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【『メモの魔力』 前田裕二著】 -内向型にゴリ推ししたい「"メモによる錬金術"指南書」

筆者は本書を「メモを使って行う "アイデアの錬金術" 」について書かれた本と認識している。

もう少し具体的に言うと、本書で言う「魔力」とは "一見無価値に見える日常的な思考を、なんらかのチャンスにつながる価値あるアイデアに昇華させること" を指しており、そのために絶対不可欠なツールがメモだそうだ。

(ちなみに、日常的な思考とは「このおにぎり好きだな」とか「昨日観た、あの映画は面白かったな」など、普段なんとなく考えていること全般を指す)

しかし、この”メモの魔力”(以下メモ魔)の効力は全ての人に平等というわけでは無いのではないかと思った。

もちろん、全ての人がメモ魔の恩恵に預かることはできるのだが、その中でも特にメモ魔を手にすることにより、この錬金能力を猛烈に上昇させることができる人々というのが存在するのではないかと考えている。


"内向型" こそメモ魔で錬金能力を爆上げできる

このメモ魔が著効するのは知識欲旺盛で知り得た情報についてあれこれ1人でじっくり考えることが好きな人、すなわち内向型の人たちではないかと筆者は推測する。

言い換えると、ストレングスファインダーで言うところの収集心、学習欲、内省がTop5に君臨する、筆者のような人々である。

※ストレングスファインダーについてはこちらをどうぞ。


この手のタイプは、何か気になることを見つけるとすぐさま情報収集を開始する。

情報収集し、学ぶことがあまりにも楽しい(没頭するあまり「楽しい」と言う感覚すらない)ため、止まることなく無尽蔵に続けてしまう。

さらに、その過程で得た新しい情報について「もしかしたらこう言うことなのかも」「もしかしたらこれとあれは繋がっているのかも」などなど、ひたすら思考し続ける。

そして、このようにして思考続けた結果生まれた新たなアイデアについて調べ始べ、学び始める。

これが永遠に繰り返され、知識は蓄積の一途を辿り、脳内は知識の森となっていく


せっかく蓄積した知識もoutputしないなら持ち腐れである

知識が蓄積されていくことは決して悪いことではない。

しかし、せっかく時間を割き、労力をかけて蓄積した知識なのだから、自分で楽しむことの他にも価値を生み出せたらもっと良くはないだろうか?

なんなら、知識欲旺盛で呼吸をするように考え事をするような筆者のような内向型ガチ勢は、これらをすることに対し「時間を割き、労力をかけて」などという意識は持っていない。

したがって、この蓄積された知識から価値を生み出すことはもはや不労所得と形容しても良いくらいだと筆者は考えている。


宝の種を真の宝に錬成するための必須ツール "メモ"

知識欲旺盛で考えることが好き、だけれども知識を蓄積するだけなら外付けHDDの方が圧倒的に優れいてる。また、蓄えた知識から特定の情報を検索するだけならAIの方が断然優れている。

では、外付けHDDやAIにはない、我々ならではの強みとはなんなのか?

それは、蓄積した知識を使って価値あるアイデアを錬成することである。

具体的に言うと、自分の興味の赴くままに調べて得た知識を、自分以外の人々(その知識に興味を持たなかった人々)でも使えるように姿形を変えて提案、提供することである。

そのためには、脳内の知識を他者に伝えられるように言語化しなければならない

本書で前田裕二氏が提唱するように、脳内の知識を一旦手元のメモに取り出し、その構造を自分自身で目視しながら把握し直すことは、脳内の知識の森で迷子になりがちな筆者にとっては足元を照らすためのランプを携帯するようなありがたさがあった。


最後に

旺盛な知識欲で収集し、自分の思考を加えに加えまくって肥大し切った知識の森(と言うかもはや樹海)で1人遊びに勤しむ筆者などは、それ自体の楽しさのあまりこの蓄積した知識を理路整然と整理整頓することをすっかり怠ってきた。

気がついた時には、脳内は多種多様な知識が乱雑に積み重ねられおり、まさにカオスであった。

このカオスたる脳内樹海を、必要な時に必要な情報を瞬時に手に取れる脳内図書館にし、そこから効率よく価値あるアイデアを錬成できたらこんなに良いことはないのではないか

そのために必要なことが知識を言語化することである。

そして、本書で前田裕二氏が提唱するメモ術は、この知識の言語化を助けてくれる非常にありがたい方法だった。

筆者のような旺盛すぎる知識欲や強靭すぎる思考力、そしてその割に弱いアウトプット欲をお持ちの方にこそ本書 前田裕二著『メモの魔力』をぜひお勧めしたい


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