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消費社会の幻想【現代仏教考】

現代の識者や名著に学び、仏教を考える「現代仏教考」。

今回もNewsPicksのRethinkでの波頭亮さんと山口周さんとの対談の内容から、考えるところを書き綴りたい。

お二人の対談の中で、「人は経済を回すために、消費という破壊を促し、需要や欲求を生み出してきた」という趣旨の話があった。

そして、「人がより良く生きていくための、(GDPに代わるような)普遍的な物語が大切である」という話に展開した。

仏教も多くが物語として説かれている。その物語とは、幸せで豊かな方向へと個人を導き、人と人との関りや社会をより良いものへと促すものである。

物語は、もちろん仏教だけでなく、多くの宗教などの普遍的な教えに説かれる。

しかし、教育や仕事において、偏差値や経済的な成功の価値観が染みついた中、自他の抜苦与楽や共生の生き方を信じられる人はどのくらいいるのだろうか?

一方で、成功とは幸せであるという幻影によって、経済や社会の歯車として働き続けるモデルに疑問を感じ、そこから抜け出そうとする人、そこからこぼれ落ちる人もいる。

「より良く生きるとは何だろうか?」「幸せや生の実感が感じられるのはどんな時だろうか?」「人生、どこに向かって歩んでいるのだろうか?」

これらの問いは、他者に向けがちだが、根本的には自分の問題である。

この「現代仏教考」は、私自身の勉強メモ書きである。未熟で結論に至らないことも多い。モヤモヤとした感情や、自己の葛藤も、できるだけありのままに記したいと思う。期待せずに、ご覧いただければ幸いである。

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