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失われたものを掬う【坊さん日記】#024

新型コロナウイルスが流行してからというもの、法要や子ども会といったお寺での行事の開催が難しくなった。

法要とは、お彼岸やお盆など、季節の節目節目にお寺でおこなわれる行事だ。毎回、2日間ほどにわたり、100名を超える方がご参加くださっていた。

子ども会を別にして、お寺の行事に通われる方は、ご年配層が中心だ。ご承知の通り、ご年配の方は新型コロナウイルスに罹患すると重症化しやすい傾向もあり、お寺で行事を開催することを躊躇せざるをえなかった。

万が一、お寺が感染の場所となったら、、、。クラスターにもなる可能性はある、、、。

私が勤める信行寺は、福岡県福岡市の近郊に位置し、緊急事態宣言を二度経験している。また、本堂があまり大きくないこともあり、行事を開催すると、密集、密接が避けられない可能性が高いという状況にある。

できうる対策をおこなったとしても、感染の可能性がぬぐえない中、お寺での行事開催の判断の是非は難しかった。

そうした中で、信行寺では、昨年の3月のお彼岸より現在まで、ほぼ1年間にわたって、人が集う行事の開催ができなかった。

お寺によっては、コロナ禍でもできる限り、お寺の行事を開催されているところもあるが、少なくとも、信行寺ではそれは適わなかった。ご葬儀やご法事に関しては、影響はあるにしろ、コロナ禍においてもご遺族を中心としておこなわれてきた。

信行寺で一番変化があったことは、お寺での行事が開催できなくなったことだ。それは、大きく二つのことを意味する。

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