【感想文#3】読んでドーピング『嘘喰い』

●賭博ゲーム中の頭脳戦・心理戦
●極上の暴力
●交差する男から男への極太感情矢印
の3つのハラハラが休む暇もなく読者に襲い掛かってくるアドレナリン放出漫画こと嘘喰い。


男男のドデカ感情が渦巻く

手始めに嘘喰いで運命、または運命に成り得なかった男達の組み合わせを羅列してみましょうか。
貘と零号立会人、貘とマルコと梶、貘と門倉、門倉と南方、ガクトと蜂名、ハルと貘、目蒲と佐田国、ビリーとマーティン、ロバートKと銅寺、梶とフロイドリーetc...
パッと思い付くだけでもこんな感じなので、嘘喰いの相関図書いたら矢印過多でぐっちゃぐちゃになりますよ。

例えば、番組Pの金子さんと司会者オッシーという2人のキャラクターの話に触れてみたいと思います。
金子さんとオッシーは超人気番組を作り上げてきた2人なのですが、実は金子さんがオッシーにある責任を負わせようとしていました。そのことが発覚した際に「金子さん…俺達堕ちる時だって一緒だ。そしてまた一緒に這い上がろう。大丈夫だよ…いつの日かまたきっと…出来るさ…俺達なら」っていうオッシーのモノローグが入るんです。
これだけ見ると関係重!金子さんとオッシーは主要人物として深掘りされてるんだろうなぁと思うじゃないですか。
ところがどっこい、金子さんとオッシーはネームドキャラではあるものの、主人公サイドにカモられる側の超モブです。使い捨てのキャラクターである2人でさえこんなエモくなってしまう作品、これが嘘喰いです。

運命の"数"だけじゃく"質"も凄いのが嘘喰いです。
ある脇役Aくんは排除すべき対象に脇役Bくんがいたんですけど、Bくんが悪さをする目的は「弟探し」だということを知ったAくんはBくんに協力しようとします。
実は以前Aくんには眉目秀麗で完璧な兄がいました。Aくんは完璧なお兄ちゃんが大好きなので、兄のファッションや持ち物を真似をしましが、かっこよくない自分には背伸びしすぎていて逆にいじめられてしまいます。弟のいじめに気づいた兄は、弟を助けようといじめていた子の家に凸るのですが、逆上した加害者の家族によって兄は亡くなってしまいました。
敵であるBくんに協力しようとするAくんの姿勢の裏にあったAくんの背景までが一連の流れになるかと思いますが、脇役関連のお話なのでボリュームでいうと数ページのものです。
ちらっと数ページで描かれるシナリオでさえこんなにも天才なので、全編を通じて描かれてしまう主要人物周辺のシナリオがやばくないわけないですよね。。これが嘘喰いクオリティです。

以上、推しCPの同人を書いてもらいたい漫画家NO.1こと迫先生でした。
(ちなみにワースト1位は虚淵先生ですね。救われてほしいので。)


立会人っていう癖製造マシーン

嘘喰いには、様々な闇ギャンブルを取り仕切る大組織であり、依頼者の賭けを成立させるための中立な存在である「賭郎」に所属する立会人と呼ばれるキャラクター達が登場します。立会人の説明については下記参照(Wikipediaより引用)。

賭郎の下でギャンブルを行う際、進行、取り決め、取立てなどを一任される存在。条件として高い戦闘能力(「暴」)、優秀な頭脳、冷静さが求められる。それぞれに號数(号数)が振られており、零號立会人から百號立会人までの計101人がおり、號が若いほど立会人としての位が高く、能力が高いとされる。基本的に中立性が求められるが、立会人の個性に拠るところも大きく、厳格に中立性を守る者から、あくまでルールの範疇で手助けする者まで様々いる。また、立会いのスタイルはいくつかあり、自身の戦闘能力に自信があって単身で行う者、能輪美年や最上のように直轄の部下を多数伴う者など様々である。

立会人はまあ、賢くて強くて信念を持つ存在なんですけど、何と言っても制服がスーツなんですよ。
様々なタイプの立会人がスーツでバチバチに闘っているんですよ!嘘喰いに賭けられたものはおたくの遺伝子に刻まれたスーツ×肉弾戦という癖、癖を得られた読者の代償は理性。。。

巻末には立会人メインのおまけ漫画がついてます。ひつまぶしみたいにコミック一冊で色々な味を楽しめる作品、それが嘘喰いです。


とりまエアポ編まで読んで

まどマギ界隈の常套句が「まどかが変身するまで見て」なら、こっちには「エアポーカー編まで読んで」っていうヤツがあります。
エアポーカーとか何なのかって話ですが、まあポーカーです。普通のポーカーとエアポーカー、異なるポイントは主に4点あって、
①配られる手札:トランプではなく数字のみが書かれているカード
②勝敗の決め方:ポーカーに則しているものの追加のルールがある
③賭ける場所:水中
④賭けるモノ:空気
よくわかんないと思った方はエアポーカー編まで嘘喰いを読んでください。

エアポーカーだけでなく、迷宮(ラビリンス)編、ドティ編、ハンカチ落とし編等々、たくさんいろんな面白すぎるギャンブルが出てきますので!
ハングマン編なんてババ抜きをやってるだけなのに異様に面白いです。
プロトポロス編はH×HのGIみたいな設定が出てきてしまうんですけど、ちゃんとギャンブルやってます。例えば(ちょっと物騒な)叩いてかぶってじゃんけんぽんとかで大切なものを賭けてます。

いくら男同士の関係がエモくても、立会人周辺の「暴」パートがアツくても、嘘喰いは"ギャンブル漫画"なんですよ。何が言いたいかって、つまりギャンブルもちゃんとめちゃくちゃ面白いですよってことです。


まとめ

推しCP:マル貘、ハル貘、妃古貘
貘さんが出会う人全て狂わせるボーイなので。


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