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生きる意味がわからない方へ。お仏壇やお墓参りから生きる意味を考えよう

先日から「生きる意味」について考えています。

「生きる意味」を見いだしてしていくことについて、前回までにお話したのは大きく2点です。

1点は、人生の有限性(人のいのちには終わりがあること)を意識して、「自分が本当にしたいことは何か」と考え続け、「生きる意味」を主体的に見いだしていくことです。

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もう1点は、ここまでいのちが紡がれてきたことや、多くのご恩があったという受動的な面から、「生きる意味」を見いだしていくことです。恩返しや恩送りの人生を送ることが「生きる意味」ともなります。そして、自分の存在を喜び、必要としてくれる人がいること自体も「生きる意味」ともなります。

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このように、「生きがい、やりがい」を通じて「生きる意味」を見いだしていく主体的なアプローチと、「いただいたいのち」の中でご縁やご恩を感じていくという受動的なアプローチによって、「生きる意味」について考えてみました。


ですが、「生きる意味」というと、やっぱり難しいし、「生きる意味が分からない、見つからない」というご意見もあるかと思います。

それほど「何のために生きているのか?」という「生きる意味」についての問いは、壮大なものであり、すぐに見いだせないのも全くおかしなことではありません。


私が偉そうにいうことでもありませんが、「生きる意味」とは、生涯の中で、色々な経験や時間をかけながら、気付かされ、見いだされていくものだと思います。


しかし、それだと何もできないように感じられたり、またあまりに長期スパンで、モヤモヤする方もおられることかと思います。

ですので、「生きる意味」を見いだしやすくなる方法を、今回はご紹介したいと思います。


結論をいうと、「生きる意味」については、「考える場」と「共に歩む仲間」がある(いる)と、見いだしやすくなると思います。


今回は特に「考える場」に注目して、お仏壇やお墓を「生きる意味」について考えるおすすめの場所としてご紹介をしたいと思います。


お仏壇やお墓は、仏教的な意味もありますが、実はそれだけでなく、人間としての営みに関わるようなものとしての意味があります。

先だっていかれた大切な方へ手を合わせる場でありつつ、自分のルーツや自分が育まれてきたことなど、自らの生き方や存在について意識が向いていく場でもあります。ですので、「生きる意味」について「考える場」として、とてもいい場所だと思います。

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お寺や僧侶の経験から感じることをお話しますが、単なるお坊さんのポジショントークにならないように(お仏壇がいいですよとか、お墓がいいですよという話に終わらないように)お話したいと思います。


それでは、さっそくまいりましょう。


お仏壇やお墓参りから生きる意味を考えよう

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「生きる意味」を「考える場」と「共に歩む仲間」がある(いる)と、より「生きる意味」を見いだしやすくなると考えます。


「生きる意味」について「考える場」ですが、お仏壇やお墓は「生きる意味」について考えるいい場所だと思います。


お仏壇やお墓はいうまでもなく、先だっていかれた方に手を合わせる場所です。その方との想い出や想いに触れたり、自分のルーツや自分が育まれてきたことへ意識が向いていく場所です。いのちのつながりやご恩を感じやすい場です。


また、お仏壇は仏様がご安置され、仏様に手を合わせる場所でもあります。仏様の前に座れば、自然と手が合わさります。手を合わせることは、自分の内面に意識が向いていくことでもあるといわれます。

このように、「生きる意味」を「考える場」として、お仏壇(仏様)の前や墓前は、とてもいい場所ではないかと思います。

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場所に加え、タイミングの観点もあると思うので、タイミングについても考えてみたいと思います。

ちなみに皆さん、お墓参りはどのようなタイミングになさいますか?


多くが、ご命日や季節の節目になさると思います。ご命日は、毎月の月命日と、そして年に一回の祥月命日(しょうつきめいにち/実際のご命日)とがあります。ご命日も、自分のルーツや自分が育まれてきたことへ意識が向いていくタイミングになると思います。

ご法事も、ご命日をご縁にしておこなわれますが、これは、ご命日を特別な日と定め、慌ただしい日常の中で、一度立ち止まって自分という存在に目を向けていく、日常の中ではあまり考えないことに意識が向いていく、ご命日はそういう日にもなるかと思います。


また、春夏秋冬の季節の節目でお墓参りをする文化もありますよね。冬のお正月、春のお彼岸、夏のお盆、秋のお彼岸などですね。これも、季節の節目に、先だった方へ手を合わせつつ、自分という存在に意識が向いていくタイミングかと思います。


お仏壇やお墓、ご命日といったことに日本の仏教はすごく関わっていますが、全てが仏教の影響かというと、そうではありません。昔からの文化や伝統、地域性、気候、風土、土地柄など、習俗的な要素がかなり強いです。

ですので、仏教だけでは全ての説明がつきません。この仏教だけでは全て説明がつかないということが、私はとても重要なことだと考えています。


(イスラエルには、1万2000年前に花がたむけられたお墓の遺跡があり、お墓参りは人間の営みであることが感じられる。お墓の形状や埋葬方法は、地域や国、時代によって変わるが、大切な人を失った時の感情や、(葬儀や埋葬といった)何らかの追悼の行為は、昔からあり続ける)


つまり、お仏壇やお墓、ご命日にお参りすることや、手を合わせることは、日本人が長年かけて培ってきた、人が人らしく生きる営みであり、知恵だと思うのです。

そして、先だっていかれた大切な方に手を合わせつつ、自らの生き方や存在にも目が向いていく場や機会になっているのだと思います。


お仏壇やお墓は、その形は時代によって変化していきますし、地域や国によっても変わるものです。ですが、本質的には人が人らしく生きる営みからうみだされたものであり、大切な方へ手を合わせる場であるとともに、自分の生き方や存在に目が向いていく、「生きる意味」を「考える場」としても機能するものです。


こうしたことを、実感として感じられる方は多いと思いますが、きちんと言語化することが大切なことだと思います。

お仏壇やお墓の前で手を合わせることが、文化や伝統、当たり前といった言葉で片付けられずに、自分が人生を生きていく営みの一部となり、生活の一部となっていく、そう感じられるような定義づけがきちんとなされると、お仏壇やお墓参りにより積極的な意味合いが出てくると思います。


日常が非常に慌ただしく、変化が大きな時代の中で、我々は、目先の生活や「どう生きていくか」というノウハウに意識が向きがちです。それも大切ですが、「人生をどこに向かって歩んでいるか」「何のために生きているのか」ということについて、考えてみることも大切でしょう。


「生きる意味」について「考える場」として、お仏壇(仏様)の前や墓前がいいのではないかということと、ご命日や季節というタイミングも大切にされてきたのではないか、そんなお話を本日はさせていただきました。

これを機会に、お仏壇(仏様)やお墓にお参りしていただくと幸いですし、大切な方へ手を合わせるとともに、自分のルーツや自分が育まれてきたことなどについても、是非想いをはせてみていただけると嬉しいです。


「生きる意味」を見いだすという非常に壮大なテーマではありますが、参考になれば幸いです。

「生きる意味」を「考える場」として、お寺や神社も勿論適していると思いますし、お寺でおこわれている仏教講座や法要なども、考える機会になると思います。そして、「共に歩む仲間」の存在もとても大きなものだとを思います。こうしたことを、また次の機会にお話できればと思います。


本日は、「生きる意味がわからない方へ。お仏壇やお墓参りから生きる意味を考えよう」というテーマでお話をさせていただきました。

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合掌

浄土真宗本願寺派 教證山信行寺
神崎修生

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