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「アメリカ感」ってなんだ

今回は完全に個人的趣味の話なので、皆様の参考にはならないかもしれません。個人的な趣味を追求できるのも注文住宅のいいところだね、というのが伝われば幸いです。

アメリカと私

最初に書いたとおり、私の家へのこだわりが生まれたきっかけは中学生の頃におとずれた友人宅が素敵だと思ったことです。

ちょうどそのころ、生まれてはじめて日本の外へ出る経験がありました。
出張する叔父に連れられて中学一年生の時に訪れたアメリカです。
アメリカ旅行で日本と異なる様々なもの・ことを見聞きしてすっかり楽しくなった私は、それからもアメリカ的なるものを求め続けました。

中学二年生になった翌年から高校二年生になるまでの4年間は毎年、両親に頼んでホームステイ・プログラムに参加させてもらい、生のアメリカを感じる機会を得ました。NHK 教育で繰り返し放送していた「フルハウス」というシットコムにはまり、英語音声のみで視聴しました。アメリカ製の映画やドラマに出てくる細かいディテールに目を配り、その「非日本的」な感覚に憧れを抱きました。

つまり、家についてよく考えるようになった時期とアメリカに憧れるようになった時期がぴったり重なっているわけです。当然アメリカ的な家に憧れるようになります。

私の取り入れた「アメリカ感」

「アメリカ的な家」というのは、どういう家のことでしょう。

「アメリカン インテリア」などのワードで画像検索すると、ダイナーっぽい派手でポップな写真がたくさん出きます。よく「アメリカンテイスト」と紹介されるインテリアはこういうものが多いですが、私はそこを目指したいわけではありません。
私が目指しているのは前述の経緯で私の中に醸成された、あくまで私の感じるアメリカっぽさ。具体的には以下のような要素を新居に取り入れる予定です。

広くて庭がある

身も蓋もありませんが、アメリカの家はとにかく広いです。日本の感覚からするとびっくりするくらい。今のアメリカでは逆に小さい家がブームらしいですが、当時の私にとっては「とくに超リッチというわけでもない家でもものすごく広い」ということが衝撃でした。
今回の新居は、予算に収まるぎりぎりまで広い土地を1年間探して確保しました。庭は最終的にあきらめざるをえませんでしたが、代わりにウッドデッキ用のスペースを確保し、更にその中で「広さ感」を出す工夫をいくつもしています。

食器洗い機

以前に「家事を楽にしたい」という理由で食洗機導入の話をしました。

ですが、実は食洗機は私が初めてアメリカへ行った際に大変カルチャーショックを受けたもののうちのひとつでもあります。
当時は1993年、日本ではまだほとんど食洗機を見かけることはなかったと思いますが、私がステイすることになった家(ごく普通の標準的な家だったと思います)には超強力な食洗機があり、こういうのがあるアメリカってすごいなと驚いた記憶があります。

オープンキッチン

私が当時ステイさせてもらったアメリカの家は、ほぼすべてのキッチンがアイランド型、もしくはペニンシュラ型(対面型)のキッチンでした。
当時の我が家も(くだんの父の好みだったのだと思いますが)改装の末ペニンシュラに近いかたちにはなっていましたが、それを見て逆に「俺ならもっとこうするのに」と考える日々でした。
今回の家はかなり広いアイランド型のキッチン……の予定だったのですが、予算の都合でアイランド部分は後から施工することになってしまい、ひとまずはかなり広いウォール型のキッチンということになっています。

スイッチ、窓

これもアメリカの家で過ごして気がついたところですが、標準的な電気のスイッチが日本のものと異なりました。
当時の日本で一般的だったのは片側に黒い目印がついた押し込むかたちのスイッチ(今でも多く目にしますね)、そしてアメリカでよく見たのは上下に切り替えるタイプのスイッチです。こちらは昨今のリノベーションでも人気が高く、「アメリカンスイッチ」で検索すると多数出てきます。

また、今回あらためて参考写真を集めていて気がついたのですが、アメリカの家の窓で一番多く見るのは「片上げ下げ窓」という方式のもので、日本で主流の「引き違い窓」とは異なり上下に開閉するタイプのものでした。こういった細部が異なることで全体的な雰囲気が変わってくるのだな、と感心しました。

取り入れないという判断も大事

さて、主に以上のような要素を取り入れて「私の中のアメリカ感」に近づけようと試みているわけですが、これを手当たり次第にやってしまうと、以前に紹介したムードボードから離れていってしまい、最終的に全体のまとまりがない家になってしまうと感じました。

このため、「アメリカ感を感じつつもあえて取り入れなかった要素」というのがいくつかあります。

一番わかりやすい例は「板チョコみたいな扉」ですね。
高級感のあるモールディングが施された板チョコのようなドアをアメリカの家ではよく見ます。これを採用することでアメリカ感はかなり出ると思ったのでかなり迷いましたが、最終的にはシンプルさを優先して不採用としました。

また、ブルックリン・スタイルと呼ばれるレンガやアンティーク風の家具を多用したインテリアも個人的にはかなり好みで、海外ドラマなどでもよく目にする雰囲気なのでアメリカ感も感じたのですが、最終的にはごく一部分のみにテイストを取り入れるにとどめました。
こちらは以前にもお話したインテリア・コーディネーターの方「使い込んだものには使い込んだものの、新品には新品の魅力がある」という話をされていたのが印象に残っていたためです。リノベーションと新築どちらを選ぶべきかと相談した際におっしゃっていた言葉でした。
今回は新築なので、ブルックリン・スタイルのような使い込み感を最初から求めてしまうと逆に偽物感が出るというか、魅力のないインテリアになってしまうと考えました。

まとめ

いろいろ話してきましたが、こういった個人的好みと全体の雰囲気を整える大方針を元にプランニングを頑張ってきた結論としては「最終的にどう見えるかは建ってみないとわからない」というところです。
私のバランス感覚が吉と出るか凶と出るか?

来週からは、いよいよ新居の基礎工事が始まります。

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