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ベルサイユのばら

バラが見頃を迎えています。今回紹介するのは日本漫画史上空前のヒットを巻き起こした名作『ベルサイユのばら La Rose de Versailles』、通称「ベルばら」です。


解説


マリー・アントワネット
ヴィジェ・ルブラン画
ハンス・アクセル・フォン・フェルセン

『ベルサイユのばら』は1972年、少女漫画雑誌『マーガレット』(集英社)で連載開始され、父親から軍人として育てられた男装の麗人・オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェと従者アンドレ・グランディエ、フランス王妃マリー・アントワネットとスウェーデン貴族ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン(フェルセン)を主人公に時代に翻弄されながらも波乱に満ちた人生を繰り広げる恋愛歴史漫画です。

執筆したのが漫画家・池田理代子でデビュー当初から少女漫画を描いていた池田は新たに以前から抱いていたマリー・アントワネットを題材とした作品を描こうと編集部に提案しましたが難色を示されました。当時、歴史物は読者に相手にされなかったもので編集部は別のテーマを提案しますが池田は縦に振らず読者の人気を勝ち取る条件で承認され、執筆・発表されました。

いざ掲載すると、軍装のヒロイン(というよりヒーロー)がフランス・ブルボン朝を舞台とした華麗なロココの世界に登場し少女の心を掴み大人気作品へと成長しました。掲載中、池田は画学生から油絵を一から学び、数多くの資料を漁りながら執筆し作品を仕上げました。

「ベルばら」は1974年、宝塚歌劇団によって舞台化され瞬く間に人気を博し「ベルばらブーム」を巻き起こしました。「ベルばら」を観て宝塚に入る人が殺到、涼風真世といったスターが生まれ、2024年、初演50年を迎えます。雪組トップスター・彩風咲奈がフェルゼンで宝塚の舞台を去ります。

「ベルばら」は宝塚に留まらず映画、アニメ化(1979年)され、世界各国に読まれるようになり、作品の舞台となったフランスでも受け入れられています。

※ 2024. 5. 21 追記、修正


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