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◉説法グランプリをご覧になりましたか?【お寺の日々#179】

フジテレビで放送された「説法グランプリ」。

もうご覧になりましたか?

9名のお坊さんが出演をし、90秒という短い時間で説法をするというテレビの企画です。

まだご覧になっていない方は、TVerにて4月20日まで無料視聴が可能ですので、どうぞご覧になってみてください。

▼90秒で心に沁みる!説法GP◆現代人の心に沁みる説法12連発
https://tver.jp/episodes/epmcfoo6gi

昨年、信行寺にてお話をしてくださった三浦明利(あかり)さんと武田正文(まさふみ)さんも出演されていて、応援しながら拝見させていただきました。

また、未来の住職塾を通じて、小池陽人(ようにん)さんともご縁があり、小池さんのご法話も嬉しく拝見させていただきました。

今日はその感想について、書いてみたいと思います。



三浦明利さんは、ミュージシャンや学業を志しつつ、道半ばでお寺の住職にならなければならなかった過去を、今では良き縁と喜んでおられることをお話されていました。

昨年、信行寺にお越しになられる際に、そのことを伺っていたので、心にすっと話が入ってきました。

また、私も様々な縁によって今があることを、ご法話を通じて改めて感じました。

▼三浦明利さんにご出演いただいた「寺子屋ラジオ」はこちら
https://youtu.be/bhILWsSA3Yw

▼三浦明利さんにお話いただいた法要のレポートはこちら
https://note.com/theterakoya/n/nffe58a6fbdaa



武田正文さんの心理学を交えた仏教のお話からは、いつも新鮮な気付きをいただきます。

今回は、蛙化現象のお話から入られ、私たちが自分本位に物事を見てしまう習性をもっていることを、仏教の観点からお話されていました。

Z世代の流行語ともなった蛙化現象の語。

「少しのきっかけで、好きな相手に対して冷めてしまう」という意味として使われていますが、元々は心理学の用語でもあるとのこと。

ご自身の専門である心理学や仏教に立脚しつつ、時代をとらえたお話をされるところに、武田さんの特徴があられることを感じたことでした。

▼武田正文さんにお話いただいた法要のレポートはこちら
https://note.com/theterakoya/n/n6f6cedd97396




小池陽人さんは、素晴らしいお人柄で、お会いした時に心地良い風が吹き抜けていくようなお方です。

今回も、そのお人柄が現れた素敵なご法話でした。

▼過去に小池陽人さんとご一緒したサミットのレポートはこちら
https://note.com/theterakoya/n/n33cc967c4f20

個人的には、ご法話の中で出てきた例えが興味深かったです。

仮に土に生えた雑草を煩悩だとするならば、従来の仏教では、雑草を摘み取るように煩悩を滅すことを説いた。

しかし弘法大師は、雑草の生えた地面に、大木を育てるような生き方を説いた。

大木が育てば、その大木の影になった雑草は自然と枯れていきます。

ここで雑草とは、自分本位の考え方である煩悩のことです。大木とは、相手のことを大切にする利他の心のことです。

例えば、大好きな人へのプレゼントを考えている時、相手の喜ぶ顔を想像して幸せな気持ちになる。その時、自分本位な気持ちから離れる時がある。

相手が自分を大切にしてくれることを待つよりも、まず自分から相手を大切にしようと心がけること。そのことで、良き人間関係はつくられていく。

そのようなお話だと聞かせていただきました。



小池さんのご法話の中で、個人的に何が興味深かったかというと、煩悩への前向きな捉え方と、生き方にも前向きさを感じる点です。

マニアックな視点ですが、そこに浄土真宗との違いを感じます。

違いが良い悪いではなく、個人的にはその違いが興味深いんですね。

浄土真宗では、煩悩とは自分の中になくならないものであり、悪さをするもの、障がいとなるものというような捉え方が多いです。

そして、そこからくる生き方としては、その煩悩を抱えている自分を内省する傾向が強いです。

もちろん、内省する中に生きている喜びを感じるのですが、それは楽観的な喜びというよりは、深く味わわれてくる喜びといったほうが近いように思います。

弘法大師においては、煩悩が仏道を歩ませる力となるような、前向きな捉え方をされているように感じます。

また生き方としても、生きたままで仏となるというような、人間への可能性や前向きな肯定があるように感じます。

(違っていたら、申し訳ありません。)

先日、高野山真言宗の淺田慈照(じしょう)さんとお話させていただく機会があったのですが、その時に感じたのも、この煩悩への前向きな捉え方と、生き方の前向きでした。

▼淺田慈照さん
https://bukkyo-seminar.jp/lecturer/518/

同じ真言宗でも、小池さんの須磨寺派と、淺田さんの所属される高野山では捉え方が違うのかもしれません。

また、そもそも人間は一人一人考え方は違いますので、一概に一括りにして話すのもいけませんが、それでもお二人のお話から、共通点を感じたことでした。

そしてそれは、自分が触れてきた浄土真宗とはまた違った仏教の考え方であり、そうした違いに触れることが、個人的にはとても興味深く感じられます。

番組を見た全体的な感想を書こうと思っていたのですが、書いてみたら、ものすごく個人的な感想になってしまいました。

また、全体的な感想も書きたいと思いますが、今回は個人的に感じたことを共有させていただきました。

皆様もご覧になった感想をお聞かせください。

2024.04.15(月)記す

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【信行寺 今後の催し】
◉オンラインお寺参り
・4月27日(土)午前7時~約30分間
・内容:読経・法話

◉朝参り
・5月5日(日)午前8時〜約30分
・内容:読経・ストレッチ・法話

◉永代経法要
・5月17日(金)、18日(土)13時30分~15時頃
・内容:読経・講演
・講師:尾角光美さん(一般社団法人リヴオン代表理事)

▼催しの詳細はHPにてご確認ください。
https://shingyoji.jp/

合掌

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