画像

菅付雅信さんによる公開講座....大好評でした!!

2022年11月1日から11月30日までチ・カ・ホをはじめとする、札幌の街中で開催されたさっぽろアートステージ2022。シンクスクール編集部も例年に引き続き参加いたしました!

「出張シンクスクール」と題して、まちづくり×アートを楽しく学ぶ入門講座「Think School」に関わる3つのプログラムを展開しました。
(詳細こちらhttp://s-artstage.com/2022/artstreet/

シンクスクール編集部はそのうちのひとつ、テラス計画にて開催された公開講座「考えるレクチャー第2弾クリエイティブにはどうやってなれるの?」を企画しました!

さっぽろアートステージ全体のテーマは「アートの入り口」です。

”シンク編集部の私たちが大人になった今だからこそ学びたいこと × アートの入り口”をテーマに公開講座の企画をしました。

今回は、「仕事場で自分の意見と反対意見を持つ人が現れたとき、なんだか人格まで否定されているように感じ萎縮してしまう... 」という部員の一言からコミュニケーションにおける考え方・捉え方を再構築するために、編集者であり、渋谷パルコで「東京芸術中学」を主宰する菅付雅信さんをお招きし、大人のコミュニケーションにおけるヒントがたくさん詰まったアート思考についてのレクチャーをお願いしました!

まずは菅付さんの自己紹介からスタート。
菅付さんはいくつかの出版社をご経験されたあと、25歳で独立。
28歳のときに”composit"というMacBookAirよりも重たい…! A3サイズの雑誌を限定1万部自費で出版しました。

採算の取れない雑誌であることを覚悟の上、出版した雑誌ですが、このときたくさんのアートディレクターや写真家と出会うことができ、菅付さんの雑誌人生が次のフェーズに入っていきました。

その後、ぴあ刊行の"Invitation"という雑誌の編集長に就任、自費出版の雑誌と大きな会社の月刊誌、両方の編集長を同時期に務めることとなります。

それぞれのメリット、デメリット強く感じながら雑誌を作っていくなかで、面白い企画や編集の仕組みをトライしてみるものの、雑誌ビジネスとしては失敗することもたくさんご経験されているそうです。

編集部員・石田さんの名司会っぷりに部員一同大絶賛!ありがとうございます!
講義受講中、真剣にメモをとる姿や好評のお声をいただき、とてもうれしかったです…

そのようなご経験からご自身が出版の仕事において大切だと思っていることを教えてくださいました。

新しい才能を常に発見すること

写真家・ライター・スタイリスト・音楽家などいろんな出会いがある中でも画家のエリザベス・ペイトンの世界初の画集出版について貴重な制作秘話をお話しくださいました。

また、出版物以外にも広告、ウェブ、音楽マネジメント、イベント、都市計画など幅広い分野でまた、グローバルにご活躍されている菅付さん。
どの仕事においても、国やジャンルを超える人々と編集することを大切にしているそう。

ここまで菅付さんの自己紹介をお伺いしたところで、編集という概念が広がってきたことに気がつきました。

これまで私にとっての編集は「たくさんの情報を本やウェブなどの媒体に掲載するために整理すること」を主に指していましたが、その中で最も大切な編集の核は興味関心を探求し、「新たなものの発見やかけ合わせを生み出す」ということを菅付さんの人生を通してじわりじわり…と腹の底に落ちていくのを感じました。

レクチャー後半はものを作る上での最大のテーマである「美しさ」「創造する」ことについて美術・建築・音楽・詩などのジャンルをまたぐ例を見ながらレクチャーいただき、人間が人間としての生きるためのアイデンティティの重きを経済ではなく、文化に置くことが大切であるとお話しくださいました。

本講義の最後は会場の皆さまからいただいた質問に答えていただきました。

シンクスクール編集部は今後も編集部員の「学びたい!」や「おもしろい人に話を聞きたい!」といった興味関心を掘り下げるための講座企画やインタビューをしていきます。みなさんにとってもためになる企画がきっとあるはずですので、ぜひ、今後の活動にご期待ください!

最後に身震いするほど感動した菅付さんの印象的な本講座のまとめを掲載させていただきます。

お越しいただいた皆さま、満員のためにお越しいただけなかった方々やご都合が合わなかった皆さま誠にありがとうございました。また企画しますのでぜひ次回もよろしくお願いいたします!

|クリエイティブになる最も有効な方法とは?

今まで数え切れないほど多くのクリエイターと出会ってきて、一番普遍的な方法は「その人のアウトプットの質と量は、インプットの質と量が決まる」ということです。

編集力を使って、世の中を、自分の人生をよりよく編集し、作品化していくことが21世紀の大編集時代において経済よりも文化が重要な時代を生きる上で大切なことだと思います。


ー菅付雅信 Masanobu Sugatsukeー

編集者/株式会社グーテンベルクオーケストラ代表取締役。1964年宮崎県生まれ。『コンポジット』『インビテーション』『エココロ』の編集長を務め、現在は編集・執筆から、コンサルティングを手がける。著書に『はじめての編集』『物欲なき世界』等。またアートブック出版社ユナイテッドヴァガボンズの代表も務める。下北沢B&Bで「編集スパルタ塾」、渋谷パルコで「東京芸術中学」を主宰。東北芸術工科大学教授。NYADC賞銀賞、D&AD賞受賞。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?