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フランス革命恐るべし|パリ2015 #3

前日の行程:
パリ市内の有名どころをめぐって、ナポレオンとリシュリュー枢機卿に会う。

ヴェルサイユ宮殿 超絶豪華

前日に凱旋門、エッフェル塔などの有名どころを回ったので、今日は郊外に行ってみようと思う。ルイ14世によって建築され、後に第一次世界大戦の講和条約が結ばれるなど、幾度となく歴史の舞台に登場した、ヴェルサイユ宮殿である。

早朝、通勤客とともに、RER(フランスの鉄道)を目指す。が、どうも行き方が分かりにくい。勘を総動員して路線図を眺めたところ、どうやらヴェルサイユには同じ路線で二つの駅があるらしい。まるで都営大江戸線のごとき複雑さ。

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どうにかしてヴェルサイユ宮殿の正門前にたどり着くも、朝一番にも関わらず結構な行列。ただ見た目よりはスムーズに進んだ。

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中は、贅を尽くした豪華な部屋の数々。床から壁から天井に至るまで、素晴らしい絵画で埋め尽くされる。なるほどこれは、食うに困った市民によって、ヴェルサイユ行進されてパリ市内に連行される。

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正直、何をどうみていいか分からないが、ヴェルサイユ条約が結ばれた一際豪華な「鏡の間」はすぐに分かる。長い回廊が広がり、壁には578枚の鏡が埋め込まれ、天井にはクリスタルのシャンデリア。これはやっぱりヴェルサイユ行進される。

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広大な宮殿を出た先には、さらに広大な庭園が広がる。トラムの貸し出しがあるようで、確かにこれは徒歩で見て回るのはよほどの健脚ではないと難しい。さすがはもとは狩場だっただけはある。よほどの健脚ではないので、いいところで切り上げる。

帰りの電車でなぜかモビリス(鉄道の一日乗り放題切符)が使えない。来るときには問題なかったのになぜ。改札機でジタバタしていると、にこやかな駅員がやってきて、親切に説明してくれたが、何分フランス語。察するに「駅の窓口に行って交換してもらうといい」的なことのようだが、その窓口で説明できる自信がないので、あらためて帰りの切符を購入する。

帰りの車内で、素敵なムッシューが物を落としたので拾ってあげた。いい感じにメルシーと言われる。これが本場のメルシー。
そのムッシューは、他のお母さんが降りるときのベビーカーを持ってあげていたから、きっと優しいムッシューに違いない。

カルチェ・ラタン(国立中世博物館&パンテオン) 学生街

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昼ごろにパリ市内に戻る。パリ市内で歩いてみたかった、カルチェラタンを散歩する。かのソルボンヌ大学の前を通り、路地を散歩すると、石造りの古本屋などが軒を連ねていて楽しい。日本で言えば神保町やお茶の水といったところだろうか。

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そんなカルチェラタンの一角にある中世博物館へ。修道院だった建物がそのまま博物館になっている。

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そしてこの建物、修道院の前は、クリュニー浴場と呼ばれる、浴場施設であり、とても広い空間が残っている。当時は、カルダリウム (熱温浴場)、テピダリウム (微温浴場)、フリギダリウム (冷水浴場) の3種類があったらしく、テルマエ・ロマエよろしく、当時の風呂好きっぷりが分かる。全て石造りだったからこそ残る史跡で、日本は木の文化。ヨーロッパは石の文化だということがよくわかる。

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次に、同じくカルチェラタンの一角にあるパンテオンへ。ミラボー、ヴォルテール、ユゴーなどの霊廟であり、1階には、フーコーの巨大な振り子がある。もとは教会だったこの建物が、フランス革命期に偉人を祀る墓所となった。その後現在に至るまで、地下の納骨堂に、ミラボーらフランス革命で活躍した人物たちも眠っているので、歴史のつながりを感じる。そういえばミラボー、ここで眠った後に一回掘り起こされていた。フランス革命恐るべし。

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パンテオン前の広場では、カルチェラタンらしく、学生たちのお昼ごはんスポットになっている。地べたに座ってでサンドイッチを食べながら仲間とわいわいやっている様子は、キャンパスライフそのもの。学生街らしさがあってよい。街中に広場があるだけで、街が華やかになる。ミラボーが見ているぞ。

コンシェルジュリー マリー・アントワネットとのギャップ

ノートルダム大聖堂近くのシテ島にあるコンシェルジュリー。10世紀~14世紀にカペー朝の王宮だったのものが、後に牢獄として使われるという、存在の落差がすごい場所。フランス革命期には、マリー・アントワネットらが囚われており、今ではそのマリー・アントワネットの独房を人形とボロボロのベッドで紹介している。マリー・アントワネットがここから出たのはギロチンのときなので、その扱いが想像させられる。フランス革命恐るべし。

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そんなコンシェルジュリー、入ってすぐに広い空間があり、現代アートが展示されている。立体オブジェが視点を変えると2次元に見えるね、って面白いけどこの上ではマリー・アントワネットだぞ。

モンマルトル アメリ未遂からのwifi問題

カフェ・ドゥ・ムーランを観に行こう。映画「アメリ」の舞台だ。パリを舞台にした映画は数あれど、そんな中「アメリ」は好きな映画の一つ。クリムブリュレをスプーンの背で叩くという、「アメリ」を観たら必ずやりたくなることをしたい。

そう思って、モンマルトルにあるカフェ・ドゥ・ムーランへ。が、どうも満席のようだ。物欲しそうに店内をのぞいていたら、ギャルソンが出てきて何やら話しかけられる。さっぱり分からないので(たぶん「今は満席だから後で来い」的なことだと思う)、メルシー、オーヴォワと返して店を離れる。さらばクリームブリュレとスプーンの背中。

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クリームブリュレを食べ損ねたところで、フランスの大手スーパー「モノプリ」で何か食べるものはないかと、地元のマダムに混じってお買い物。サーモンとヨーグルトとオレンジジュースを購入し、一旦ホテルへ戻って軽くつまむ。オレンジジュースうまい。

このとき、ホテルのwifi問題が解決。実はこのときまでホテルのwifiが使えていなかった。

というのも、wifiのパスワードをフロントに聞いたところ、

「パスワードはパスワードだ」

と言われていた。なんのことやらと思いながら、

「おぉメルシー(だからそのパスワードを知りたいんだ、このムッシューが。)」

と返すしかなかったので、ネット環境が無いままふて寝をしていたのだ。

・・・で、オレンジジュースを飲みながら、思った。

「パスワードがパスワード、、、妙だな」

まさかパスワードに”password”と入れるだけとは。

オルセー美術館 明るくて広い

無事にwifiがつながったところで、時刻は18時ごろ。季節的にまだ明るいのでもう一つぐらい観光できそうだ。ようやくつながったwifiであれこれ調べていると、どうもこの日は週に一度、オルセー美術館が21時まで開館しているらしい。夜の美術館というのも素敵かもしれない。

セーヌ川沿いのオルセー美術館は、夕日に反射して美しかった。それなりに行列はあったものの、20分くらいで入場できた。日中ならもう少し並ぶことになったかもしれない。

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さすがルーブル美術館と並ぶパリの有名美術館。広大な館内は順路的なものがないので、どう観たらいいのかさっぱり。とはいえ、明るい室内と超有名どころがごろごろしているので、適当に歩いているだけでも楽しい。

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有名どころでは、ゴッホの自画像あたり。その他、ルネサンス期の絵画は、立体感がすごいと感じた。教科書に載るレベルの作品が、そこらにごろごろしているので、油断すると見逃すレベル。ただそういうものに限って、明るい館内でみると記憶の色よりもちょっと違うように感じた。これが「実物をみる」ということなんだろう、と感じる。

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今日オルセー美術館を観たということは、明日はルーブル美術館を観るということ。絶対混んでいるだろうから、朝一で行く。絶対。


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